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殺陣師段平
2010年12月9日、フィルムセンター、「生誕百年 映画監督 黒澤明」にて。

1950年度作品
監督:マキノ雅弘
原作:長谷川幸延
脚色:黒澤明
出演:月形龍之介、山田五十鈴、月丘千秋、市川右太衛門、進藤英太郎、杉狂児、加藤嘉、横山エンタツ、初音麗子、高松錦之助、加賀邦男、原健作

1949年に初演された長谷川幸延の同名戯曲を、黒澤が脚色した芸道ものの1本。澤田正二郎が率いる新国劇の頭取で、殺陣師上りの市川段平(月形龍之介)が、髪結いの妻・お春(山田五十鈴)の献身的なささえを得ながら、リアリスティックな新しい殺陣を生み出そうと奮闘する。マキノ雅弘の回想によると、黒澤が執筆した脚本を、マキノが大幅に手直ししたという。(フィルムセンター解説より)

うまいな〜。マキノ雅弘さんは。
娯楽映画の楽しませ方の壺をちゃんと押さえているもんな。

段平(月形龍之介)とお春(山田五十鈴)の掛け合い漫才のような喧嘩のやりとり。
流れるような2人の軽妙な動き。
喧嘩をしていても、お春の段平に対する愛情が伝わってくるしぐさ。
そんなお春の「しな」を見ながら、理屈ではないアナログのような感情を抱きます。
それは、この映画全般に流れる熱い情けのようなもの。
やさしさに満ち溢れた映画なのです。
人はどこかで人を支えている。
気がつかないけどいつのまにか人の気持ちのありがたさを味わっている。
段平は、そういった人たちに見守られながら、生きてきた。

お春(山田五十鈴)、娘おきく(月丘千秋)、沢田正二郎(市川右太衛門)、道具方(杉狂児)、氷屋の婆さん(初音麗子)。
娘おきくには、段平は最後まで自分の娘だと告白しなかった。
自分のような男が父親ではだめだと。
道具方(杉狂児)も、中風(ちゅうぶ)になった段平にちゃんと酒を飲ませてやる(あかんやないか!)
氷屋の婆さん(初音麗子)も、ちゃんと段平を面倒みてくれている。
娘おきく(月丘千秋)は、中風(ちゅうぶ)になった段平が最後に考えた殺陣(たて)を沢田正二郎(市川右太衛門)に、自分が自ら殺陣を行い伝えます。
沢田正二郎(市川右太衛門)は、中風(ちゅうぶ)になった国定忠次の役をやっていたのです。まさにリアルな役。

大正時代、歌舞伎にみる型にとらわれないリアルな殺陣を作りだそうと沢田正二郎は考えていた。
学問がない段平は、最初は意味が分からず、しかし日々いつも殺陣(たて)のことを考えていた。
「リアリズムは写実でんな」
ついに、リアルな殺陣を作りだした。
しかし、沢田正二郎はリアルな殺陣が話題になると、敢えてリアルな殺陣を封じた。
リアルな殺陣だけに頼る芝居はダメだと。
その考えについていけない段平は、沢田正二郎と喧嘩して飛び出した。
折しも悪く、体を悪くしていたお春(山田五十鈴)が死んだのだ。
いつも、自分のことを気にかけていたお春の死にショックを受け、酒に溺れ、中風(ちゅうぶ)になってしまった。
それから、数年経ち、沢田正二郎のために、中風(ちゅうぶ)になった国定忠次の殺陣を死ぬ覚悟で考えます。

脚本黒澤明と監督マキノ雅弘の珍しい組み合わせ。
「七人の侍」のリアルな斬り合いの習作?のつもりで、リアルな殺陣を題材にしたこの映画の脚本を書いたのではとどこかの批評家が書いていた。
しかし、解説にもあるようにマキノ雅弘は大幅に書き直したらしい。
お春の柔らかさ、全体に流れる人情ものは明らかにマキノ節。
それに、リアルな殺陣が東京で受けず悩む時に、子守が歌う子守唄を入れる情緒性もマキノ監督らしい。
リアルな殺陣を追求する姿は黒澤明監督かな。

その後、気に入らなかったのか、1955年にリメイク「人生とんぼ返り」を作っている。
この映画は未見です。

月形龍之介、山田五十鈴、市川右太衛門の3人はよかったですよ。
おこがましいですが、マキノ雅弘監督はもっと評価してもいい監督だと思います。
こんなに柔らかく、楽しく、泣ける娯楽映画を作る人はなかなかいないですよ。

まったく関係ない話ですが、「あしたのジョー」の丹下段平は、この映画の段平と何か関係あるのかな。

閉じる コメント(4)

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こんばんは。
この作品も市川雷蔵と中村鴈治郎のリメイク版しか見てませんが、この初作も監督といい、配役といい、見てみたい作品です。
丹下段平の段平はどうなんですかね。
丹下は、多分、同じ片目の丹下左膳から来ている気がしますが…。

2010/12/14(火) 午後 11:45 [ - ]

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この映画は前から観たかった作品でした。DVDが出た時は大いに喜んだものです。そして現存していることも喜びました。(同時期の東映系作品はないものがあるからです。)大映で同じシナリオのものも観ていますが、大映版は鴈治郎がやや立派すぎるなという印象を持ちました。マキノが日活で制作した作品はかなり前にNHKの放映で観ました。

2010/12/15(水) 午前 7:51 [ SL-Mania ]

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bigflyさん
市川雷蔵と中村鴈治郎のリメイクも面白そうですね。中村鴈治郎の演技は観てみたいです。機会があれば是非みますね♪ おお、丹下左膳ですか、片目ですね。

2010/12/16(木) 午前 0:21 シーラカンス

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Sl-Maniaさん
「人生とんぼ返り」観られているんですね♪ 羨ましい。黒澤脚本のこの映画とと比較してみたいです。

2010/12/17(金) 午前 0:54 シーラカンス


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