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稲垣浩「戦国無頼」

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戦国無頼
2010年11月24日、フィルムセンター、「生誕百年 映画監督 黒澤明」にて。

1952年度作品
監督:稲垣浩
原作:井上靖
脚本:稲垣浩、黒澤明
出演:三船敏郎、市川段四郎、三國連太郎、山口淑子、浅茅しのぶ、香川良介、東野英治郎、志村喬

時は戦国。織田信長によって滅ぼされた浅井長政の家臣・佐々疾風之助(三船敏郎)、立花十郎太(三國連太郎)、鏡弥平次(市川段四郎)は、落ちのびて後、それぞれ流転の人生を歩む。時は流れ、十郎太は織田方に、疾風はその敵方に分かれ、弥平次を加えた3人は、再び戦場で出会うが……。山口淑子が十郎太と疾風之助の間で揺れる野武士の娘、おりょうを可憐に演じている。(eiga.com解説より)

面白そうだったんですが、結局あまり面白くなかったです。
一見、戦国時代の三人の男の荒々しい波乱万丈の立身出世の映画だと思っていたら、結局は途中から男と女の映画に変わっていた。
男と女のお話にしても、野武士の女(山口淑子)が男(三船敏郎)を追っかける、男は別の女(浅茅しのぶ)を思っている。別の女(浅茅しのぶ)も男(三船敏郎)を捜し歩いている。
鏡弥平次(市川段四郎)は野武士の女(山口淑子)を思っている。
立花十郎太(三國連太郎)は女(浅茅しのぶ)を思っている。
といった、三角関係のような複雑な構成になっている。

その複雑さからくるテンポの悪さ、ドラマ性の深さもないことが面白くない原因だと思う。
女性映画特有のきめ細やかさもなく、また男のドラマにしては、立身出世の大きな行動もとらないため、すべてが中途半端に終わっている。
結局どういう映画だったのだろうかと首をかしげてしまう。

原作が面白くないのか、稲垣浩監督、黒澤明監督の脚本が面白くないのか、よくわかりません。
ただ、黒澤明監督特有の男っぽい女性のストレートな恋の思いを野武士の女(山口淑子)に見ることができる。
また野武士の女(山口淑子)が男(三船敏郎)のために自ら死ぬくだりも、黒澤明監督の女性に対する理想像を重ねたのではないかと推測します。

山口淑子は当時としては、垢ぬけていて美人ですね。
志村喬がユーモアのある刀鍛冶の役をやっていた。
「七人の侍」の2年前の脚本ですが、あまり関連のある脚本とは思えない。

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