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影武者 2010年12月25日、フィルムセンター、「生誕百年 映画監督 黒澤明」にて。 1980年度作品 監督:黒澤明 脚本:井手雅人、黒澤明 音楽:池辺晋一郎 出演:仲代達矢、山崎努、萩原健一、根津甚八、大滝秀治、隆大介、油井昌由樹、倍賞美津子、桃井かおり、志村喬、藤原釜足 巨匠・黒澤明監督が「デルス・ウザーラ」以来5年ぶり(日本映画としては「どですかでん」以来10年ぶり)に製作した、戦国スペクタクル巨編。武田信玄の影武者として生きた男の悲喜劇を荘厳にして絢爛な映像で描く。戦国時代。家康の野田城攻めの折り、鉄砲で撃たれこの世を去った武田信玄(仲代達矢)。弟信廉(山崎努)は信玄死すの報を打ち消すため信玄の影武者(仲代達矢が二役)を立てる。男は盗みの罪から処刑されるところを信玄と瓜二つだったことから助けられたのだった。だが男にとって戦国の雄・信玄として生きることはあまりにも過酷だった……。製作費の高騰で計画が頓挫しかかったり、当初主役だった勝新太郎が監督との意見の相違から途中降板するなどの話題にも事欠かなかった。カンヌ国際映画祭グランプリ受賞。(allcinema解説より) 2010年最後の感想にするつもりが、2011年最初の記事になってしまった。 今年もよろしくお願いします♪ 年の初めにしては、暗い感想になってしまい、今年も前途多難の様相が。。。 打ち首になるはずだった盗人であった影武者は、「影」であることがばれても、何故、ラストの「長篠の戦い」までついてきたんだろうか。 影武者は、動かない森である武田信玄に憧れ、武田信玄になろうと努力して、「影」のまま接した孫とのふれあいや、「影」として実行した親方の決断に酔いしれ、やがて自分が武田信玄そのものだと勘違いしてしまった。 だから、武田信玄しか乗りこなせないと言われた荒馬に乗ろうとして、自分が武田信玄だと言いたかったのだろう。 だが、馬に嫌われ、結局ニセモノであることがばれてしまった。 なんとも、可哀相な男。 可笑しくて可哀相な男の一生が、画面から醸し出せたらこの映画は成功した、と思う。 でも、残念ながら、この映画を見て、哀れさだけが目立ち、私はそこまでの気持ちにはなれなかった。 それは、勝新太郎が途中降板、仲代達矢が急遽代役となったことにも関係しているはず。 勝新太郎だったらとか、若い三船敏郎だったらとか、と思ってしまう。 やんちゃな部分が必要なのです。 さらに、笑いの部分が不足しているのです。 笑える箇所がもっとあれば、逆に哀れなシーンが生きる。 そうすれば、この映画はもっと面白い映画になっていたのでは。 途中まで面白そうになりそうだと思いながら見ていたので、余計に残念でしかたがない。 壮絶な「長篠の戦い」で、織田信長・徳川家康軍の鉄砲隊に武田勢の騎馬隊は全滅。 大勢の群衆や馬が殺されるシーンをスローモーションで映し、戦いの虚しさを表現している。 騎馬隊の美しさ、迫力ある合戦シーン、そして、このスローモーション。 映像の豪華さは一見の価値があります。 ただ、黒澤監督は、この合戦のシーンを美しい「絵」としてだけ描いているような気がしてならない。 殺される群衆は知らない人たちばかりなので、申し訳ないが感情移入もできない。 ただただ、画面を見ているだけ。 争いによってもたらされる人の悲しみは伝わってこない。 全体的に人の感情が希薄なのです。 黒澤監督70歳。 かなり「死」を意識して、この映画を作っているのは間違いない。 志村喬さん、藤原釜足さんは黒澤映画最後の出演でしょうか。
音楽もとってつけたような効果音がわざとらしくて、あまり好きではありません。 |

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まずはあけましておめでとうございます。
本作は封切りの折、観ました。ゴールデンウィークで郷里の映画館での鑑賞でした。この作品以降は何か弛緩したような印象受けるのです。モノクロ作品の頃、張りつめたようなものが見事に喪失しているのです。カラーの「どですかでん」や「デルス・ウザーラ」はまだその張りつめたようなものは残っていました。志村喬は翌年の「俺たちの交響楽」が遺作だったと思います。藤原釜足もこれ以降見かけなくなりましたね。
2011/1/1(土) 午前 9:32 [ SL-Mania ]
SL-Maniaさん
おめでとうございます♪
今年もよろしくお願いします。
黒澤監督だからこういう映画といった決めつけ方はあまりしたくないのですが、この映画はもっと面白くなったはずだと思います。そういう点から残念ですね。「夢」はまだ面白かったです。ラスト映画の「まあだだよ」は、黒澤監督が願う理想をそのまま映画にしただけで、老いた人がまわりが見えなくなり狭い範囲でしか見えていない老化現象の映画だと思います。
2011/1/1(土) 午後 8:46
シーラカンスさま、あけましておめでとうございます。
この作品の2年後くらいに、志村喬さんご冥福だったでしょうか。黒澤作品では、「影武者」ややダイジェストに終始した感じですね。
せっかく、彦根城も使ったのに、臨場感無かった。
仲代では、確かに笑いが取れず、勝新起用して欲しかった。
三船/志村のコンビに、やはり支えられていた黒澤、と思えてならなかったです。
2011/1/2(日) 午前 3:35 [ moemumu ]
明けましておめでとうございます。
黒澤さん70歳の時の作品なのですね。
まだ未見です。
マイナスのコメントがちらほら。
作品を鑑賞後に再訪したいと思います。
2011/1/3(月) 午前 1:59
moe*u*uさん
あけましておめでとうございます♪
いつもコメントありがとうございます。
もっと面白い映画になっていたと思うと残念です。勝新で見てみたかったですね。三船/志村コンビは一つの映画の時代を作りましたね。
2011/1/3(月) 午後 4:50
alfmomさん
あけまして、おめでとうございます♪
そうですね、面白そうな雰囲気があったので、余計にマイナスコメントになりました。合戦シーンは迫力があり、色彩も豊かでした。昔美術を専攻されていた監督らしい映画です。
2011/1/3(月) 午後 5:00
同感ですね、黒澤明の凋落を決定付ける1作でしょうか。
あるのは、ハリウッド資金による巨大セット、緩慢な展開、作ったかのような役者陣の力んだ人工的な演技、、、弛緩した長編映画。
この作品以降、黒澤には傑作はありません・・・
2011/1/5(水) 午後 5:30 [ 8 1/2 ]
8 1/2さん
壮大な「絵」の美しさだけでは、「映画」にならないことは黒澤監督もわかっているはずで。勝新太郎の途中降板が痛かったですね。もっと、ヤンチャな男の暴れまくった映画でないと、ですね。
2011/1/5(水) 午後 11:32
SL-Maniaさん
TBありがとうございます。
2015/6/21(日) 午前 8:59