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2010年7月10日、船堀シネパル「第2回時代劇まつり」にて。 1961年度作品。 脚本:加藤泰 出演:若山富三郎、近衛十四郎、藤代佳子、渡辺篤、沢村訥升、伏見扇太郎、桜町弘子、三原有美子、赤木春恵 有名な鶴屋南北の『東海道四谷怪談』を映画化した怪談時代劇。単なる怪談としてではなく、徹底したリアリズムをもって、出世を狙う貧乏侍・伊右衛門(若山富三郎)の破滅していく姿を描いた異色作。無頼の生活に明け暮れる御家人民谷伊右衛門に愛想をつかしたお岩の父四谷左門は、お岩(藤代佳子)を実家に引き取った。だが、貧乏浪人の左門は、たまる借金にお岩の妹お袖(桜町弘子)をあんま宅悦(渡辺篤)のもとに奉公に出した。女郎屋を営む宅悦は嫌がるお袖をむりやり店に出す…。 (東映チャンネル解説) こんなことを言ったら加藤泰監督に怒られるかもしれないけど、意外に面白かった。 モノクロフィルムに「絵」の切り取り方が面白い。 解説にも書かれているように、面白い構図が、よりリアルな印象を与える。 加藤泰監督と言えば、ローアングルが有名。 すでにこの映画でも低いカメラ位置からの上目づかいショットが盛りだくさん。 びっくりしたのは、玄関の三和土にお岩の櫛が置いてあるが、その櫛を下から見上げるカメラワーク。 ほとんど、地面にカメラを置いて写したとしか思えないショット。 こだわりでしょうね。 この時代とは思えないような血生ぐさい演出。 結構迫力ありました。 ストーリーはあまりに有名なので、展開も目新しいようには思えないですが。
悪役伊右衛門(若山富三郎)と悪友直助(近衛十四郎)はお岩の父親を殺した。 2人で辻斬りもやっている。 さらに伊右衛門はお岩も隣家の息子も殺している。 直助はお袖(桜町弘子)の仇の手助けをして、伊右衛門を殺す。 お袖が悲しむ中、直助は、いかにもいい人のように死んでいく。 伊右衛門と同じように人を殺しているのに、なんという扱いの違い。 出世欲が強すぎたため、たまたまその時に商家の娘婿にとそそのかされたため、商家の主からお岩に毒薬をと薦められたため。 その前に伊右衛門はお岩に手の怪我をさせたことを後悔して、薬を買ってやっている。 すべてが、悪い方へ歯車が回ってしまっただけ。 この映画では伊右衛門をただ「悪いやつ」としか描かなかったのが残念。 現代の描き方だと、TV版「白い巨塔」のような人間の弱さを描くことになっていたかも。 |

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この映画は私もブログで取り上げました。この監督の作品は割りと好みであります。ローアングルは小津作品よりも印象が強いです。有名な「瞼の母」の前年の作品ですね。
2010/7/12(月) 午後 10:53 [ SL-Mania ]
加藤泰とは少し変わった監督さんですね。この人の強烈で個性的な演出にはたいへん興味を持っています。
2010/7/13(火) 午前 6:52
SL-Maniaさん
ローアングルのこだわりはすごいです。下から撮っているためセットの天井も映るので、美術の人も大変です。「瞼の母」は未見です。観たい映画の中の1本です。
2010/7/13(火) 午後 9:33
ヒッチさん
物語そのものはそんなに目新しいものではありませんが、映像は凝っていました。この映画も有名な映画ではありませんが、監督の個性は明確でした。
2010/7/13(火) 午後 9:50
冒頭の望遠レンズで撮った様なドキュメンタリー・タッチに吃驚させられました…。若山富三郎も中々魅力的で亡霊に苛まれて狂気に至るが、若干悪に徹し切れない弱さがある様にも思えました…。
2016/8/5(金) 午前 9:18 [ PineWood ]
> PineWoodさん
カメラワークは凝ってますよね。話はよく知ったものでしたが、映像の工夫で見せる力がありました。
2016/8/6(土) 午後 11:17