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2010年8月6日、新文芸坐「命一コマ 巨匠・内田吐夢の全貌」にて。 1957年度作品。 原作:中里介山 脚本:猪俣勝人、柴英三郎 出演:片岡千恵蔵、長谷川裕見子、中村錦之助、月形龍之介、大河内傳次郎、山形勲、左卜全、片岡栄二郎、丘さとみ 大河内傳次郎主演による日活作品(1935年)、片岡千恵蔵主演・渡辺邦男監督による東映作品(1953年)に続く、3度目の「大菩薩峠」の映画化は内田吐夢が担った。第1部では、妻を殺し、幻影に憑かれて次々と人を殺めてゆく主人公・机龍之助(片岡千恵蔵)の無道ぶりが圧巻である。(フィルムセンター解説より) う〜ん、難しい。 この映画が理解できないというより、たぶん中里介山の原作が分からないから、難しいと感じたのだろう。 まず、オープニングシーンの大菩薩峠で主人公・机龍之助が見ず知らずの老人を意味もなく殺した。 「何故?」という思いが、最後まで引っ掛かり主人公に感情移入できなかったし、したいとも思わなかった。 ヒーローもののようにクールでかっこいいとも感じ得ず、気持ちを持て余して映画は終わってしまった。 虚無とか無常とか言われているが、自分にはそのようには到底思えない。 鬱陶しくなり、妻のお浜(長谷川裕見子)を殺した主人公が、瓜二つのお豊(長谷川裕見子)に惹かれ口説くことが気に食わない。 自分が殺した女に似た女を見ただけで、普通であれば恐怖に陥るはず。 私のような凡人ではない人の心を持っていない主人公に感情移入できるはずもない。 そうかと思えば、今まで斬った人の亡霊にうろたえたり、一貫性がない。 長谷川裕見子のネッチョリした演技が素晴らしかったです。 彼女が出演した映画はあまり見たことがなかったけど、素晴らしい女優さんですね。 新珠三千代に雰囲気が似ています。 片岡千恵蔵は、顔が大きい(ファンの方ごめんなさい)のでニヒルな役は、ちょっとでしょうか。
でも内田吐夢監督が何故「大菩薩峠」三部作を作ったのか。 戦争で受けた心の傷が、そうさせたのでしょうか。 |

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こんばんは。
私は大映の市川雷蔵バージョンしか観ていません。(映画会社で作品を観ている訳ではないのですが、何故か東映時代劇は余り観た事ありません。)
昔観たきりなので、忘れている所がほとんどですが、雷蔵は後の「眠狂四郎」に繋がるニヒルなキャラクターがピッタリでした。
この片岡版は共演者がなかなか豪華ですね。
2010/8/18(水) 午後 11:21 [ - ]
内田吐夢版は見ていません。
雷蔵版と、仲代(岡本喜八)版は、見たのですが・・・
片岡千恵蔵ですか・・・・合わないイメージですね。
でも内田作品なので、見てみたいですね。
2010/8/19(木) 午前 10:46 [ ひろちゃん2001 ]
「大菩薩峠」は文芸座のオールナイトで三部作を一挙に観ました。学生時代のことで30年も前のことです。雷蔵版や仲代版も観ていますが、こちらは剣戟ショーのようで今一つの印象。ニヒルな点では千恵蔵よりは雰囲気はありました。戦前版や同じ千恵蔵主演の渡辺版は観ていません。主人公は謂わば殺人鬼で動機不明の殺人をする悪人です。人を斬ることを楽しみとしているようなところがあるのでしょうか。その男が時折見せる人間らしい表情や態度はとても印象に残るのです。人間全て悪ではないのです。第1部で狂うシーンはやはり心のどこかで負い目があるのです。最後は我が子の名前を呼びますね。最後は普通の人間に戻ったのです。タイトルバックが極楽から下りていって最後は地獄になるのは物語を象徴しています。千恵蔵がイメージにそぐわないのは封切り当初から言われていました。しかし、どうでもよくなるほど、演出が良かったです。それから大河内伝次郎の島田虎之助が良かった。彼の颯爽とした殺陣が観られます。
2010/8/19(木) 午後 1:54 [ SL-Mania ]
bigflyさん
私は仲代バージョン(岡本喜八監督)を見ています。片岡版より市川雷蔵バージョンの方が合っているのでは。ニヒルという面では片岡版より優れているかと。しかし、そもそも何の理由もなく人を殺す主人公に共感できません。中村錦之助、月形龍之介、大河内傳次郎、それぞれの個性が特徴的でした。
2010/8/19(木) 午後 9:33
ひろちゃんさん
仲代(岡本喜八)版は観ました(笑)。1作目しか見ていないですが、この映画(原作)のテーマはなんだろうかと思ってしまいます。
2010/8/19(木) 午後 9:46
SL-Maniaさん
1作だけ観て感想を書くことがだめだったのでしょう。全3作を観てからトータルの印象をすべきだったと反省しています。完結編だけ観る機会がありますが、どうしようか躊躇します。大河内伝次郎の島田虎之助は1作目でもかっこいいです。「精神的に大人でないこと」を
主人公に戒めます。大河内伝次郎はやっぱりスターですね、立ち回りの型が美しいです。斬った時の体の線がストレートで見事です。
2010/8/19(木) 午後 10:03
中里介山の小説でした。非常に神秘的な小説などと聞いたことがあります。係累の方にロシア文学者の方もいらっしゃったようです。。。。
内田吐夢監督といえば、『飛車角と吉良常』なんて思い出してしまいました。。。
2010/8/23(月) 午後 9:16
もすもすさん
41巻まであり未完のようですね。これだけ長いとちょっと読む気がなくなりますね。『飛車角と吉良常』、我儘ですが映画館で見たいんですよね〜。
2010/8/23(月) 午後 10:32
剣の道、という「幽霊」が、ツキナミなんだけれど、”憑依”している机龍之介、と思えてなりません。剣は、切れ味を確かめるため、罪のない老人でも切りつける。
内田監督は、当時の士農工商の身分制度を批判してるんか、士は”剣の道”に呪われた囚人みたいに描いていると思っています。
知恵蔵さんは、ときに呪われた士、時に人間性を取り戻す、矛盾した人間役で、士の美化を極端に排除して、亡霊=士なんだと主張してると思えます。ある意味、上手い演技でした。
きっと、戦争で長い間帰国を拒んだ内田監督、年老いてから離婚して(ヨメさんが、ものすごく復縁を懇願して、それでも断ってしまった)しまった。机龍之介に通じるものを持ちあわせていたのでしょうね。
2010/12/11(土) 午後 8:03 [ moemumu ]
moe*u*uさん
コメントを読ませていただくとなるほどって感じですね。侍というものに対する幽霊のような矛盾した描き方ですか。2部、完結と見ていないので、1作だけの感想はずれているかもですね。
2010/12/12(日) 午後 10:50
SL-Maniaさん
TBありがとうございます♪
2011/9/10(土) 午前 10:32