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2010.8.6 梨花は寮母、掃除婦、犬屋の女中まで経験してきた四十すぎの未亡人だが、教養もあり、気性もしっかりしている。没落しかかった芸者置屋に女中として住みこんだ彼女は、花柳界の風習や芸者たちの生態を台所の裏側からこまかく観察し、そこに起る事件に驚きの目を見張る……。華やかな生活の裏に流れる哀しさやはかなさ、浮き沈みの激しさを、繊細な感覚でとらえ、詩情豊かに描く。(本の解説より) 1956年の作品。 芸者置屋のことばを文章にしているので、自分のなかではとっつきにくく、読むのに結構時間がかかった。 それでも、読みなれてくると、なかなか味わい深い。 先に成瀬巳喜男監督の映画「流れる」を観ているので、そのシ−ンを思い出しながら読めた。 主人公である女中の梨花が置屋で見たこと、感じたことを描いている。 梨花のいう「くろうと(置屋)」と「しろうと」の違い。 映画ではあまり、女中の梨花の独白はなかったと思うが、小説では登場人物の所作を繊細に観察し、リアルでいやらしく女の心の中を吐きだしている。小姑の目線とも言えますが。 だから、映画よりも主人公の女中の梨花の感じたことが、より鮮明で強調されていて、読んでいて面白い。 梨花の名前が呼びにくいと主人は勝手に「春」と呼ぶことにする。 凋落しているのに見栄をはり、お金がないのに、「くろうと」の使いっぷり。 何気ない女主人の色っぽい所作(倒れ方)に「しろうと」にはできないゾクゾク感を覚える梨花。 このシーンが一番印象深いです。 飼い犬の死、鋸山事件、登場人物たちの人間模様。 梨花は夫も子供も亡くし、身寄りは従姉だけ。 せちがらい「しろうと」の世界より、愚痴をつぶやきながらも次第に「くろうと」の世界に魅力を感じて行く梨花。 「女」が見つめる「くろうと」の世界、面白かったです。
男(私)の感想ですが、はたして女性が読んでどう感じるものだろうか気になります。 |
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こんばんは。
私も同感する部分多々あります。
やはり、映画から入ったので、どうしても映画と重ねてしまって読みましたが、2回目に読んだときは違う観点から読めました。
2013/10/28(月) 午後 11:14 [ homupe2002 ]
homupe2002さん
わざわざコメントありがとうございます、ってお願いしましたもんね(笑)。小説は、女中の梨花の一人称なのでかなり饒舌で、女性の観察が生生しいですね。映画も小説もまた違う面白さがありました。
2013/10/29(火) 午後 10:48
昨日また、引っ張りだしてきましたので、再度読んでみます!
2013/10/30(水) 午後 3:05 [ homupe2002 ]
homupe2002さん
読んだら、また小説の感想を聞かせてくださいね。
2013/10/30(水) 午後 11:21
承知しました。
2013/10/30(水) 午後 11:36 [ homupe2002 ]