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淑女は何を忘れたか 2010年11月28日、神保町シアター、「小津安二郎の世界」にて。 1937年度作品 監督:小津安二郎 脚本:伏見晁、ゼームス・槇 出演:栗島すみ子、斎藤達雄、桑野通子、佐野周二、飯田蝶子、坂本武、吉川満子、葉山正雄、突貫小僧、上原謙 妻(栗島すみ子)に頭の上がらないドクトル(斎藤達雄)が、上京してきたモダン・ガールの姪(桑野通子)にあおられて妻への反抗を始め、その威厳を見直してもらえるようになる。 それまで下町を舞台にすることが多かった小津安二郎監督作品だが、ここでは舞台を山の手に移し、西洋趣味の有閑マダムたちの会話とこてこての関西弁を対比させるなど、当時の小津ならではのソフィスティケーテッドな味わいに満ちたコメディ。小津が松竹大船撮影所で撮った最初の作品で、撮影中にキャメラマンの茂原英雄が予備役召集されたため、助手の厚田雄春が後を次いで撮影を続行。以後、厚田キャメラマンは小津映画になくてはならない存在となる。また本作の後、小津も2年ほど上海に出征。帰国後、彼は『お茶漬けの味』を撮ろうとするが、脚本が検閲に引っ掛かって製作中止となり、結局41年の『戸田家の兄妹』までの間、彼は1本も映画を撮ることができなかった。(的田也寸志) 何ともたわいのないソフィスティケーテッドコメディ。 でも、この心地よさが楽しいのです。 ゴルフがやりたくなく、でも奥さんの「行きなさい」と言うのを断れず、姪の桑野通子とお酒を飲み、部下の佐野周二の下宿に泊めてもらう。 ドクトル(斎藤達雄)は、ゴルフ場から友人に天気良好とウソのハガキを出してもらったが、その日は大雨だったことからひと騒動になる。 姪の桑野通子が快活な娘で、関西弁をしゃべりまくり、尻に敷かれているドクトル(斎藤達雄)をけしかける。 夫権を勝ち取るために怒れと。 有閑マダムのおばさん3人組(栗島すみ子、吉川満子、飯田蝶子)の会話が楽しい。 フレデリック・マーチに似ている?とか何とか言いながら。 似ていないの、そしたら軍艦マーチ?というダジャれが楽しい。 下町のイメンージが強い飯田蝶子が、今回は化粧も厚く上品な奥様、最初の登場で笑ってしまった。 桑野通子は、都会風のシャレた服装で解説にあるようなモダンガール、この時代の新しいスター女優。 佐野周二のぼんやりした大学生の性格も笑える。 家庭教師として教えているが、答えがわからない。 そこへ教え子の小学生の友だちがやってくる。 そこはこうすればできるよとあっさり答えを出す。 佐野周二は、ああそうか、そうすればできるのかとぼんやり。 「先生は大学生なの」「じゃ、大丈夫だね、僕らも大学にいけるね」 ようやく、ドクトル(斎藤達雄)は、夫権を獲得する。 ラスト、仲直りした妻(栗島すみ子)が、ドクトル(斎藤達雄)の体を触ったりと、夜のお誘いをするかのような行動が大人のユーモア。 部屋の明かりが少しずつ消えていく中で、ドクトル(斎藤達雄)が右往左往するおかしさ。 実に楽しい一遍でした。 追伸
栗島すみ子のことを書くのを忘れていました。 この映画のあと1本出演して映画界を引退しました。 そして1956年「流れる」に出演。 口を開けずにしゃべるセリフ回しは、「流れる」の時と全く同じでした。 |

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この映画だけ何故だか笠智衆が出てないんですよ。それと小津映画にしては珍しいエロチックなラストの隠喩。これはもう大好きな映画です。このあたりの小気味良くてゆるいユーモアのレベルがたまならくいい感じなんです。
2010/12/5(日) 午前 7:16
私も、今、小津を見直している最中です。
栗島すみ子は、山田洋次の「キネマの天地」でも扱われてますね。
桑野通子は、清水宏監督作品での好演が印象に残る女優さんですね。
この映画の出演のお陰なのか、娘のみゆきも若手女優なのに、いきなり小津作品に抜擢されてますね。
2010/12/5(日) 午前 9:42 [ ひろちゃん2001 ]
ヒッチさん
えっ、そうでしたっけ。まったく気がつかなったです。これから小津作品を何本か観る予定なんですが、笠智衆を見つける楽しみが増えました。いいですね、暗い映画よりこの映画のように小気味よいユ−モアがあった方が自分も好きですね♪
2010/12/5(日) 午後 9:41
ひろちゃんさん
「キネマの天地」に登場しましたっけ。忘れています。
栗島すみ子へのコメント忘れていました。1956年の「流れる」とまったく同じ冷たいしゃべり方(口を開けないで発する)でした。桑野通子は「ありがたうさん」の時より、この映画や「兄とその妹」の洒落たモダンガールが似合います。親の七光は今も昔も同じですね。
2010/12/5(日) 午後 10:02