|
戸田家の兄妹 2010年11月28日、神保町シアター、「小津安二郎の世界」にて。 1941年度作品 監督:小津安二郎 脚本:小津安二郎、池田忠雄 出演:高峰三枝子, 佐分利信、藤野秀夫, 葛城文子, 吉川満子, 斉藤達雄, 三宅邦子, 坪内美子, 近衛敏明、桑野通子、笠智衆 老実業家が死に、老妻(葛城文子)と末娘(高峰三枝子)が兄妹たちの家を転々とする。ブルジョア一族の家庭劇で、戦後の作品につながる骨格を持つ秀作。小津作品初のヒットを記録した。(神保町シアター解説より) 夫が急死し、多額の借金があったことから家も売り払い、妻(葛城文子)と末娘(高峰三枝子)が兄妹たちの家を転々とする。 どこかで聞いたようなストーリー。 「東京物語」に似ている。 それぞれの家の生活習慣の違いから、気を使い、落ちつかず、結局古びた別荘に住むことになる。 人間関係って難しい。 表面的な付き合いだけなら見えていないことがあるが、一緒に住むと、すべて見えてしまう。 父親の一周忌。 次男(佐分利信)は、母親を古い別荘に追いやった兄妹たちを批判する。 「ここから帰れ」と。 爽快な気持ちのよさと裏腹に現実的でない気もする。 次男(佐分利信)の言い分は正しくて、観客も賛成し、よかったと思うのだが。 人の心は「力技」では変わるものではないように思う。 この映画を発展させて「東京物語」に繋げ、深い情感のある映画に変化をとげる。 家族のありようは、今も昔も変わらない。 普遍的なテーマであるから、時代を越えて面白いのだ。 もしかしたら、戦時中だから、親を大事にするようにという訓示めいたことがあったのかも。
次男(佐分利信)が天津に行くことが、この時代らしい。 次男(佐分利信)の友人役で、笠智衆が出演。 桑野通子はキャリアウーマンのような自立する女性を好演。 |

- >
- エンターテインメント
- >
- 映画
- >
- 映画レビュー








家庭崩壊という深刻なテーマを本格的に扱った映画ですね。戦後の作品の魁と観ています。ただ、最後の解決が大陸へ出るというところが時代背景の相違ではあります。島津の「兄とその妹」同様に安易な作劇という向きもあったようです。
2010/12/7(火) 午前 6:58 [ SL-Mania ]
SL-Maniaさん
小津作品は「家庭崩壊」を描いていると言われていますね。親と子の1対1はなく、1対複数の親子を描いた映画はこの映画が初めてかもしれません。大陸が出てくるのは戦争の時代の表れでしょうね。親孝行という教訓の指示も国からあったのではないでしょうか。
2010/12/7(火) 午後 11:12
そうですね。これは「東京物語」の原点のような作品でした。佐分利信の演じる次男が母に冷たい家族を叱責するシーンの描写を「力技」と捉えると少々工夫の余地があったかも。円熟期に至る少し前の作品という位置付けでしょうか。
2010/12/8(水) 午前 5:51
ヒッチさん
戦時中の親孝行の検閲があったため叱責するシーンになったと考えるのは無理がありますかね。人も気持ちはなかなか難しいです。
2010/12/8(水) 午後 11:08
>次男(佐分利信)は、母親を古い別荘に追いやった兄妹たちを批判する。
僕は、小津安のエエ理解者ではないけれど、東京物語にも見られる「小津安は、一生母と未婚で60の生涯を終えた」、家族主義の崩壊を見通した小津安の生涯がオーバーラップされている感じがしました。
当時、ものすごい先見性があった作品。
でも、「生れては見たけれど」に見られる当時の小津安の家族にある子供と大人の微妙な関係、これも現代に通じる。
家族に焦点を合わせている小津安、戦前の方がよかったとも思えます。
あと、斉藤達雄、吉川満子さんの演技はすばらしかったです。
2010/12/10(金) 午前 0:09 [ moemumu ]
moe*u*uさん
家族の崩壊はよく言われていますね。難しいことはよくわかりませんが、家族のテーマは今も昔も変わらないですね。戦前でありながら家を転々とするストーリーは珍しいでしょうね。
2010/12/11(土) 午後 1:25
この映画は家族の崩壊と家族の成立(結婚)の両面をとらえていますね。ある意味希望が感じられます。
東京物語の下地になる作品ということは同感です。
TBさせてください。
2013/12/5(木) 午後 6:06
ギャラさん
返事が遅れてすいません。家族を描いても戦前の小津作品はどこかピリピリしていますね。
2013/12/7(土) 午後 6:01