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黒澤明「用心棒」

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用心棒
2010年12月19日、フィルムセンター、「生誕百年 映画監督 黒澤明」にて。

1961年度作品
監督:黒澤明
脚本:黒澤明、菊島隆三
音楽:佐藤勝
出演:三船敏郎、仲代達矢、加東大介、東野英治郎、渡辺篤、沢村いき雄、司葉子、土屋嘉男、河津清三郎、山田五十鈴、太刀川寛、山茶花究、志村喬、藤原釜足、藤田進、西村晃、加藤武、中谷一郎、堺左千夫、谷晃、羅生門綱五郎、ジェリー藤尾、佐田豊、天本英世、大木正司、本間文子、夏木陽介

ふたつの勢力が対立している宿場町にふらりと現れた謎の浪人。桑畑三十郎(三船敏郎)と名乗る彼は、両方の親分に自分を用心棒として売り込みつつ、双方を巧みに争わせて壊滅に追い込んでいく。
黒澤明監督が「今度はチャンバラだぞ!」と元気に叫びながら製作にあたった、娯楽時代劇映画であり、まるで江戸時代の宿場町を舞台にした西部劇のような、日本映画離れしたユーモアとアクションのセンスに満ちあふれた、映画史上に残る大傑作である。三船敏郎、一世一代の当たり役。そのおもしろさは海の向こうでも評判となり、後にイタリアで『荒野の用心棒』、アメリカで『ラストマン・スタンディング』と翻案リメイクもなされたほど。オーケストラからヴァイオリンを抜いて構成された佐藤勝の音楽も、映画音楽史上に残る優れものである。(的田也寸志)

会社で映画同好会(3人)なるものを作ってまして、たまには映画鑑賞会もしてみようと私が言い出し、この映画が1回目の鑑賞です。

正直に言います。
昔「荒野の用心棒」を先に観ていて、何てかっこいいんだろうと思った。
ラストの一騎打ちで、撃たれても死なないイーストウッドに唖然としたものでした。
その後オリジナルのこの映画を観た感想は、なんてもっちゃりして、ラストも貧乏くさい戦いだな〜と思いました。

それから、2回は観たでしょう。
今回、4回目?、映画館は2回目かな。
面白いです。

やっぱりまずは音楽でしょう。
佐藤勝さんのずれたリズムのメロディにゾクゾクします。

ちゃんとストーリーに辻褄があっているんですね。
冒頭、百姓のせがれの夏木陽介がヤクザになるんだと家を飛び出すシーンが、ラスト、三十郎の「家に帰りな」のセリフでちゃんと繋がっていました。

飯屋から村の全てが見える。
飯屋のオヤジ(東野英治郎)が、村のありさまを三十郎に説明し、飯屋の窓から見える2人の親分や子分の動きを観客に説明するうまさ。
さらに関八州の役人への賄賂まで窓から見せるうまさはさすがです。

三十郎へのお礼の手紙(逃がしてもらった男と妻と子)を仲代達矢に見つかる時のドキドキ感。
拷問を受け、逃げだす方法、さらに頭が弱い加東大介をそそのかして棺桶を担がせるユーモアと村を逃げ延びる脚本のうまさ。
さりげなく、飯屋のおやじが、もしやの時にと棺桶に差し入れる包丁。
ちゃんと、繋がっているのです。
脚本がよくできています。

俳優陣がほんとに豪華です。
それぞれ、個性があっていいです。
三船敏郎の独特のユーモアは絶品です。

肩をきりながら走るマフラー男仲代達矢、飯屋の頑固おやじ東野英治郎、守銭奴棺桶屋の渡辺篤、日和見の番屋の沢村いき雄、ちょっと頭が弱い加東大介が素晴らしい。
女郎屋の海千山千の山田五十鈴、博打のため妻を奪われた気の弱い百姓土屋嘉男。先に雇われた用心棒藤田進の手を振りながら塀を乗り越えトンづらする姿がおかしい。
いや〜、色んな登場人物を観ているだけで楽しいです。

一か所どうも、昔から気になっているシーンがある。
2人の親分がうまく片付いた後に、庄屋の藤原釜足が狂ったようにお経を延々と唱えながら、敵の酒屋の志村喬を殺す。
仲代達矢もくどくどと独り言を言いながら、「地獄で待っているぜ」などとしつこく呟きながら死ぬ。

すっきりしたアクション時代劇にしてほしかったな〜。
しかし、黒澤監督は、そういう映画ではないと言わんばかりに、争いごとの虚しさみたいなものを見せようとしたことが、余計に映画の流れ止めてしまっているように思えた。
シンプルでユーモアのあるアクション時代劇でいいのでは。

閉じる コメント(23)

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ひろちゃんさん
佐藤勝の音楽はシンプルで大好きです♪ 喜八監督の盟友なので余計に気になった作曲家です。特にこの映画の曲のオリジナルは企業PR映画で、アレンジして素晴らしい音楽になりました。そうですか、三船の背中の動きも三十郎の個性でした。同じ感想でうれしいです。黒澤監督はどうも殺戮の映画を撮って、後悔のようなこういう「良心」に戻るところがいい面であり悪い面でもあるように思います。性格ですね♪

2010/12/28(火) 午後 10:10 シーラカンス

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SL-Maniaさん
そうですね、東映の綺麗な型にとらわれた時代劇とは異なり、残酷ですね。腕を切り落としたりして。「十三人の刺客」につながっていくのでしょうか。男っぽい娯楽映画に黒澤映画の真骨頂のような気がします。佐藤勝さん、チェンバロを弾けるんですか、知りませんでした。

2010/12/28(火) 午後 10:18 シーラカンス

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POCHIさん
コメントありがとうございます♪ 何回見ても飽きないです。登場人物の個性が際立っていますね。

2010/12/28(火) 午後 10:20 シーラカンス

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映画同好会を会社に作っておられるのですね。

初回鑑賞作品、いいものを選ばれましたね。
加東大介の「棺桶」シーン、大好きです。
「常識」を超えた音楽も素晴らしい!

黒澤映画はまだ数作しか見ていない頃に鑑賞して
その「型破り」度と派手な展開に度肝を抜かれた作品です。

TBさせて下さい。

2010/12/29(水) 午前 1:34 alf's mom

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チェンバロは鍵盤楽器ですからね、佐藤氏にとってはいとも簡単だったと思います。ジャズっぽい即興のような音楽だったですね。

2010/12/29(水) 午前 10:49 [ SL-Mania ]

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確認ですが、最後の乱闘場面で、一瞬ですが、三船の望遠レンズのカットが入るような感じだったのですが、画面に緊張感が出るような感じがします。気に入りました。
「七人の侍」にも有りましたよね。

2010/12/29(水) 午後 1:32 [ koukou ]

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ピストルの”劇薬的効果”に酔いしれる仲代、三船がどうやってこれに打ち勝つか…。
ラストの方は、とってもよく出来ていて、三船がナイフ放り投げる”練習”をする。(当然、ナイフ当たってから放り投げる写真の逆回し。)何のこっちゃら、、、とか思っていたら、仲代のピストル握った腕に、まるで時間を止めたように俊敏にナイフを放り投げて刺し、仲代をやっつける。ここオモロイですね。
仲代の往生際悪い死に方は、チト難があるけど、その後東野栄次郎(ロープで縛られて…)を、切り付け、なんとロープのみ切断して東野を助ける。最初拝見したとき、ビックリ。捻ったエンディングで、とっても楽しめる。
♪チャチャンーチャッチャンチャチャチャン。佐藤さんのBGM、ダイナミックで最高級の娯楽映画ですね。
カメラが、メチャローアングルで、砂塵舞い上がるのを(西部劇みたい)上手くシャシンにしてた。さすが黒澤です。o(^-^)o

2010/12/29(水) 午後 9:50 [ moemumu ]

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alfmomさん
ハハッ、勝手にそう呼んでるだけで大した集まりではありません。おっさん3人組です。一人がこの映画が好きで、じゃってことで。自分も「棺桶」シーンは好きですね。佐藤勝さんの代表作でしょうね。抒情的なメロディが多い作品の中で、この映画の独特のリズムと不思議なメロディに酔いしれます。黒澤監督と三船にはユーモアがある映画のほうが似合ってますね。

2010/12/30(木) 午前 0:04 シーラカンス

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SL-Maniaさん
打楽器も目立ってましたね。ちょっと唐突に流れますが、「ぬいのテーマ」も美しいメロディでした。

2010/12/30(木) 午前 0:20 シーラカンス

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koukouさん
あ〜、そうでしたっけね。すいません、そこまでわかりませんでした。黒澤さん望遠レンズがお好きですね。ちょっと違う「絵」の感じがします。「七人の侍」、ありましたね〜♪

2010/12/30(木) 午前 8:41 シーラカンス

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moe*u*uさん
さりげなく手にいれた包丁をピストル相手にうまく使いますね。佐藤勝さんの豪快な音楽、人物造形、三船の殺陣、風、雨、砂嵐、西部劇へのオマージュ、すべてが楽しい娯楽映画を作るのための工夫でした。

2010/12/30(木) 午前 9:00 シーラカンス

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黒澤さんが最も油ののっているころに作った作品ですよね。
面白いですよねー

2010/12/30(木) 午後 8:50 [ dalichoko ]

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直近で見たときにはフィルムの状態が劣悪で残念でしたが、それは置いておいてエンターテインメントではひと際優れた黒澤時代劇の傑作ですね。お経のシーンも仲代の最期も私はそれほど気になりませんでした。

2010/12/31(金) 午前 7:50 ヒッチさん

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chokoboさん
油ののっているころは、脇役にまで個性を持たせているから面白い映画になっているんでしょうね。老いると周りが狭い範囲でしか描けないような気がします。勝手な想像ですが。。。

2010/12/31(金) 午後 2:10 シーラカンス

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ヒッチさん
曲者たちのお祭りさわぎのような映画でした。お経のシーンが長く、どこか暗い感じのエンディングになったような気がしました。。。。まあ、、自分だけかもしれませんが。

2010/12/31(金) 午後 8:27 シーラカンス

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「黒澤明」で検索して来ました。
僕も『用心棒』より『荒野の用心棒』を先に見ており、シビレた口です。後にオリジナルの『用心棒』を見たわけですが、アイディアを思いついたのはサスガですが、2つの作品を比べると、より面白いのは『荒野の用心棒』の方だと考えています。

同じような構図の『七人の侍』と『荒野の七人』では、『荒野の七人』も傑作でしたが、オリジナルの『七人の侍』の方がさらに完成度が高かったと判断しています。

また、『椿三十郎』を観たときは『用心棒』よりも若干面白いと感じました。

2011/1/4(火) 午前 2:31 [ 星谷 仁 ]

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星谷仁さん
コメントありがとうございます♪ カッコよさは『荒野の用心棒』、登場人物の造形は『用心棒』でしょうか。もう一度見比べてみたいですね。同じ感想です、『荒野の七人』は2年前ぐらいに観ましたが、断然『七人の侍』です。これは闘う、信頼といった本質的な重みが全然ちがいます。力強い映画です。自分は軽さで『椿三十郎』の方が娯楽映画として楽しめますね。

2011/1/4(火) 午後 9:54 シーラカンス

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映画同好会は今でも活動しているのですか?映画仲間がいるのはいいですね
私の私の周りはジャニーズ系やEXILEのおっかけばかりで話が全くあいません〜

妻を助けられた百票一家も、あんなお礼の手紙なんか残すから〜
あそこがいちばんハラハラするシーンでした

トラバお願いします♪

2017/4/29(土) 午後 2:51 ベベ

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> ベベさん
残念ながら二人とも退職されて、一人の人とはラインで時々映画の話をしています。すべてが繋がっているよくできた脚本で面白かったです。わざとハラハラさせるのもうまいですね〜。

2017/5/1(月) 午前 0:06 シーラカンス

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イヴさん
TBありがとうございます。

2017/7/23(日) 午後 9:37 シーラカンス

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