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2010年4月18日、フィルムセンター「映画の中の日本文学part3」にて。 1958年度作品。 原作:武田泰淳 脚本:植草圭之助 出演:高倉健、藤里まゆみ、香川京子、有馬稲子、三國連太郎、加藤嘉、佐々木孝丸、中原ひとみ、
北沢彪、花澤徳衛
北海道・阿寒の雄大な自然を背景に、アイヌの風俗をふんだんに取り入れ、アイヌ民族の存亡と愛をめぐるドラマを、内田吐夢が正攻法の演出で描く。任侠映画のスターの座を確立する前の高倉健が、亡びいくアイヌのために闘う主人公を野生味豊かに演じている。(eiga.com解説より)オープニングシーン、雄大な北海道の草原の中、馬に乗った高倉健が近づいてくる。 一瞬、西部劇のような始まり。 アクション映画を予想したが、まったく違い、真面目な映画。 純潔のアイヌであることを誇りに思う高倉健は、純潔のアイヌだけの存続に命をかけている。 シャモ(和人)との確執、アイヌと和人との混血を嫌い、アイヌであることを隠す三國連太郎親子も嫌っていた。 昔、高倉健の姉と恋愛関係になりながらアイヌであることで結婚に踏み切れなかった加藤嘉が印象的。 落ちぶれて年老いた加藤嘉は、アイヌとして存続するためには、アイヌだけの純潔にこだわるのではなく、アイヌと和人との混血を推し進めて生きていくしかないと言う。 高倉健と三國連太郎の争いのあと、三國連太郎は高倉健に言う。 お前は、純潔ではないと。 今までそのことだけを誇りに生きてきた高倉健にとっては大ショック。 川を舟を漕ぐ高倉健は、死体となって浮かんでいる加藤嘉を見つけ拾い上げる。 そして、それから高倉健の消息はわからないと恋愛関係にあった香川京子のナレーションが流れる。 さらに、高倉健の子供が宿っていることも伝える。 健さんが実にかっこよく、そのせいかもしれないが、この映画のテーマが薄れてしまっているように感じた。 いっそのこと、アクション映画の娯楽作品にして、その中でアイヌの存続を際立たせるというのは。 でも、内田吐夢監督はそんな邪道なやり方はしなかっただろうな。 ラストも高倉健の子供の話が登場するのも、あまりに唐突で、無理があるように感じた。 全体的に、バランスが悪いような印象がして、まとまりに欠けている気がした。 ボーダーがなくなる時代が進んでいるとはいえ、島国日本に生まれて、日本で生活していて、現実まだ、それほど民族意識をしたことはない。アメリカのような多民族国家と違い、日本にいる自分の中ではなかなか実感が掴めないのが正直な感想です。
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私も、見ました。
アイヌ問題を描くには、東映という会社、健さんのスター性が邪魔して中途半端な作品になってしまってますね。
2010/4/27(火) 午後 10:13 [ ひろちゃん2001 ]
ひろちゃんさん
同じ感想です。娯楽映画の中でアイヌ問題を描くのか、「飢餓海峡」のような徹底してつきつめた映画にするのか、どうも中途半端になってしまっているように感じました。それでも内田吐夢作品は出来るだけ観ようと思っています。
2010/4/28(水) 午後 10:36
泰淳先生の本が映画化されたなんて、ちょっと信じられない気もしています。
泰淳先生のような作家はもう出ないような。。。
戦後派の作家って評価が低いのも微妙に感じてます。。。
この作品も映画にはある意味、なりにくい作品だったんでは?などと思ったりしてますが。。。
2010/4/28(水) 午後 11:17
もすもすさん
武田泰淳さんの本はまったく読んでいません。この映画を観る限り、ストーりーは難しくはないかなと思いましたが、もすもすさんの感じではたぶん原作はわかりやすい本ではないような複雑な話のようですね。
2010/4/29(木) 午前 0:43