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小津安二郎「早春」

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早春
2010年12月4日、神保町シアター、「小津安二郎の世界」にて。

1956年度作品
監督:小津安二郎
脚本:野田高梧、小津安二郎
出演:池部良、淡島千景、岸惠子、高橋貞二、須賀不二男、田中春夫、浦辺粂子、笠智衆、杉村春子、淡島千景、山村聡、三宅邦子、中北千枝子、加東大介、三井弘次、中村伸郎、長岡輝子

名作『東京物語』からおよそ3年ぶりに小津安二郎監督が手掛けた作品で、戦後の淡々とした味わいの作品群の中では、コミカルではあれ辛らつな味付けもなされている。蒲田に住む若いサラリーマン(池部良)が通勤電車で知り合ったサラリーマン仲間たちと遊ぶようになるが、それがもとで同僚のちょっと不良っぽい娘(岸恵子)と関係を持ってしまい、そもそも気まずかった妻(淡島千景)と決定的不和となりかけ…。
戦後若者世代を皮肉った視点は、日本的侘び寂びの精神世界を愛する小津ならではのものか。夫婦の不和が戦争に根差したものという設定にも、戦中を悪夢の思いで過ごした彼の痛恨を察することができよう。ただし一方では、まだ高度経済成長が始まる直前の作品なので、描写そのものはのどかで、最後もやはり人間讃歌として終わる。彼の作品としては珍しくラブ・シーンもあり。(的田也寸志)

色んな内容が盛りだくさんです。
それだけに時間も長いです。
小津作品にしては、結構激しいところもある映画です。

若者、サラリーマン、夫婦、不倫、戦後、家族といったピースを散りばめています。
若者・・・池部良の友人たちが、不倫をしている岸恵子を罵倒する。
ヒューマニズム上、許しておけないと。
とは言いながら、岸恵子とならいいなあ。
それはヒューマニズムじゃないぞ。
ヒューマニズムはもっと自分に厳しいんだぞと友人
サラリーマン・・・先輩は大津に転勤、会社を辞めてバーを経営する先輩もいる。
同期は病に倒れて、死亡。葬式に流れる音楽が軽快なメロディなのが
音楽的センスか。
夫婦・・・向かいの奥さん(杉村春子)と淡島千景の会話。 
     昔旦那(淡島千景)が女を作って、その家に乗り込んだら、
旦那が鰹節を削っていたとのこと。
     淡島千景との会話も終り、杉村春子は家に帰って、旦那に鰹節を削ってと言う。
     「あいよ」と言いながら、鰹節の箱を足で押さえて、削るおかしさ。
不倫・・・誰でも間違いはある。それを妻が許せるかどうか。夫婦とは。
戦争・・・戦友との集まり。死んでいった戦友の奥さんが男と一緒に歩いていたことが話題に。
     死んだらだめだよな〜。戦争の傷が。
家族・・・淡島千景の母親浦辺粂子が秀抜。
古いことをいう母親浦辺粂子が息子に「古くても、おんなじ人間だよ」というセリフが
素晴らしい。
人は時代が変わっても、夫婦、家族での関係は同じだと。

ラスト、池部良と淡島千景が仲直りして、池部良が「俺もやるよ」っていう。
いったい何をやるんだろうと思った。
散りばめたピースそれぞれはとても面白いけど、さてこの映画は池部良のセリフではないが「何をやるんだろう」って思う。
若い夫婦の話がメインに間違いない。
人が生活するなかで、色んなことが起きると考えれば、この映画で現れる色んな出来事も納得できそう。
笠智衆は大津に勤務している池部良の先輩役で、淡島千景に手紙を書き、仲直りのおぜん立てをしてあげる役どころ。
すいません、どうも、この映画の感想はまとまっていませんね♪

閉じる コメント(6)

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この映画の初見はフィルムセンターでの上映会でした。正直なところその時は退屈しましたが、何度か観るうちに良さがわかったような気がします。小市民ものの残滓みたいなところはありますが、人間同士のふれ合いは何かを示唆してくれているようです。劇中に山村聰が昔の大経営者の家が物故は荒れるがままになっていて、世の中の移ろいと人間の営みの儚さを示しています。実際主人公は友人の死に遭遇していますね。葬式のシーンにちょっと場違いなポルカの音楽が流れていたのを覚えています。

2010/12/13(月) 午後 3:09 [ SL-Mania ]

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SL-Maniaさん
サラリーマンの悲哀だけかと思いましたが、友人はサラリーマンの生活、生きていたことを思いだしながら死んでいきましたね。その面だけとらえると、小市民の残滓に当たるのかもしれません。主人公に意思がないのが気になります。ただ単なる語り部としてそれぞれのエピソードの繋ぎ役としてみると面白いのかも。それとも、主人公の意思のなさは小津監督の若者への批判かも。「葬式のシーンにちょっと場違いなポルカ」は、どういう意図だったんでしょうね。葬式の辛いシーンを撮ったことへの照れ隠し?

2010/12/13(月) 午後 10:19 シーラカンス

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小市民の残滓と言ったのは、他に通勤仲間のなかよさです。たぶん所属会社はバラバラでしょう。しかし、実際1955年頃あういうつきあいが残っていたのだろうかとふと疑問を持ちました。これが戦前ならそういう触れ合いも想像しなくはないのですが、戦後も10年経てそんな心の余裕がサラリーマンたちにあったろうかと思えました。この映画は私が生まれた頃の映画で当時のことを十全に知っているわけではないのですが、ややずれているのではないかと初見の折思ったものです。

2010/12/14(火) 午前 9:05 [ SL-Mania ]

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SL-Maniaさん
失礼しました。う〜ん何とも言えませんが。確かに映画がすべて当時を映し出しているとも限りませんからね。特に小津監督の映画って、あまり時代性を感じないです。変わらないというか、いつも同じ人物描写のような気がします。この映画の若者も単純ですよね。「狂った果実」も同じ年で、強いエネルギーなのに。

2010/12/15(水) 午前 0:15 シーラカンス

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確かに色んな要素を盛りだくさんに詰め込んだ作品ともいえるかもしれないですね。長尺で小津画描きたかったのは夫婦のあり方だと思います。タイトルの「早春」には夫婦の雪解けの意味が込められているのだと思うのです。TBしておきますね。

2010/12/15(水) 午前 6:20 ヒッチさん

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ヒッチさん
若い夫婦というか、若者にスポットを当てた映画ですね。色んな事があったけど、何とか仲直りをしてやり直す映画でした。小津監督が若者に焦点を当てたのは珍しいのでは。

2010/12/17(金) 午前 0:27 シーラカンス

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