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洲崎パラダイス 赤信号 2010年10月27日、シネマヴェーラ「川島雄三「シブ筋」十八選」にて。 1956年度作品 監督:川島雄三 原作:芝木好子 脚本:井手俊郎、寺田信義 出演:新珠三千代、三橋達也、轟夕起子、河津清三郎、芦川いづみ、植村謙二郎、小沢昭一、田中筆子 東京・洲崎遊廓の入口にある飲み屋を舞台にして、そこに蠢く人々を描いた川島雄三の作品。川島の作品では、しばしば橋が重要な舞台となるが、この飲み屋も遊廓へと続く橋のたもとにある。両親に結婚を反対されたため、上京してきた蔦枝(新珠三千代)と義治(三橋達也)は、ひょんなきっかけで洲崎遊廓の入口にある飲み屋の女将(轟夕起子)の世話を受けることになる。蔦枝はその飲み屋で働くことになり、まもなく義治もソバ屋に職が見つかる。ある日、蔦枝は田舎に送金したいからといって、義治に給料の前借りを頼むが、義治はしぶる。優柔不断の義治にアイソをつかした蔦枝は、金を工面してくれた店のなじみ客(河津清三郎)の世話になる。そこへ行方不明となっていた女将の亭主(植村謙二郎)が戻ってくる。女将からソバ屋の娘(芦川いづみ)と一緒になれと諭され、その気になった義治だが、結局、舞い戻ってきた蔦枝とヨリを戻すのだった。蔦枝を探して町をさまよう義治のみじめなダメ男ぶりが、生命力あふれる蔦枝と対照的に描かれる。(eiga.com解説より) なんともやるせない映画。 男と女がくっついては離れ、またくっつく。 映画「浮雲」のような、腐れ縁の関係。 元気で明るい元遊郭の女。 情けない男。 「死んでやる」という男に、「死ぬまで生きているんだから、なんとかしないといけないんだよ」という女のセリフが笑える。 伏線の轟由起子の話が効いている。 亭主に浮気され女と家出した。 ようやく戻ってきたと思ったら、女に刺されあっけなく死んだ。 ラスト、橋の上で、「今度はあんたが行くところを決めてよ」という女。 ちょっと楽しそうな遊んでいるかのような2人の会話。 男はバスに乗り込み、女があとに続く。 轟由起子の旦那が殺された話が、より2人の繋がりを強くしているのでしょう。 そんな腐れ縁の女と男のお話です。 愛すべき作品です。 三橋達也のダメ男ぶりがいいです。 新珠三千代は、いつもの粘質系の言い回しをやめて、口調がキツく明確な言い回しに苦労の跡が感じ取れる。ちょっと上品さが残っている感じがいいのです。 轟夕起子が、亭主を待ちわびる寂しい女を見事に演じていた。 芦川いづみが可愛いですね。 御贔屓の小沢昭一もアクセントで出演。 「スイングガールズ」に出ていた田中筆子が出演していた。長い女優さんですね。 この特集で未見の10本のうち、6本を鑑賞。
松竹時代より日活に来てから個性が際立ってきていていることが明確にわかった。 独特の個性ですね。 |

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この映画は日活時代の作品では「幕末太陽伝」に次いで好きな作品です。何となくこういう男女はいそうな感じですね。小沢昭一のそばやのあんちゃんも秀逸です。
2010/11/6(土) 午後 8:32 [ SL-Mania ]
SL-Maniaさん
この映画は、川島雄三作品では人気がありますね。「幕末太陽伝」の方がらしさが出ていて好きですけどね。でも、味わい深い映画です。何度も観たい映画です。お笑い担当の小沢昭一のそばやのあんちゃん、芦川いづみのみずみずしさもよかったです。
2010/11/6(土) 午後 10:41
川島監督は日活作品が確かにいいですね、私も12本観ましたよ。
確かに、芦川いずみがいいですね。
2010/11/7(日) 午後 3:35 [ koukou ]
koukouさん
すごい、12本もですか! ほとんど連日通いですね。芦川いずみは可愛いし、いいですよね〜。藤竜也の奥さんですね。
2010/11/8(月) 午前 0:12
三橋達也さんが、蔦江に”浮気されている”とか気づいて、轟さんから「うち(飲み屋:千船)は、女置屋じゃありませんから」と突き放され、三橋さんは東京をさまよう。
雨の中とか、さまよって、最後は路上にほうりだされ、日雇い労働者からおにぎりもらって、お腹満たされ、我に帰る。
ぼろぼろのカバン抱えて、「びっくりや」へ戻った三橋さん、そこではなんと花梨な芦川いずみさんが暖かく迎えてくれる。
東京の冷酷さと同時に、余り知られていないやさしさを映画にした川島監督。この辺がさすがですね。
ところどころで東京都電が背景に走り、トラックの喧騒とは違う東京を見せる。この感受性が良いと思っています。
ラストの5分間は必見です。雨の中、”殺された”男はどっちで、どの女が泣くか。
以前からの住人女性が悲劇的ラストなのに、浮き草三橋/新珠コンビがこの事件をきっかけに”愛”を確かめ合う。面白いラストですねッ。
2010/12/2(木) 午後 4:47 [ moemumu ]
moe*u*uさん
下町のやさしさ、そうそう日雇い労働者からおにぎりもらってましたね。川島監督の絵の切り取り方のうまさですね。人の悲劇が幸せにもなる冷酷さと不思議さ。面白い監督です。
2010/12/2(木) 午後 11:22
♪かわいいかわいい魚屋さん、ママゴト遊びの魚屋さん…
新珠さんと芦川さんとで「義治」(三橋さん)の取り合いになりそーな展開で、ぽっと芦川さんが当時のラジオチャンネルを選曲する。
川島監督独特の演技手法?って思えました。言葉ではなく、雰囲気で、両”女性”の精神的緊張が高ぶっていること示す表現方法です。
小沢さんが「びっくりや」でチャリ乗って、そばを肩に乗せながら「いつかー涙の洲崎橋…」てやるんですけれど、廓やの両河岸にはたくさんの”愛”が、あったんでしょうね。
カルト映画ではなく、やっぱり日本映画の鬼才:川島雄三と思うのですが、シーラカンス様如何。
2010/12/4(土) 午後 11:42 [ moemumu ]
moe*u*uさん
そのシーンを観て、川島監督の「音」のセンスを感じました。名監督は音も敏感ですね。黒澤監督、小津監督しかり。緊張感のあるシーンにわざと穏やかなメロディをぶつける。実は川島監督の映画ってそんなに好きでもないのですが、不思議な映像を見せる感性が何故か気になる監督です。名匠ではなく、鬼才ですね。鬼才の魅力はくせになります。
2010/12/5(日) 午後 9:35
この映画の裏話なんですけれど、、、。
「遊郭洲崎」をロケに使用したので、やっぱ「ショバ」を仕切るヤクザがいてて、それが「落ち目」のヤクザだったそうな…。
(モチ、”映画でショバ使うからよろしく”と通していたそうですけれど、、、)
ロケ撮影のとき、実質的に差配している(新興)ヤクザに川島組は取り囲まれ、今村、浦山は、川島監督ほったらかしで”逃げた”そうです。(後で、川島監督救うの忘れてた、と今村は述懐したそうな)
一人取り残された川島監督は”警察はそういう時、何もしてくれない”(サヨナラだけが人生だ、から抜粋)とぼやいたそうですが、今村は”楽しい思い出だった”と皮肉な?コメントを残しています。
とまれ、通常のメロドラマの概念破った”洲崎パラダイス”、川島の代表作の一つですね。
2011/1/2(日) 午前 4:34 [ moemumu ]
moe*u*uさん
面白い裏話ですね♪ 体が大きく強引そうな今平が逃げるのがおかしいです。いいも悪いも人の繋がりを描いた映画って、スルメのように何回見ても味がでて飽きないですね。
2011/1/3(月) 午後 4:56
livedoor動画で「洲崎パラダイス・赤信号」とググッてみてください。いくつかのシークエンスをインターネットで閲覧できます。
出だしの義治のセリフ、あきらかに黒澤「生きる」を意識したものです。
義治:オレなんか、死ねばいいんだろう。
蔦江:何よ、すぐ”死ぬ、死ぬ”って、人間”死ぬ”ときまで”生きなきゃ”ならないんですからね。(「生きる」でデマ倶楽部パクられた意趣返し?。)
黒澤の「生きる」が川島の「…パラダイス」で、「七人の侍」が「幕末太陽傳」になる、川島作品では、こっちの方が評価高いかも知れないですね。
2011/1/21(金) 午前 0:49 [ moemumu ]
moe*u*uさん
義治:オレなんか、死ねばいいんだろう。
蔦江:何よ、すぐ”死ぬ、死ぬ”って、人間”死ぬ”ときまで”生きなきゃ”ならないんですからね。
このセリフは笑えながら、現実的な女と世離れした男の性格を的確に表した見事なセリフですね♪ なるほど、面白い対比ですね。
2011/1/22(土) 午前 10:22
川島の”破壊”と”創造”が強烈ですね。
腐っていた三橋を、東京という人間関係希薄なところで”助けてやる”(更正なのですが)轟さん、芦川さん、小沢さん、優しいですよね。
新玉さんが、ヒモ見つけて、アカンかった…で三橋に戻ってくる。そのとき、植村の事故が起こる。これがきっかけで、元の鞘に収まる。
新玉都合で、尻に引かれぱなしの三橋、最後洲崎を逃げていく。
年取ってきて、このラストの意味、解かるようになり、良く考えてるなあと思いました。
2012/2/12(日) 午前 2:20 [ moemumu ]
moemumuさん
ラストはこの時代までの男と女の関係かもしれません。希薄な現代だとすぐ離婚でしょうね。
2012/2/12(日) 午後 9:34
はじめまして。(*^-^*)
>蔦江:何よ、すぐ”死ぬ、死ぬ”って、人間”死ぬ”ときまで”生きなきゃ”ならないんですからね。
moemumuさんの、この下りのコメント、これが解かる、解かいでないで、川島カルトになるかそうでないかはっきりしちゃうのですね
面白い指摘ではないかと思います。
>希薄な現代だとすぐ離婚でしょうね。
女は、相当甘やかされて怒厚しいのを、この時分で理解してた川島さん。シーラカンスさんの書かれたとおりかと思います。
大和撫子…って、そんなの存在しないって書かれている。その通り。
セックス作品ではない。脳みその構造、男と女で全然違っている。それを皮肉っぽく。また「草食系男子」を当時から描いていて、時代ズレないですね。
僕は、川島作品で、これだけ評価しています。
2012/2/26(日) 午前 0:33 [ kua**tena*nda*ou ]
kua**tena*nda*ouさん
はじめまして♪
そうですね、「人間”死ぬ”ときまで”生きなきゃ”ならないんですからね」のセリフは凄いの一言ですね。こんなセリフ普通作れないですよ。川島監督の女への視点は鋭いのでしょうね。自分にはなかなか理解できない部分が多いのですが、川島監督の感性の豊かさを少しでも味わえることができて満足です。他の映画も面白いですけどね。
2012/2/26(日) 午後 11:23
ちょっと、見ないうちに「kua…」さんから、ご意見あり、折レスする次第です。
「動く川島雄三」のシャシンが、今ネットで閲覧できます。
http://www.youtube.com/watch?v=z85S7Rsf3BE
岡崎宏三キャメラマンが、奇跡的に撮影していたものです。
小沢さんとか、「貸間あり」ではかなり緊張感じながら演技指導受けてたようです。
黒澤的な感じもありです。好き、嫌いでかなり写真のメリハリある監督であり、またそれが魅力でもあります。
2012/5/6(日) 午後 7:33 [ moemumu ]
moemumu
これは貴重な映像ですね。動く川島雄三は珍しいです。
ハマルとたまらないほどの感性に浸れ喜びを感じますね。破綻している映画もありますが、それも個性がみなぎっていて面白いです。
2012/5/9(水) 午後 11:41
「積極的逃避精神…」、これがこの映画の、優れたテーマです。
助監督今村昌平は、この抽象的な言葉の意味が解からず、何度か川島監督に、意図を教えてくれ、と飲みに行った時、迫ったそうです。
川島監督が、存命中は聞き出せなかった。しかし、川島監督がなくなったとき、「近親相姦による遺伝子異常…」であった川島監督の家系が解かった。
川島監督にとって、セックスによる近親相姦の弊害をテーマが常に背後にあること、洲崎…は、実は聖地だと、彼は言いたかったのかも知れません。
今村、浦山監督が言うには、川島は小津監督の方法論を知り尽くしており、この写真は小津さんの影響がかなり見られる。セットはあの長いカウンターのみにしたのは面白く、それでも写真のつなぎ方は抜群であった。またロケ(夜間の洲崎)には、ファンが押し寄せていたのが少し解かる。見れば見るほど、面白い写真ですね。
2012/10/20(土) 午前 0:25 [ moemumu ]
moemumuさん
おひさしぶりです♪
川島監督の過去から、洲崎は実は聖地だという解釈、ユニークですね。川島監督の自虐的な発想は、自分も惹かれます。
2012/10/21(日) 午後 8:03