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こころ 2010年11月2日、シネマヴェーラ「市川崑初期作品集」にて。 1955年度作品 監督:市川崑 原作:夏目漱石 脚本:猪俣勝人、長谷部慶治 出演:森雅之、新珠美千代、安井昌二、三橋達也、田村秋子 文豪・夏目漱石の小説を市川崑監督が忠実に映画化。大学生の日置(安井昌二)にとって、野淵先生(森雅之)は最も尊敬する人物であったが、いつも妻・静(新珠美千代)との間に何か暗い影が潜んでいることが気がかりであった。ある日、先生は突然の自殺を遂げ、遺書が遺された。そこには、学生時代の野淵が親交を結んでいた梶(三橋達也)と、下宿先の娘だった静を巡って暗黙の内に恋を争った顛末がしたためられていた…。市川崑の鋭い心理描写が冴え、俳優たちの精密な演技が強い印象を残す。(日本映画専門チャンネルより) 夏目漱石の有名な原作ですが、未読です。 こういう文芸映画であっても、市川崑監督はキチンと作り、なおかつ映像作家らしい個性を見せる。 タイトルクレジットシーンに揺れる海の波を横から映す。 海の断面図のような撮影。 どういう意味だろうと思っていた。 前半で、苦悩の中、野淵先生(森雅之)が、海で泳ぐ。 自殺しそうな勢いで沖へ泳いでいく。 大学生の日置(安井昌二)がその姿を見て、助けに行く。 野淵先生(森雅之)と日置(安井昌二)の初めての出会い。 2人が海で泳ぐシーンが、タイトルクレジットシーンと同じ海の断面図。 それと重要なシーンで必ず顔のアップが入る。 効果的な使い方です。 ほとんど登場人物は、森雅之、新珠美千代、安井昌二、三橋達也、田村秋子の5人。 現在と過去のフラッシュバックを使いながら、ミステリー風の謎解きと主人公の苦悩を描く。 悩みを抱えた時の森雅之の表情は、いいですね。 対照的に新珠美千代の無邪気な女子っぷりもいいです。 野淵(森雅之)と梶(三橋達也)が恋に悩んでいるのに、まったく気にもせず2人に接する無頓着ぶりが面白い。 新珠美千代の母親役の田村秋子は、野淵(森雅之)と梶(三橋達也)、新珠美千代への目線がいやらしい。すべて知りぬいていることを観る側に伝えている。 市川崑監督は、こういう文芸作品もさらっと撮り、ドタバタ調のコメディ風映画も、何でも撮ってしまうその軽さが好きですね。
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市川作品にしてはややおとなしい部類の映画ですね。原作は高校時代に読みましたし、確か現代文の教科書にも載っていて、授業で扱われました。教科書に載ると何故かつまらなく感じてしまいます。
2010/11/7(日) 午後 3:34 [ SL-Mania ]
SL-Maniaさん
私も教科書で読んだかもしれません。市川崑のすごいのは、無茶苦茶な奇想天外な映画と同じように、普通の映画もきちんと作れるところですね。この映画もよかったです。
2010/11/8(月) 午前 0:09
こんにちは。
原作は、大分昔に読んだので、水泳の場面の詳しい描写はよく覚えていません。ただ、ことさら水泳がどうこうでなく、先生と私(原作)の出会いで、先生に好感と尊敬を感じ、お宅に出入りするきっかけの説明としか覚えていません。
たしかに先生の過去が謎解きのように分って行きます。
一応、ブログにしたのでご感想をお聞かせください。
TBいたします。よろしくお願いします。
2012/4/21(土) 午後 0:47
ギャラさん
原作は読んでいないのですが、映画は先生のミステリーの謎解きで物語は進みますね。市川崑監督のそつのない演出と言えると思います。
2012/4/24(火) 午後 11:44