|
世界のどこにでもある、場所 2011年2月17日、新宿シネマート(試写会)にて。 2011年度作品 監督:大森一樹 脚本:大森一樹 音楽:かしぶち哲郎 出演:熊倉功、丸山優子、坂田鉄平、松村真知子、大関真、大竹浩一、柳田衣里佳、野添義弘、佐原健二、水野久美 丘の上の寂れた遊園地と動物園。そこへ詐欺容疑で指名手配中の男が逃げ込んでくる。男を出迎えたのは、動物と会話する女、話のスケールが大き過ぎる老人、ゲリラと戦う兵士たち。実は彼らは神経科クリニックの患者で、壮絶な経験によって負った心の傷を、園内で思い思いに過ごすことによって癒しているのだった。やがて患者たちの妄想が妄想を呼び、警察や裏社会の人間をも巻き込んだ一触即発の事態が発生。誰がまともで、誰がおかしいのか?男の運命は!? 泣いて、笑って、悩んで、病んで。群像劇の名手・大森一樹監督が贈る、開放治療エンタテインメント。 医師免許を持ち、医療を題材にした作品を多数生み出してきた大森一樹監督が、現代日本に広がる心の病に切り込む群像劇。劇団スーパー・エキセントリック・シアターの実力派が総出演。あなたをあたたかくて懐かしい場所に誘います。(映画解説より) 著名アーティストが唱歌や童謡を歌い継ぐ「にほんのうたプロジェクト」の一部である本作では、「シャボン玉」などの名曲が登場人物たちの心模様を象徴するように盛り込まれている。(シネマトゥディより) 特にこの映画が観たいということもなかったのですが、試写会に応募したら当たってしまったという感じ。 大森一樹、かしぶち哲郎、スペシャルゲスト斉藤由貴のトークショー付き、特に斉藤由貴見たさのよこしまな気持ちが勝っていたかも。 斉藤由貴はこの映画に出演していないけど、「恋する女たち」「トットチャンネル」「さよならの女たち」と大森監督とは3本の映画に主演。 トークショーが進む中で、斉藤由貴は今年でデビュー25周年で記念BOXが出るみたいで、その宣伝も兼ねての様子。とても44歳とは思えず、お若いです。 若い頃、大森監督の映画は結構好きで、多くの映画を観ました。 斉藤由貴3部作、吉川晃司3部作、パロディに溢れた16ミリの自主映画「暗くなるまで待てない!」まで観た記憶があります。 「遊びの時間は終りだ」の名セリフだったでしょうか、若い頃の気持ちにすり合わせられた思い出が。 その後、自主映画の監督が、「オレンジロード急行」で大手の映画を撮るとは。 「ヒポクラテスたち」が一番好きな映画です。「ゴジラvsキングギドラ」もゴジラ映画の新たな面白さを見せてくれた映画でもありました。 さて、この映画の感想です。 ファーストシーンで、「フィリップ・ド・ブロカに捧ぐ」のテロップが流れる。 この映画は、噂によるとフィリップ・ド・ブロカの「まぼろしの市街戦」にインスパイアされたとのことですが、「まぼろしの市街戦」は観ていない(深夜TVで断片のみ)ので、何とも言えません。残念です。 有名人も出ていないし、予算も少なく、TV局の後押しもなく(監督の言葉)、地味な映画です。 心を病んだ人たちの病気治療のために、遊園地と動物園と使って、オープン治療をする。 誰が患者で誰が医者かも、よくわからない群衆劇。でも、もうそんなことは、どうでもいいのかもしれない。 教師と生徒、医者と患者は、強き者と弱き者の構図。 そんな単純な構図をこの映画では批判する。 安楽死を乞う患者の家族に対して、了解を得て安楽死の道を選んだのに、遺族から訴えられた医者。 何が正しくて、何が間違っているのか、事実をよく見ないと理解できない複雑な社会。 「あなたをあたたかくて懐かしい場所に誘います」という解説のような映画だけではありません。 感情移入するようなシーンもあります。 病んだ人がこれから生きていくために必要な希望を見いだせるエピソードもあります。 しかし、ラストの衝撃は、現代のマスコミの一辺倒な取材に対する批判めいたものか、世界で起きている戦争を象徴したものかもしれません。よくわかりませんが。 「世界のどこにでもある、場所」は、希望を願いながら、でも現実に悲劇もどこにでもあるということでしょうか。 それとも平和ボケした日本に対する一撃なのかもしれません。 いかにも難しいような映画のように見えますが、舞台劇のような詩的なセリフとユーモアもあり活劇もありといかにも大森監督らしい作り方で、不思議感溢れる映画でした。 東宝映画の往年の俳優、佐原健二と水野久美のお元気な姿を見れて喜んでいます。
元々10年前に、宝塚ファミリーランドが閉館になって、その後で映画を撮る構想で脚本を書いたとのこと。関西の人間にとって、宝塚ファミリーランドの響きは懐かしい。 |

- >
- エンターテインメント
- >
- 映画
- >
- 映画レビュー








大阪芸術大学の教授におさまってしまい、もう監督業はリタイアかと思ったら、続けて2本も公開されて、『暗くなるまで待てない』からのファンにとってはうれしい限りです。
こんなすばらしい先生に教えてもらっている学生たちは幸せですね。
お礼のTBさせてもらいました。
2011/7/13(水) 午前 7:22
ぴくちゃあさん
あまり話題にもならずに、いつのまにか上映され終わってしまった感のある映画ですが、大森監督らしい映画だったのではと思います。今思えば思いきって握手しとけばよかったと後悔しています。もう二度と会えないかもしれませんから、一期一会ですからね。『暗くなるまで待てない』も観られていたのですね。嬉しい限りです。
2011/7/13(水) 午後 9:05