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シルビアのいる街で 2010年11月1日、ケーズシネマにて。 2007年度作品 監督:ホセ・ルイス・ゲリン 脚本:ホセ・ルイス・ゲリン 出演: グザビエ・ラフィット、ピラール・ロペス・デ・アジャラ、ターニア・ツィシー 「ミツバチのささやき」「エル・スール」の名匠ビクトル・エリセが、“現代スペインで最も優れた映画作家”と絶賛するホセ・ルイス・ゲリン監督のミステリードラマ。ヨーロッパの古都にあるホテルの一室で目覚めた画家志望の青年は、街のカフェに行くと、かつてバーで会ったことのある美しい女性シルビアの姿を見つける。青年はそのシルビアと思しき女性を追いかけて街中を駆けずり回るが……。(eiga.com解説より) 蓮實重彦氏(映画評論家)、お薦めの映画。 気になったので、観てみました。 すごい映画でした。 美しいのです。 何て言えばいいのか、この映画の素晴らしさを言い表すのは難しい。 6年前に出会った女性(シルビア)に会いたくて、出会った街にやってきて、シルビアを捜す男のお話。 ただそれだけの話です。 このあらすじも、途中で主人公が言うセリフで、ああそうだったんだと分かる程度です。 だから、ストーリーの奇抜さ、ストーリー重視の観客は、まったく面白くない映画だと言うでしょう。 好き嫌いが両極端に別れる映画ですね。 セリフがほとんどない。 セリフがなくても、音楽を含めた「音」、「めくるめく映像」に魅了されます。 主人公がオープンカフェでビールを飲みながら、客の表情やしぐさを見て、スケッチしています。 特に若い女性たちの表情を色んな角度でとらえ、違う席の男と女がまるで隣合わせに見えたりします。 カフェにいるガラスに反射した女性とガラスの中にいる女性がダブって映し出されます。 物売りの声、スプーンの音、カップを置く音、カフェで聞こえる音が鮮明に響き、そこに演奏家が弾くバイオリンの音が心地よく重なります。 シルビアに似た女性を追いかけます。 石畳み、路地裏、いたずら書き、何度も行ったり来たりしながら、ガラスの瓶を転がすおばさん、さっきの物売り、また、ガラス瓶のおばさん、花束を持つ男、おっと花束を持つ男は冒頭で見たはず、さっきのいたずら書きも見たぞ。 路面バス?に乗り込んだシルビアを追いかけて主人公も乗る。 路面バスが曲がりくねった軌道に沿って走るたびに周りの景色が動く、変化していく。 バスで待つ女性。強風で髪が激しく揺れる。バスに乗り、また違う女性の髪が揺れる。 動く映像、街の音に、心がときめく。 結局、何の結末もないまま映画はジ・エンド。 こんな単純なストーリー(と言っても無いに等しい)だけで映画を成立させてしまうことに驚きですね。 映画の原点のような、気持ちが高ぶる刺激的な映画。 もしかして、現代のストーリー重視の映画への挑戦でしょうか。 ニヤニヤしながら映画館を出ました。
なかなかやるね〜、ホセ・ルイス・ゲリン監督。 |

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こんばんは。ちょっと遅くなりましたが、コメントとTBありがとうございました*
おっしゃるように、シンプルすぎるストーリー内容なのにしっかりと映画として成立させているのは凄いですね…!
映画の中の街の生活リズムまで伝わってくるような…シンプル極まりない内容だからなのか、逆によく印象に残ってしまうように思います。
素晴らしい映画ですね*
TBお返しいたします
2010/11/17(水) 午後 9:39
Mijahさん
コメントありがとうございます。
「シンプル極まりない内容だから街の生活リズムまで伝わってくるような」、言えてますね。何気なさすぎるから、余計に惹かれるんでしょね。愛しい映画です。
2010/11/18(木) 午後 11:18
訪問ありがとうございました。シンプルな内容ですが、普段、気にとめない街の隅々までに、改めて気づかされるという点が面白い映画でした。東京ではケーズシネマで上映していたのですね。こじんまりとした映画館ですが、こういう映画には似合っていそうです。
2011/2/8(火) 午前 8:49 [ einhorn2233 ]
einhorn2233さん
映像と音にこだわった実験映画のようなこだわり。観ているうちにこの街の地理を意識してしまう不思議な映画でした。そうですね、この映画にはケーズシネマの観客数の規模やスクリーンの大きさが似合っていますね。私好みです。
2011/2/8(火) 午後 9:29