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岡本喜八「斬る」★

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斬る
2011年2月13日、新文芸坐「鬼才・岡本喜八 七回忌  はじめての人のための岡本喜八」にて3回目?を鑑賞。

1968年度作品
監督:岡本喜八
原作:山本周五郎
脚本:岡本喜八、村尾昭
音楽:佐藤勝
出演:仲代達矢、高橋悦史、神山繁、東野英治郎、岸田森、星由里子、中村敦夫、土屋嘉男、久保明、中丸忠雄、橋本功、地井武男、久野征四郎、今福将雄、樋浦勉、田村奈己、天本英世、鈴木えみ子、小川安三、黒部進、長谷川弘、中山豊

江戸末期、天保4年。上州のある藩ではその圧政と悪政に耐えかねた正義に燃える七人の武士が城代家老を襲って斬った。次席家老鮎沢(神山繁)はこの機に藩政をわがものにせんと、七人の武士を撃つべく、剛腕の剣客源太(仲代達矢)と半次郎(高橋悦史)を武士たちの潜む砦へとさしむけるが・・・。(日本映画専門チャンネル解説より)

市川雷蔵出演の有名な「斬る」ではないです。
喜八監督の「斬る」ですよ。

いや〜、面白かった。
昔から何故か、この映画が大好きだったんですが、今回3回目?を観て、昔観た時よりもっと面白いと思いましたね。
これって、すごいことですよね。
ストーリーも分かっていながら、独特のユーモアで観客は柔らかくさせられて、登場人物の「心意気」に嬉しくなり、脇役の面白い個性までちゃんと見せ場を作るうまさに惚れたんでしょうね。

娯楽映画はこういう風に作るんだよというお手本のような起承転結なストーリーに惚けたユーモアを振りまいたアクション時代劇です。

2年前に、この藩と同じことが起きてそのことで友人を斬って、嫌気がさし侍を辞めた剣客源太(仲代達矢)。
百姓育ちで侍になりたがっている馬鹿力持ちの半次郎(高橋悦史)。
強風荒れ狂う宿場町に、この2人の腹ペコ男がやって来て、七人の武士が城代家老を斬り捨てるところに出くわす。

飄々とした源太(仲代達矢)は、過去の自分の過ちを取り戻すために、次席家老鮎沢(神山繁)から討手とされる若い七人の侍を、さりげなく手助けする。
半次郎(高橋悦史)は師範の道を探り、次席家老鮎沢(神山繁)の手下になり、砦の七人の討手となる。
源太(仲代達矢)と半次郎(高橋悦史)は敵味方の間柄に。
百姓出の半次郎(高橋悦史)は、女郎屋で土の匂いのする女を指名します。
侍に憧れている男であっても、やっぱりどこか気持ちは生まれ育った頃が懐かしい。

砦の七人を討つ浪人の組長(岸田森)が、また実にかっこいいのです。
武士の娘だったが父親の失政のため女郎となった女(田村奈己)を見受けするために、賞金がいる。
寡黙で自制した男。
半次郎(高橋悦史)に、源太(仲代達矢)が単身で鮎沢(神山繁)宅に乗り込むが、お前には関係ないよなみたいなことを言う。
夜に半次郎(高橋悦史)が、抜け出して源太(仲代達矢)を助けに行く姿を眠ったふりをして見て、安心して眠る姿がいいのです。
しかし、翌日、鮎沢(神山繁)の討手に、浪人たちが殺され、組長(岸田森)も哀しいかな、殺されてしまうのです。

見せ場は、源太(仲代達矢)と剣客次席家老鮎沢(神山繁)との、狭い茶室での一騎打ち。

ファーストシーンで腹ペコの、源太(仲代達矢)が七人の武士のリーダー(中村敦夫)からおにぎりを貰います。
その恋人(星由里子)と会い、おにぎり美味しかったですと礼をいう源太(仲代達矢)のきめ細やかさと繋がりを大事にする脚本の妙に感激します。
本筋にはまったく関係ないセリフですが、こういうセリフを使うことが、この映画の広がりや映画本来の楽しさを実感できます。

ラストシーンもいいのです。
女郎屋の番傘をさし足を引きずりながらの源太(仲代達矢)に、紋付袴の半次郎(高橋悦史)が追いつき、「忘れ物をしただろ」と言う。
「いや、特に忘れ物はないような」と源太。
「俺だよ。俺を忘れていっただろう」と。
紋付袴を脱ぎ棄て、「俺にはどうも侍は窮屈で、一緒に連れてけ」
そして、死んだ組長(岸田森)の女と女郎屋の女たちと、源太(仲代達矢)と半次郎(高橋悦史)の傘が並ぶ俯瞰ショット。
粋でユーモアがあって、見せ場もあり、人の心意気に共感し、実に楽しい娯楽映画でした。 満喫ですね♪

登場人物たちの個性が素晴らしい。

飄々とした仲代達矢。
一本気で人のいい兄ちゃん高橋悦史。
目線がするどいクールな悪役神山繁。

城代家老の東野英治郎のトボケタ可笑しさが特にいい。
次席家老鮎沢(神山繁)に捕まった源太(仲代達矢)を助けた時に、同じ牢屋にいた爺さんを半次郎(高橋悦史)は逃げるために源太の足を持てと手伝わせた。
仕方なく、女郎屋にかくまったが、その爺さんが城代家老だと分かりびっくり。
源太(仲代達矢)が単身で鮎沢(神山繁)に乗り込む時に、城代はこの家から出ないようにと言うと、城代家老は「くどい。ワシは一日どころか一生ここから出たくないわ。さっさと行け」と。笑えます。

お寺の和尚の今福将雄も、愛嬌があって、親しみが湧くキャラです。
源太(仲代達矢)の弟分の樋浦勉は元気印ですね。

佐藤勝のマカロニウエスタンばりの軽快な音楽が心地いいのです。

閉じる コメント(2)

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こんばんは。この映画は面白いですね。大映の同名の作品も有名ですが、味わいは全く異なりますし、こちらはユーモアがあります。DVDでは予告編も観られますが、そこで使われる音楽は「用心棒」のものが転用されていましたね。

2011/2/19(土) 午前 0:04 [ SL-Mania ]

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SL-Maniaさん
そんなに大作でもなく有名な映画でもないですが、とても面白かったですね♪。 大映の映画の方が有名ですね。へぇ〜そうなですか、そこまでは知りませんでした。

2011/2/19(土) 午後 11:15 シーラカンス


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