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2010年7月31日、船橋市民文化ホール「無声映画上映会」にて。 1927年度作品。 脚本:ベンジャミン・グレイザー 出演:ジャネット・ゲイナー、チャールズ・ファレル、ベン・バード、デビッド・バトラー サイレント期のメロドラマのなかでも最上級の名編の一つ。第一次世界大戦前夜のパリ。下水道掃除人の若者シコ(チャールズ・ファレル)は、ある日、実姉に路上でムチ打たれている薄幸の娘ディアーヌ(ジャネット・ゲイナー)を助ける。行き場がないという娘を仕方なくぼろアパートに連れ帰った彼は、汚い屋根裏部屋を“7階にある天国”と呼んで娘を笑わせた。二人はやがて恋に落ちて結婚をするが、幸せはつかの間。大戦に召集されたシコの帰りを待つ若妻に、夫の戦死の報が届く……。(eiga.com解説より) 活動弁士:澤登翠 伴奏:ギター・湯浅ジョウイチ、フルート・鈴木真紀子 「第七天国」って何か変なタイトルやなと思っていた。 映画の途中でようやく理解した。 主人公チコは地下のドブ掃除をやっていたので、いつかは地上で仕事をするんだと前向きで強い気持ちの表れで、自分の部屋が7階にあるので第七天国と呼んでいたのだ。 ディアーヌは、いやらしい姉にいつも苛められていたので、この世を儚く想い、まったく希望を持てなかった。 そんな2人が出会った。 泥棒をした姉の仲間だと警察に逮捕されそうなディアーヌを助けるため、チコは自分の妻だと偽ってその場を逃れた。 そして、第7天国へ。 しかし、チコは、いつも思っていることと言葉が裏腹。 「お前を置いているのは、警察の目をごまかすためだけで、それまでの間だけだぞ。警察が気にしなくなったらお前は出て行けよな」 仕事の相棒が部屋に来ると、チコは夫婦らしくディアーヌとキスをするが、その後で「夫婦という芝居でキスをしたけど、俺はなんとも思っていないからな。勘違いするなよ。」 このあたりのチコの少年のような初さが微笑ましい。 ディアーヌは、チコの前向きな気持ちに自分も癒され次第に惹かれていく。 その後、警察の目が、チコとディアーヌから離れたことがわかり、チコは喜ぶ。 しかし、ディアーヌは、その結果、家を出ていく約束をしているから、一人寂しく部屋を出て行こうとする。ディアーヌの後ろ姿に「お前が居たいなら、居てもいいぞ」というチコ。 やがて、2人は愛を確かめ合う。 愛していると言ってというディアーヌに、そんな恥ずかしいことは言えないというチコ。 そのかわり、「チコ、ディアーヌ、天国」と言う。 おっと、ついつい、ストーリーを書いてしまっていました。 これではいつまで経っても終わらない。 そんな微笑ましい2人に、試練がきました。 戦争です。 第一次世界大戦です。 フランスはドイツと戦います。 戦争のシーンはかなり迫力があり、お金がかかっています。エキストラも大量増員です。 やがて、チコの戦死の知らせが・・・。 最後はハッピーエンドで終わるが、ユーモアもあり、爽やかなラブロマンス。 この映画には、「希望」と言うことばが、ピッタリだと思う。 諦めず、前向きに生きることを気持ちで感じさせてくれたいい映画でした。 後半はちょっとご都合主義的な感もありますが、「幸せになってよかった」と素直に思います。 この時代のせいか、ひとつのエピソードが長く、テンポが、ちょっと遅いです。 もう少し短くつないでいくと、テンポもよくユーモアと戦争叙事詩的なラブロマンスになったのではと思う。 良き時代のアメリカ映画、といいながら舞台はフランスなんですよね。 ジャネット・ゲイナーが、メッチャ可愛いです。 十分今でも通用します。 それと、何と言っても、この映画の貢献者は、活弁士澤登翠さん。
ハンサム男、か細い女、じいさんから意地悪女まで縦横無人に声色を駆使して、観客に涙を誘う、笑いを起こすテクニックは素晴らしいの一言。 お見事でした。 |

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こんばんは。
確かこの作品でゲイナーはオスカー獲ったんですよね。
サイレント末期の作品ですが、サイレントだからこその映像美と感動でした。
ゲイナーの同時期の主演作「サンライズ」もサイレントの傑作ですね。
2010/8/9(月) 午後 10:21 [ - ]
bigflyさん
第1回目のアカデミー主演女優賞をとりましたね。ほんと可愛いです♪ 未見ですが「サンライズ」「スタア誕生」もいいみたいですね。
2010/8/10(火) 午後 11:13
これは見たい。沢登さんの「活弁」つきなら尚更見たいです。シーラカンスさんがうらやましいです。小津の初期サイレントにこの映画のポスターが登場します。
2010/8/14(土) 午前 8:26
ヒッチさん
この映画を見て沢登さんの活弁士の実力と素晴らしさに感動しました。もしかして、「落第はしたけれど」では?
2010/8/15(日) 午後 8:03
「活弁」さん付きでご覧になったのですね!
そして音楽も生演奏だったのですね…
素晴らしい鑑賞が出来ましたね…
ホントに素敵なカップルでした。
「好き」と言う思いを素直に言わない、チコがとても“可愛かった”です。
戦死したと思っていたチコが、家に辿り着こうと街を駆け抜ける場面、
私は『ゴースト/ニューヨークの幻』の事が思い浮かんでいました。
ハッピーエンドでホッとしました。
2014/3/23(日) 午後 8:58
alfmomさん
すべてそろった贅沢な鑑賞ですよね。映画を観ながらハッピーエンドにしてほしいと思う映画があります。この映画もそう願った映画でした。なかなか見る機会が少ないサイレント映画ですが、いい映画がいっぱいありますから、もっと観たいです。
2014/3/24(月) 午後 10:00