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2010年3月14日、新文芸坐「日本映画のヒロイン(6)にんじんくらぶ三大女優 久我美子 有馬稲子 岸恵子」にて。 1954年度作品。 脚本:依田義賢、成沢昌茂 出演:田中絹代、大谷友右衛門、久我美子、進藤英太郎、浪花千栄子、十朱久雄、田中春男、伊達三郎 ネタバレあるかも。 京都の色街・島原で置屋を女手一つで切り盛りしている初子(田中絹代)。東京の音楽学校に通い婚約直前であった娘、雪子(久我美子)が自殺を図り、家へ戻ってくる。 初子は年下の医者で思いを寄せている的場(大谷友右衛門)に娘を診せる。 傷心の雪子であったが、いつしか親密となった的場に、母親の仕事のために自分の婚約が破棄されて自殺に及んだことを打ち明ける・・・。(角川映画解説より) なかなか面白かったです。 京都の置屋の女主人や遊女(太夫?)の生活ぶりといった人の風景がとても自然で、いつも固い演技の田中絹代も今回は柔らかい京都弁がなじむ。 初子(田中絹代)と若い的場(大谷友右衛門)が男と女の関係になっているのに、的場(大谷友右衛門)は娘の雪子(久我美子)の純粋なやさしさに惹かれて、雪子(久我美子)も的場(大谷友右衛門)を好きになっていく。 雪子(久我美子)は初子(田中絹代)と的場(大谷友右衛門)が恋愛関係になっていることを知らない。 いわゆる三角関係の変則。 初子(田中絹代)が的場(大谷友右衛門)の行動を怪しく思い、女を選ぶのか親なのかの葛藤が面白い。 雪子(久我美子)は置屋を嫌がっていた。 恋人が置屋だったことを好ましく思っていなかったから。 そんな雪子(久我美子)の気持ちは、表情や行動にも現れる。当然遊女たちにも疎ましく思われていた。 ある時、一人の遊女が病気になって、雪子(久我美子)が介抱してやることで遊女たちとも気持ちが通うことに。 雪子(久我美子)が的場(大谷友右衛門)へ、遊女の質問に対して「遊女も結構楽しんでいるよ」という一言。 置屋の主人初子(田中絹代)と遊女との関係は良好で、何も不満はない。病気になった遊女も休ませてくれることに感謝している。 しかし、的場(大谷友右衛門)が言うように、遊女たちは楽しむどころか今の生活を好んではいない。 的場(大谷友右衛門)の一言は、的場自身が人を見ていないことと情に薄い性格を、観る者に感じさせる素晴らしいセリフだと思う。 最後の見せ場、初子(田中絹代)は、的場(大谷友右衛門)に雪子(久我美子)とのことを問い詰め、的場(大谷友右衛門)は「何が悪いんだ」と開き直る。 ここから意外な展開に。 雪子(久我美子)が的場(大谷友右衛門)につかずに、母親の方に味方する。 結局、親子の絆が強かった。 あまりのショックで寝込んでしまった初子(田中絹代)に代わり、雪子(久我美子)が置屋を仕切っていく。 そこへ病気で死んだ遊女の妹が置屋に奉公のお願いにやってくる。 きれいに着飾った遊女たちは、その姿を見ながら、「また新しい遊女が生まれてきよる」。 「いつになったら私らのようなものがなくなるんやろ」と。 溝口健二監督の遊女たちを見つめる視線はやさしい。 「夜の女たち」でも、女郎たちを救ってやりたい気持ちと女の自立を目指す映画だった。 その他何本か見た映画でも、女の強さや「自立」を目指す映画を描いてきたように思う。 この映画もそんな溝口健二監督らしい映画の1本でした。 ところで、「噂の女」って誰のこと?
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こんばんは。
この作品の田中絹代はもうおばさんなんだけど、何だか色っぽく感じました。
的場、嫌な奴でしたね。
進藤英太郎、浪花千栄子、十朱久雄、田中春男という役者も揃っていて、見応えがありました。
そして、いつもながら伊達三郎。この作品では客の一人でしたよね。
2010/3/27(土) 午後 10:42 [ - ]
なるほど、確かに溝口監督は女性の演出がずば抜けていますよね。
とても美しい女優陣が素敵です。
2010/3/28(日) 午前 10:38 [ dalichoko ]
bigflyさん
おばはんでも男に恋していると若くなるんでしょうね。そういう風に見せる田中絹代は素晴らしいです。いつも固い演技の田中絹代がこの映画では柔らかいところと気丈なところが面白かったです。溝口映画ではお笑いか悪役担当の進藤英太郎、業突く張りの浪花千栄子、スマートな十朱久雄、ダメ男の田中春男、みんな楽しい脇役さんたちです。さすがbigflyさん、伊達三郎に反応してくれましたね(笑)。よく覚えていらっしゃいますね、自分の好きな遊女を取るために、いかさまくじをする役柄でした。
2010/3/28(日) 午後 9:14
chokoboさん
この映画は田中絹代の最後の溝口作品のようです。存在感は抜群でした。久我美子もモダンな感じがよかったです。
2010/3/28(日) 午後 9:19
上の写真は、この映画の中心部を捕らえた鋭いショットですね!
「溝口健二監督の遊女たちを見つめる視線はやさしい」全く同感です。
この映画が、「田中絹代の最後の溝口作品」だったのですか、、、
溝口監督のドキュメンタリー映画(「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」、新藤兼人監督)をYouTubeで全編観たことがありますが、溝口健二と田中絹代は、銀幕制作の中だけですが「恋愛関係」になっていたようです、監督と女優として。
http://www.youtube.com/watch?v=EHVQpz-I3KE
記事がありますので、TBさせて下さい。
2010/4/24(土) 午後 4:07 [ 8 1/2 ]
8 1/2さん
これが田中絹代の最後の溝口作品だったんです。
「ある映画監督の生涯 溝口健二の記録」のYouTubeを紹介していただいてありがとうございます。実は。。。言いにくいんですが、明日この映画を観に行く予定のなのです。なので、あえてYouTubeは観ていません。ごめんなさい。「恋愛関係」のインタビュー楽しみに見てきます。
2010/4/24(土) 午後 9:20
この時代は 三大女優の時代なのかナァ
溝口監督 映画まだ見ていません。映画同好会(名前検討中
田中絹代 画像で 検索中です。田中絹代さん綺麗ですね。
今 動画で 高石かつ枝身の上話「愛染かつら」を 見ています。世界的 歴史的美女を探す会(名前検討中 田中絹代を語る会
本格派大女優、田中絹代さんの 若かりし画像 動画 少ないのかなぁ?検索しにくいです。
アイドル時代の田中絹代さんが 見たいナァ。トーキー映画の時代かなぁ?もっと昔かなぁ?
2012/5/20(日) 午後 9:56 [ 謎の三文字☆村石太 ]
謎の三文字☆村石太さん
田中絹代さんと言えば溝口監督、「西鶴一代女」「雨月物語」「山椒大夫」は是非ともお薦めです。サイレント時代の小津監督の「大学は出たけれど」「落第はしたけれど」「青春の夢いまいづこ」、野村浩将「お絹と番頭」は可愛かったですよ。
2012/5/22(火) 午後 10:52
娘は、母親の職業を嫌っていた.自分と同じような年頃の娘たちが身体を売ってお金を稼いでいる.自分はその稼ぎによって育てられて来た.
確かに娘が考えたとおり、学業を終えて自分の力で生きて行くことが出来る人間が、身体を売らなければ生きて行けない者達の稼ぎに頼って生きて行くのは間違っている.
けれども母親は、身体を売らなければ生きて行けない境遇の娘達から、慕われ頼りにされる存在だった.
身体を売らなければ生きて行けない者達に頼るのは間違っているが、身体を売らなければ生きて行けない者達から頼りにされる職業が間違っているかどうか?、娘は母親の仕事を継ぐことにした.
2016/4/12(火) 午前 5:09 [ bego ]
> begoさん
とは思うのですが、自分は間違ったことをしていないかと言われるとそうとも言えないし、男は人の気持ちがわかっていないことが許せなかった。
2016/4/21(木) 午後 11:02