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2010年3月28日、ケーズシネマ「フェリーニ!フェリーニ!」にて。 1963年度作品。 脚本:フェデリコ・フェリーニ、トゥリオ・ピネリ、エンニオ・フライアーノ、ブルネロ・ロンディ 音楽:ニーノ・ロータ 出演: マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、サンドラ・ミーロ、
クラウディア・カルディナーレ、ロッセラ・ファルク、ジャン・ルージュル
温泉地に逗留している43歳の映画監督グイド。彼はこの地で新作の撮影を控えているのだが、構想がまとまらず、プロデューサーや製作主任にせっつかれながらも、既にクランクインを2週間延期している。老いたブルジョワや枢機卿などの湯治客に混じって現れるグイドの旧友、愛人、そして妻ルイザ……。仕事上のスランプ、冷え切った妻との関係……公私ともどもストレスにさらされているグイドの脳裏には幼少時の記憶やまだ見ぬ夢の美少女の幻影が現れては消える。クライマックスは、巨大な宇宙船発射台の屋外セットを前に開かれる記者会見シーン、ストレスが頂点に達したグイドがとった行動とは……。(DVD解説より)いかに天才フェデリコ・フェリーニであっても、ストレスを感じながら生きているのだと、変なところでちょっと安心した。 そして、そのストレスを映画にしてしまうぐらい、追い込まれていたのかと単純に思ってしまう。 グイドは疲れていた。 冒頭から、車の中に閉じ込められ、周りの人が笑っている夢を見る映画監督のグイド。 そのあと、妻との冷えた関係、騒がしい愛人との煩わしさ、新作準備と色んなプレッシャーを受ける中、妄想と思い出を繰り返す。 子供の頃の宗教での苦悩、海辺で踊る大女、今は亡き両親、理想の女。 妄想の中で特におかしかったのは、妻も愛人も一緒に暮らしていて、グイドがお風呂に入っている。 愛人たちの中でも、年齢が高くなると、上の階に住まないといけない。 女たちがグイドへの不満で騒ぎたてると、グイドは猛獣使いのようにムチをうちふるう。 男ならではの弾けた妄想が面白い。 苦い現実も、繰り返す妄想もグイドにとっては、あまり変わらない。結局辛い思いしかできない。 そして、グイドは、開き直ったのか、何かに吹っ切れたかのように、新作の記者会見での有名なセリフ。 「人生は祭りだ。一緒に過ごそう」と。 この発想はしにくい。 国民性の違いか、この発想は、当時の日本人の発想にはなかったのではと思う。 イタリアらしいのかヨーロッパらしいのかよくわからないけど。 残念なことがひとつ。
この映画をフェリーニにカラー映画で撮ってほしかったこと。 もっと、もっと、きらびやかで、溢れんばかりの妄想のイメージが広がったのではないかと思う。 |

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「甘い生活」ほどではありませんが、「8 1/2」も好きなフェリーニ映画です。
グイドの妄想、面白かったです。共感はできませんが、男性って多かれ少なかれあんなもんなんですかね。(^^;
「人生は祭りだ」のラストはなんだか温かくて救われて好きですね。
2010/4/17(土) 午後 10:00
boyattoさん
自分も面白かったです。あそこまでオーバーではないですが、少なからず男の生理現象のあらわれですね。女性には理解しにくいかも。「人生は祭りだ」、いきなりの解放感は見事でした。
2010/4/18(日) 午前 9:51
確か、日比谷のアートシアター・ギルドでこの映画を上映していたのでは?
フェリーニは「退廃」がお得意でした。
でも映画的にはエロティックなものはそれほど多くなかったような。。。
岩波ホールで見た「道化師」なども佳作でした。。。
2010/4/18(日) 午後 0:36
もすもすさん
そういえばアートシアター・ギルドってミニシアターの走りでしょうね。すいません、フェリーニはあまり見ていないので。。。大昔見た「道」は好きですね。
2010/4/18(日) 午後 11:32
ストーリーを追っかける映画ではないので、大昔見たときにはよく分からなくてついていけませんでした。それでも、断片的にパーティのシーンや夢のシーンなど白黒ですが鮮やかな印象で記憶に残っています。あらためて見直してみたいですね。
2010/4/19(月) 午前 7:02
ヒッチさん
途中で気がついたんですが、芸術だと思わずに肩肘はらずに観ると、ストレスためた自分とたいして変わりないなと気が楽になりました。
2010/4/19(月) 午後 9:49
ラストの「人生は祭りだ。一緒に過ごそう」は、理由もなく、唐突に出てきますよね。最初観た時は、何か不自然で飛躍しているなあ〜と思いましたが、私自身にも最近このような閉塞感から突然脱出した経験があって、なるほどなあと思ったことがありました(笑)
楽天と悲観の振幅の激しいフェリーニらしい感情の変化でしょうか。
モノクロ、カラー、どちらがよかったのか、、、分りませんね、モノクロに慣れ過ぎてしまっているので、これをカラーというのは、ちょっと想像が付きませんね(笑)
記事がありますので、TBさせて下さい。
2010/4/24(土) 午後 4:10 [ 8 1/2 ]
8 1/2さん
フェリーニも人の子なのでしょうか。私生活でも何かあったのでしょうか。
実はこの映画の前に「魂のジュリエッタ」を観て、カラー映画の妄想シーンの造形美にびっくりしました。なので、この映画のモノクロの映像をカラーで見たかったなという感想でした。
2010/4/24(土) 午後 9:30
映画監督さんというのは裏方さんのことから俳優さんのことまで
全部決めなくてはいけないからものすごくストレスの多い
お仕事なのでしょうね。
しかも家庭も大変(笑)
それをこんな風にファンタジーっぽく映画にしてしまった
フェリーニ。やはりすごいです。
あ・確かにカラーだとまた違ったものになっていたでしょうね。
TBさせてくださいね。
2010/9/25(土) 午後 3:41
Cartoucheさん
この映画の前に観た「魂のジュリエッタ」の極彩色に驚かされました。この映画がカラーであったなら、さらに自由度も高く面白い絵が見れたことでしょう。
2010/9/26(日) 午後 8:26
やはり監督自身の頭の中、行き詰まりをそのまま作品に仕上げてしまったという事なんでしょうか?
確かにカラーにしたら色合いも豊かだったでしょうが、モノクロな気分さえも画きたかったのかも。
こちらからもTBお願いします。
2016/12/7(水) 午後 4:57
> atts1964さん
追い込まれての爆発、祭り、それぞれストレスは溜まってますからね。魂のジュリエッタを観ると極彩色のカラーの凄さがわかります。機会があれば是非。
2016/12/9(金) 午後 2:53