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黒澤明「白痴」

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白痴
2010年12月4日、フィルムセンター、「生誕百年 映画監督 黒澤明」にて。

1951年度作品
監督:黒澤明
原作:ドストエフスキー
脚本:黒澤明
出演:森雅之、三船敏郎、原節子、久我美子、志村喬、東山千栄子、千秋実

戦争のために精神に障害を受け、人から白痴と呼ばれるようになった無垢な男・亀田(森雅之)と、復員途中で知り合った金持ちの息子・赤間(三船敏郎)。なぜか気の合うふたりは赤間の故郷・札幌の写真館で、ふと美しい女性・妙子(原節子)の写真を見た。まもなく3人の、そして周囲をも巻き込む壮大なかつ赤裸々なドラマが始まる…。
巨匠・黒澤明監督が、敬愛するロシアの文豪ドストエフスキー『白痴』を原作に、舞台を北海道に置き換えて演出した野心作。まるで北海道がロシアのように思えてくるほどの気品高い見事な雪の世界観の中、真に純粋で善良な者が白痴と称されてしまう病理的な社会に鋭いメスを入れている。なおこの作品は当初4時間25分で完成させたが、会社の要請で3時間に短縮して3日間ロードショー。その後の一般公開の際はさらに14分短縮され(このとき黒澤監督は「これ以上切るなら、フィルムを縦に切れ!」と激怒した)、残念ながら現在は公開時のプリントしか残っていない。(amazon解説 的田也寸志)

この映画は自分にとっては難しかったです。
分からないところだらけです。
まったく理解できていないので、これから書く感想はたぶん大きくずれた内容になっていると思いますのでご了承ください。

ラスト前の、2人(森雅之、三船敏郎)の鬼気迫る演技はすごい。
蝋燭の中で、2人(森雅之、三船敏郎)が死んだ女(原節子)を見守る。
死んだ女は画面には現れない。
愛する女を自分の元に置いておくため、殺した三船敏郎は満足している。
腐るから暖房もつけない。そのままの姿で残したい。
いや、満足しているのか、怯えているのか、狂気の満足なのか。
固定カメラでワンシーンの力強い映像に観客が圧倒される。
あえてカット割をしない黒澤監督の長回しをみると、逆に監督の執念のようなものを感じる。

癲癇性痴呆性で白痴だと自ら名乗る無邪気な男・亀田(森雅之)が、純粋なゆえに原節子も、久我美子も好きになる。
純粋さを失くした原節子も、原節子に敵対心を抱く久我美子も、彼の純粋さに惹かれる。
良心、素直さ、無邪気といったピュアな心を持っていることが、女同志の争いを生み、最後に悲劇をもたらします。
正直、途中睡魔に襲われましたが、ラスト前のシーンに、自分が今までに観た黒澤作品とは違う新しい感性に驚きました。

原作は未読ですが、原作そのものが難しいのでしょうか。
原節子は日本人ばなれした美しさでした。
森雅之は、柔らかい俳優さんで、こんな難しい役もできるのかと感心しました。
素晴らしかったです。名優ですね。

追記2010.12.26
「純粋さ」は、生きていく中では、誤解され、うとまれ、利用され、狂気に陥るしかないということでしょうか。

閉じる コメント(8)

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この映画も観ましたし、原作も読みました。原作は名前が長く、時折誰だっけなんてことはありました。ロシア文学はよく起こることです。難解に感じられたのはカットされた部分が字幕処理されているから、ではないでしょうか。松竹はオリジナル版を1951年当時では公開していたそうです。それが現存していないというのですから、御粗末な話です。噂では山陰地方に住んでいるフィルムコレクターがオリジナル版のプリントを所持しているというのがありますが、真偽は定かではありません。

2010/12/26(日) 午前 9:39 [ SL-Mania ]

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私はこの作品の良さが分からないです。森雅之をはじめとして名優を贅沢に使っていますが、ご指摘のラストの部分など役者の力は伝わってきても、監督の主張は残念ながら届かない。そんな印象でした。

2010/12/26(日) 午後 6:50 ヒッチさん

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SL-Maniaさん
理解できなかったのは字幕だけのせいではないように思います。はたして、この映画で何がいいたかったのかよくわかりませんでした。睡魔に襲われていたせいかもしれません。黒澤監督がこの原作のどこに惚れ込んでいたのか知りたいです。オリジナル版がないというのは松竹に怒りですね。信じられないです。

2010/12/26(日) 午後 8:47 シーラカンス

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ヒッチさん
自分も同じです。原作を未読とはいえ黒澤監督がこの映画で何が言いたかったのか自分には理解不能でした。監督がどこに惹かれたのか知りたいです。純粋さは生きていく上では誤解をされ、利用され悲しいものだということでしょうか。

2010/12/26(日) 午後 8:57 シーラカンス

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長すぎるというのもあるでしょうね。封切当時も何だこの映画はという反応が多かったそうです。黒澤監督はロシア文学を大いに好んでいたといいます。もし、満州国が健在ならハルピンを舞台にしていたろうという評も目にしました。テーマはほぼ追記に書かれた通りかと思います。

2010/12/26(日) 午後 9:49 [ SL-Mania ]

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SL-Maniaさん
黒澤監督自身の「純粋さ」がこの小説に惹かれるのでしょうね。黒澤監督のプライベートフィルムに近いのかも。

2010/12/27(月) 午後 11:42 シーラカンス

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遅まきながらTBさせてください。

2011/10/31(月) 午前 11:46 [ SL-Mania ]

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SL-Maniaさん
TBありがとうございます♪

2011/10/31(月) 午後 9:25 シーラカンス

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