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2010年4月18日、新文芸坐「新藤兼人監督お誕生日おめでとう!」にて。 1959年度作品。 脚本:八木保太郎、新藤兼人 出演:宇野重吉、乙羽信子、殿山泰司、千田是也、三島雅夫、稲葉義男、浜田寅彦、中村是好、毛利菊枝、中谷一郎、松本克平、井川比佐志 98歳で現役の監督、5月から新作「一枚のハガキ」の撮影に入るというからすごすぎます。 1954年3月1日午前3時42分、第五福竜丸の乗組員たちは暗闇の中で火柱が天空に立ち昇るのを目撃。数分後大爆音が響き渡り、やがて雪のような死の灰が降り注ぐ。アメリカのビキニ環礁での水爆実験時に立入禁止区域外にいて何も知らされず被爆した人々の逸話。そのパニックへ向かう運命を描いた社会派の人間ドラマ。(eiga.com解説より) ドキュメンタリー映画のように、映画は淡々と進められていく。 第五福竜丸の乗組員たちは、家族の見送りを受けながら元気よく港を出航し、ビキニ環礁沖でマグロ漁をしている最中に水爆実験により被爆し、死の灰を浴びた。 彼らは、空から降ってくる灰が何なのかが分からず、気になりながら、帰り支度を急いだ。 もしかしたら、アメリカのスパイに間違われたらまずいと思い、焼津の漁港組合にも連絡しなかった。 帰港して顔が真っ黒になり、病院で診察を受け、原爆症とわかり、放射能が検出された。 立入禁止区域外でありながら、被爆した。 アメリカは水爆の規模を計算間違いしていたので、警告しなかった。 病院の治療で乗組員たちの黄疸の数値がどんどんよくなっているのに、一番の年長者久保山愛吉(宇野重吉)だけは、症状はよくなっていかなかった。 久保山愛吉には、妻(乙羽信子)と小さい女の子が二人いた。 久保山愛吉は急変し、亡くなった。 港についた時には、家の前の畑に花は咲いていなかった。 あれから半年過ぎ、畑に色とりどりの花が咲いている。 この後、日本では、反核運動が起きたことが映画の中で描かれている。 この映画が素晴らしいと思ったのは、声高に叫ぶようなセリフもなく感情に流されるのではなく、冷静に丁寧に事実を伝えようとしているところです。
久保山愛吉さんと家族、乗組員の生活、放射能に慌てふためく住民の姿、アメリカの対応など。 放射能に汚染された部品が取り外され、検査のために第五福竜丸が曳かれて、焼津港を出ていく姿が痛々しい。 |

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98歳で現役、更に新作に取りかかられるとのこと、
凄いバイタリティです。
生きている限り、情熱を持ち続けるって、素晴らしいことです。
この出来事が、映画になっていたのは知りませんでした。
宇野重吉が出ているのですね。
「声高に叫ぶセリフもなく感情に流される事もなく、冷静に丁寧に事実を伝えようとする」作品。
この出来事が、自分の中でも「風化」しないよう、
是非見ておきたい映画です。
2010/4/25(日) 午前 5:17
alfmomさん
新藤兼人さんは、すごいです。ただ次回作で監督を最後にされるようですが。パワフルで精力的です。人間を描くにはその人間が一番情熱を持っていないといけないという証明でしょうか。劇団の俳優が多く出演されています。宇野重吉さんは「原爆の子」にも出ていました。この映画には出ていませんでしたが、その後、乗組員の人は後遺症で苦しまれていたようです。
2010/4/25(日) 午後 11:04
何年か前の日本映画専門チャンネルで見ました。広島出身の新藤監督ですから、根底には反核の強い主張があるんでしょうが、冷静な視点で描かれた作品という印象は私も受けました。
2010/4/26(月) 午前 7:30
ヒッチさん
広島出身ゆえの反核へのこだわり、冷静であるがゆえ映画のレベルの高さを感じます。こんなに大ドラマなのに淡々と日常の人間を描ける監督の奥深さを実感します。
2010/4/26(月) 午後 10:31
この映画は旧・文芸地下で新藤作品の「原爆の子」との併映で観ました。同じ監督の反核映画ということで組まれていたと思います。
2010/6/13(日) 午後 4:20 [ SL-Mania ]
SL-Maniaさん
私は東京に来て5年なので、昔は文芸地下だったんですね。今回も「原爆の子」との併映でしたす。怠慢してまだ感想が書けていません、反省しています。この映画では監督の静かな怒りを感じます。
2010/6/13(日) 午後 8:48
文芸座は一度経営が破綻して、新たなスタートを切っています。学生の当時は銀座並木座という邦画専門の名画座もありました。洋画は文芸座、地下が邦画でした。また文芸座は土曜日のオールナイト興行をやっていて、日本の監督特集を組んでいて、これで映画を知ったものです。今現役なのは京橋のフィルムセンターとか早稲田松竹なども古い作品を上映していますね。8月になるとこうした原爆関連や戦争関連の作品が企画にあがります。そういえば「ゴジラ」(1954)も第五福竜丸の事件にあった年の作品で、あれも反核の作品です。
2010/6/14(月) 午後 2:43 [ SL-Mania ]
SL-Maniaさん
昔、大阪でキネ旬を読んでいて文芸座とか並木座とかの名前だけは知っていました。5年前に東京に来て新文芸座に来た時は感慨深かったです。早稲田松竹もユニークな番組構成でお世話になっています。それでもやはりフィルムセンターは凄いです!
お気に入り登録ありがとうございます。マニアックな映画の感想が多いですが、お暇なときに覗いてやってください♪
2010/6/14(月) 午後 10:09