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元禄忠臣蔵
2011年1月6日、シネマヴェーラ「溝口健二傑作選」にて。

1941年度作品
監督:溝口健二
原作:真山青果
脚本:原健一郎/ 依田義賢
出演:河原崎長十郎、中村翫右衛門、河原崎国太郎、中村鶴三、阪東調右衛門、市川笑太郎、市川扇升、三浦光子、高峰三枝子、市川右太衛門、山路ふみ子、河津清三郎、梅村蓉子、小杉勇、清水将夫、

従来の時代劇としての忠臣蔵に飽き足らず、史実に基づいた歴史映画としての忠臣蔵を目指した溝口の野心作。多くの考証家を動員して家屋、美術、言葉など綿密な時代考証を行った。奥行のある構図やクレーン撮影など素晴らしい場面はあるものの、人間ドラマの側面を欠き、興業的には失敗作となった。前編では、松の廊下事件から内蔵助が江戸に向かうまでが描かれている(前編・シネマヴェーラ解説より)
赤穂浪士が切腹するまでを描いた溝口忠臣蔵の後編。セットも組まれていたという吉良邸討ち入りのシーンは、溝口の「チャンチャンバラバラはいらない」との意向で撮影されず、瑶泉院と戸田局が読む手紙で事件のことが知れるという異色の展開となっている。前篇と比べて、個々の登場人物のドラマが増えており、最後の切腹シーンは哀切極まりない。(後篇・シネマヴェーラ解説より)

面白かったです。
溝口監督の執念を画面から感じます。
映画とは正直ですね。
溝口監督がどれだけこの映画にかけているかが、観ている側にもよくわかります。
ワンシーンワンカットを延々と続けます。
クレーン車からの俯瞰ショットも多用します。
長回しのシーンを観ていると、「にせもの」ではない「ほんもの」が見えてくるような気がします。
登場人物の動きとセリフの一つ一つから、その人の深い気持ちが画面から滲み出てきます。
観ていて飽きないです。

河原崎長十郎、中村翫右衛門はいいですね。
滑舌がいいから、今でもはっきり聞きとれます。
つい山中貞雄の作品を思い出します。

討ち入りのシーンがないのです。
これって、焼肉にカルビがないとか、プロ野球にタイガースがいないとか、雑煮に餅が入っていないとかと同じゃないですか。
大衆が見たいものには興味がないのですね。
まさに溝口監督の拘りですね。
よくプロデューサーが承知したと思います。
討ち入りがない忠臣蔵は、ヒットしないのは当たり前ですね。

それでも、この映画、今の時代だからこそ面白いと思えるかもしれません。
冒頭でも書いた長回しのシーンから深い気持ちを表わすことは、今の映画作りにあっている。

松の廊下の豪華でドでかいセットは、見応えあります。
建築監督に新藤兼人の名前があります。
この映画からの付き合いなんですね。

ラスト、これから切腹に向かう大石内蔵助の顔を少し見せ、クレーンで画面が引いて、切腹する場所を写すシーンは気に入っています。

溝口作品では珍しい上映だからか、平日の夜だというのに、ほぼ満席でした。
溝口監督の人気がうかがえます。

閉じる コメント(6)

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この映画上映が満席というのは何かうれしい気がします。スクリーンで観る機会がないからでしょう。私はフィルムセンターと旧文芸地下とで2回観ています。録音が悪く音楽などは歪んでいますね。しかし、松の廊下は庭に面していることを初めて示したのはこの映画です。新藤兼人監督の「ある映画監督」(岩波新書)にはこの映画撮影当時の様子が詳しく出ていますね。

2011/1/10(月) 午前 9:17 [ SL-Mania ]

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SL-Maniaさん
こんなマニアックな映画を観る人がたくさんいることに驚きです。2回も観るなんて、すごいですね。この年代の映画にしては、まだましでしたね。セットとは思えない本物の家のようでした。クレーンショットが多いので、美術も手抜きできないでしょうね。

2011/1/10(月) 午後 0:38 シーラカンス

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本作はそうマニアックとは私には思えないのです。「虞美人草」や「マリアのお雪」などに比べたらメジャーな作品として受け止めています。三百人劇場で溝口特集が組まれた折も番組の中に入っていました。この時は観に行けませんでした。これもビデオ化されていて、息子たちに見せたら、かなり不評でした....。

2011/1/10(月) 午後 6:34 [ SL-Mania ]

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SL-Maniaさん
普通の人からみるとマニアックな映画ですよ(笑)。別に悪気はないので。「雨月」「西鶴」「近松」なんかの有名な映画に比べると知名度が低いかなと。でも私もこの映画は好きです♪

2011/1/10(月) 午後 9:56 シーラカンス

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私も楽しめましたね。ビックリですよ、この時代にこんな映画は。
マニアック論議はどうでしょうか。

建築監督という表現が面白勝ったですね、その他のスタッフのケレジットタイトルが時代を感じさせます。

2011/1/11(火) 午前 0:37 [ koukou ]

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koukouさん
やはり、溝口監督はすごいです。やはり、ただものではないですね。まあ、戦時中の貧しい中、これだけの豪華なセットを作ったこともすごいです。

2011/1/11(火) 午後 7:31 シーラカンス

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