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ポンヌフの恋人 デジタルリマスター版 2011年2月5日、ヒューマントラストシネマ有楽町にて「製作20周年記念リバイバル」。 1991年度作品 監督:レオス・カラックス 脚本:レオス・カラックス 撮影:ジャン=イヴ・エスコフィエ 美術:ミシェル・ヴァンデスティアン 音楽:ヴェンジャミン・ブリテン 出演:ジュリエット・ビノシュ、ドニ・ラヴァン、クラウス=ミヒャエル・グリューバー、ダニエル・ビュアン、マリオン・スタレンス、エディット・スコブ 閉鎖中のポンヌフ橋で暮らす天涯孤独の青年ホームレスのアレックス(ドニ・ラヴァン)は、いつものごとく酒を飲みながら夜のパリを放浪していたが、車に片足を轢かれてしまう。そこに通りかかった女は恋の痛手と失明の危機から家出放浪中の女画学生ミシェル(ジュリエット・ビノシュ)。アレックスはミシェルの美しさに初めて恋の心地を知り、ポンヌフ橋を仕切っている初老の浮浪者のハンス(クラウス=ミヒャエル・グリューバー)にこの家出娘のミシェルを置いてくれるように頼み込む。そして二人のホームレス生活が始まる。ジュリアン(クリシャン・ラルソン)というチェリストへの恋の未練と画家としての失明の恐怖を両手に抱えたミシェルと、他人との繫がりをあまりにも持たずに生きてきたアレックスとの間にも徐々に愛情に似た親愛が芽生え始める。しかしそんな橋の上での生活にも慣れてきたある夜、ミシェルは携帯ラジオから自分を探すアナウンスを耳にする・・・(ウィキペディアより) ポンヌフとはパリに現存する最古の橋で、フランス語で「新しい橋」という意味もあるらしい。 「21世紀に蘇る、20世紀最後の純愛映画。」 すごいコピーですね。 製作されて、20周年記念にあたるデジタルリマスター版での上映。 有名な映画ですが、今まで観ていませんでした。 まるでアクション映画を観ているかのように、スリリングで、ダイナミックで、情熱的な映画。 そして、すべてが刺激的な映画です。 ホームレス青年と失明の危機のある家出放浪中の女画学生の運命的な出会いと絡みつくように離れては寄せ合う嫉妬と愛のドラマ、でしょうか。 猛スピードで車を飛ばす見知らぬ恋人たちが見る風景の中に、酔っ払ってよろめきながら歩くホームレスのアレックス(ドニ・ラヴァン)の姿が。 頭をコンクリートの地面に擦りつけ、仰向けに寝るアレックス。 そこへ片目にアイパッチをつけたホームレス風の女ミシェル(ジュリエット・ビノシュ)が覗きこむ。 先ほどの車がアレックスの足を轢き去る。 ファーストシーンから、一体何が始まるのだろうかとゾクゾクする体感。 汚い姿のホームレスの二人と「ポンヌフの恋人」のタイトルがどうも結びつかない。 ネタバレあります。 アレックスは警察らしき車に他のホームレスの人たちと同じように乗せられ、一泊させられる。 朝早く、松葉杖をつきながら新築のため取り壊されるポンヌフの橋の柵を乗り越え、いつもの寝床にたどり着くと、そこには片目にアイパッチの絵描きの女ミシェル(ジュリエット・ビノシュ)が寝ていた。 彼女が描いた絵の中に、自分が地面に倒れていた時の絵があった。 それぞれのシーンが、まるで切り取った絵画のように美しく、胸がときめきます。 大道芸で火吹きをするアレックスを見つめるミシェルの嬉しそうで眩しそうで不安げな目。 フランス革命200年を祝う花火が打ち上げられる夜にポンヌフ橋で酔っ払い、ダンスを踊る二人。CGではなく、本物の花火が咲き誇る中で二人がバカ笑いをするミスマッチの面白さ。 ボートを盗み、ジェットスキーを楽しむハイテンションの二人。ジェットスキーの背景が激しく変化する様の自由度の高さ。 昔の恋人チェリストのジュリアンを捜すミシェルに嫉妬して、会わせないように邪魔をするアレックス。チェリストの奏でる緊張感溢れるメロディ。 あることで大金を手に入れます。 旅行をして、砂丘を歩く二人のロングショット。 ミシェルの変な体操で、余ったお金が手に当てて川に落ちるようにわざと仕向けるアレックス。 お金があることで、自分から離れるのでないかという不安でしょうか。 何度も「いつか話すわ」と、過去を語らない謎めいたミシェル。 同じホームレス仲間のハンスは、「愛は信じるな」とアレックスに言います。 彼には奥さんとの間に辛い過去がありました。 次第にミシェルを束縛しようとするアレックス。 親からの捜索願いと眼が治る治療法が見つかったことを呼びかける地下鉄のポスターをすべて燃やす美しさとミシェルを失うことの嫉妬と切なさ。 呼びかけを知ったミシェルは、「あなたを愛していなかった」とメッセージを残してポンヌフを去る。 叫びの中、拳銃で自分の手を撃ち、自らを傷つけるしか結論づけられないアレックス。 ポスターを燃やしたことで人を死なせてしまいアレックスは刑務所に入ることに。 面会に来たミシェルは、仮出所したらもう一度ポンヌフで愛し合いましょうと。 雪のポンヌフが美しい。 ワインに酔っ払いながら、下ネタジョークに笑い転げる二人。 突然「帰る」というミシェルをアレックスは罵倒し、言い争いの中、二人は川の中に。 通りかかった砂利を積む舟に助けられ、ル・アーブルに行く老夫婦の船長に私たちも連れて行ってと嬉しそうなミシェル。 タイタニックさながら、船首に体を寄せ合う二人。 感想を書こうと思っていたら、ついつい最後までストーリーを書いてしまいましたね♪ アハッ^^。 恋愛ドラマでありながら、ホームレスという孤独の中で生きていた主人公(アレックス)が、初めて失いたくないものを知ってしまった熱い気持ちと行動に、つい感情移入してしまいました。 人は時として自分の感情の成り行きに任せてしまい、残酷であり、我が儘な部分を持ち合わせているのでしょうね。 そんなことを、この映画を観ながら思いました。 ミシェルも謎のままで終わります。 一番気になるシーンがあります。 眼も見えるようになり、あるビルの事務所に入って行きます。 そのビルの表札は、ポスターの治療で治ると呼びかけた眼科医院と同じ名前です。 自分でその眼科医院のドアを、鍵を開けながら入るのです。 鍵を持っているということは、もしかして、眼科医はミシェル自身かも。 そうすると、今までの出来事はすべて自分の狂言になります。 そんなことを思いたくはないのですが、自由奔放でアレックスをリードする彼女の性格、平凡な生き方に満足しないような印象を思うと、その可能性もあるのかなと。 それか、眼科医の男性と恋愛関係にあるのかもしれません。眼が見え、平凡な生活に飽きて、アレックスを思い出したとか。 まったく的外れで、素直でない、いやらしい感想になっているかもしれません。お許しを。 ル・アーブルはどこかなと調べたら、フランスの北にある海沿いの町のようです。 ル・アーブルと聞いて、刺激的な恋愛を求めるミシェルの嬉しそうな表情が印象に残っています。 ポンヌフの橋がオープンセットだと知り、また驚きです。 対岸にはホテルもあり、すべてセットとは、信じられない。 レオス・カラックス監督のセンスを痛いほど感じます。 ジュリエット・ビノシュ、ドニ・ラヴァンも素晴らしいです。 すいません、どこかまとまりの欠いた感想になってしまいました。
素直に、この映画、好きですね。 |

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ああ、懐かしいです。自分が初めて観た、本格的な恋愛映画でした。記事を読ませていただいて、細かい部分はほとんど忘れていることに気づきましたが、「ポンヌフの恋人」なんてかわいらしい題が不似合いな、激しい恋の物語だった覚えがあります。
2011/2/12(土) 午後 10:25
boyattoさん
90年代の映画はほとんど観ていなくて。そうですね、「ポンヌフの恋人」のネーミングと濃厚な内容がミスマッチで、あまりに刺激的な映画でした。ジュリエット・ビノシュがいいですね♪
2011/2/13(日) 午前 8:55
レオス・カラックス監督は映像派でもありますね、やはり。
でも自己の哲学をシッカリ持った方だと強く思います。
TBお返しいたしますね〜。
2011/2/13(日) 午後 1:48
タイトルだけは知っていました。
見る可能性がありますので、記事は部分的にしか読んでいませんが、
この、今までにない程の感想の長さから、色々なことを感じられたのだろうと想い、
とても興味が湧いています。
見る事ができれば、その後また伺いますね。
2011/2/13(日) 午後 5:51
Kazさん
コメントありがとうございます。ミシェルの秘密によってまったく違った映画になってしまうので戸惑いながら感想を書きました。「エゴイズムの恋」の表現はすごいですね。
2011/2/13(日) 午後 11:11
alfmomさん
すいません、相変わらず拙い文章しか書けなくて、それにミシェルの謎が気になって、ダラダラした内容になってしまいました。もし機会があれば見ていただいてalfmomさんの感想を知りたいですね♪
2011/2/13(日) 午後 11:21
あ===ヒューマントラストシネマで上映中なのですか!
この映画がとてもお好きだという気持ちがよく伝わってくる
素敵な記事ですね。
ほんとそれぞれのシーンがえもいえぬ美しさでした。
そうですね。初めて失いたくないものを知ってしまったのかもしれませんね。TBさせてくださいね。
2011/2/15(火) 午前 0:05
cartoucheさん
まとまりのない感想です。それは、ミシェルは一体誰だったのかという疑惑が頭をよぎってこんな感じになっちゃいました。それでもこの映画のグングン押してくる力は本物だと思いますね。
2011/2/15(火) 午後 8:01
こんにちは!お邪魔しま〜す。
私は映画をボーッと観てしまう癖があって反省してしまいます。
シーラカンスさんの記事を読ませていただいて、そんなシーンがあったのか!と今さら驚いている私です。
謎の残る映画ですね。再々度観てみないと。。。
2011/9/5(月) 午前 9:10
ウサコさん
コメントありがとうございます♪ この映画のパワフルで刺激的な激情恋愛映画に圧倒されました。凄い映画でした。眼科医のシーン、何かわかれば教えてくださいね。一番気になっています。
2011/9/5(月) 午後 11:01
一昨年再上映されたんですね。
知りませんでした。
橋の下から見る美しい花火のシーンが印象的でした。
「ホーリー・モータース」ではポンヌフをビルの屋上から見下ろしてましたね。確かに。
長い年月が見方を変化させています。
2013/5/25(土) 午後 10:33 [ dalichoko ]
chkoboさん
もう一度映画館で観たいな。
「ホーリー・モータース」では確かにポンヌフの向いのビルから心中をしましたね。監督のジュリエット・ビノシュへの思いが断ち切れていないようです。
2013/5/26(日) 午前 11:29
すごい映画のようですね。
近くのレンタル店で探していますが見つかりません。
なにか真相は闇の中のようですね。
2015/5/19(火) 午前 6:03
fpdさん
激しいです、まさに情熱の恋、こんなパワーが今ほしいです。
2015/5/20(水) 午後 11:26
私もあの眼科医院の家に入っていく場面は、あれ?と思いました。探していた両親が眼科医だったのか、と単純に解釈していました(苦笑)。
恋のエゴイズムという表現はぴったりですね。
TBさせてください。
2015/10/17(土) 午前 0:44 [ あきりん ]
> あきりんさん
そうなんですよね、ちょっとよくわからない混乱するシーンです。愛のエゴイズム、人の心を揺さぶります。
2015/10/18(日) 午前 8:21