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夏時間の庭 2010年7月3日、早稲田松竹「想いを連れて−オリヴィエ・アサイヤス監督特集」にて。 2008年度作品。 監督:オリヴィエ・アサイヤス 脚本:オリヴィエ・アサイヤス 出演:ジュリエット・ビノシュ、シャルル・ベルリング、ジェレミー・レニエ、エディット・スコブ ネタバレあるかも。 画家だった大叔父のアトリエに1人で暮らしていたパリ郊外に住む老女・エレーヌは3人の子供を呼び寄せ、自分が死んだら叔父から受け継いだ美術品等を全て売却して欲しいと頼む。 母が突然亡くなり、その3人の子供たちにパリ郊外の広大な屋敷と庭、貴重な美術品コレクションが遺産として残される。3人は遺産の相続処理を進める中で、思い出の詰まった家への愛着と、経済的に厳しい現実とのジレンマに向き合うことになる。(eiga.com解説より) 地味な映画です。 まるで、昔の日本映画に出てくる家族の物語のような、繊細で人の機微を感じることができる素朴な映画です。 アクションもなく、サスペンスもなく、ましてやCGもない。 年老いた母親は、一人で暮らしている。 家事は同じように年老いた家政婦が手伝ってくれている。 広い屋敷には画家だった大叔父の美術品が飾られている。 母親は、自分が死んだら、この家や美術品を売却するように子供たちに伝える。 母親は、子供たちが屋敷や美術品を相続した場合の相続税が払えないことや資産を維持していくことの負担を気にかけての思いやりの一言。 そして、突然、母親は死んだ。 唯一フランスに住む長男は、そんな母親や自分たちの思い出を大事に想い、子供たちが相続することを次男と長女に相談する。 次男は中国に長期赴任、長女もアメリカに生活の基盤をおいている。 2人ともフランスに帰ることは年に1度ぐらい。 昔の思い出よりも、今の現実の生活を、見据えることに重視する。 誰しもが思う、ごく当たり前の考え方。 そして、結論は、家も美術品も売却することに。 長男は、寂しい思いを感じながらも、それぞれの生活を考えると何も言えない。 「家」や「美術品」という「もの」への思い出が、母親への「思い出」に繋がる。 でも、この監督はカットバックを挿入して、屋敷の中で遊んだ子供の頃を描いたりはしない。 そう、郷愁を誘う描きかたにはしていない。 お涙頂戴の映画にしていないところがフランス映画といえば、らしいのかもしれない。 今、これから生きていく人たちの中での、思い出として描いている。 そして、静かに終わるだろうと思っていたら、いきなり孫が友だちとパーティを開く予想外の展開に。 ラスト、「おばあちゃんは、お前も子供ができたらこの屋敷で一緒に遊べばいいと言ったのに」と、孫は悲しそうに言う。 親から子供、孫へと受け継がれないことへの寂しさなのでしょうか。 しみじみとした映画だったけど、あまりに上品すぎて、ちょっと気恥ずかしい。 自分には強い意思を感じる「クリーン」の方が、気に入ってます。 家政婦のおばあさんが、いい味を出している。
主の老夫人への思い出と自分自身の思い出が屋敷にある。 形見分けといって、自分は安ものだと思ってもらって帰った花瓶が実は著名な人物の価値のあるものだった。 |

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確かに、回想シーンとか、説明的なシーンを見事に排除している映画ですね。
葬式シーンよりも、その後の親族会議とか、セレモニー自体を省略している上手さを感じます。
2010/8/31(火) 午前 4:07 [ ひろちゃん2001 ]
ひろちゃんさんにコメントもらえると、記事を褒めてもらった気がしてうれしいですね。わざとらしさを排除して、淡々とした映画作りにこだわった作品ですね。今生きている人を考えて、過去である葬式を排除した形になっているような。
2010/8/31(火) 午後 9:16