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素敵な歌と舟はゆく 2011年2月26日、シネセゾン渋谷「クロージング特別上映」にて。 1999年度作品 監督:オタール・イオセリアーニ 脚本:オタール・イオセリアーニ 出演:ニコ・タリエラシュヴィリ、リリー・ラヴィーナ、フィリップ・バス、ステファニー・アンク、ミラベル・カークランド、アミラン・アミラナシュヴィリ バイトを掛け持ち、浮浪者とつるんで歩くニコラ。毎日忙しく仕事をこなし、夜はパーティに明け暮れる母親。お気に入りのワインと犬を傍らに、鉄道模型と射撃でご満悦の父親。ナンパな青年、カフェの娘、てきぱき働く執事にメイド、商談相手の実業家とドジな秘書。富豪一家を取り巻くたくさんの登場人物たちの、様々な生活が交差するパリの街。今日も新しい1日が始まる…。 (TSUTAYA解説より) 26年間で幕を閉じるシネセゾン渋谷の「クロージング特別上映」での1本です。 テアトルシネマグループとして、2009年にオープンした「ヒューマントラストシネマ渋谷」に統合されるそうです。 男性、女性、若い人、年配の人の観客を見て、色んな客層に愛されていた映画館だったのでしょうね。 自分は、今回のクロージング特別上映で初めて訪れた映画館なので、実際にはそんなに思い入れはないのですが、映画ファンとして、1月の恵比寿ガーデンシネマから1カ月後にまた映画館が一つなくなるのは寂しい限りです。 そういう意味では「素敵な歌と舟はゆく」という個性的な映画が上映されるような貴重な映画館だったことが窺がえます。 面白いかと言われるとちょっと躊躇いますが、でも面白くないとも言えず、独特の雰囲気のある映画ですね。 登場人物は多いのですが、お互いにあまり深くは繋がってはいません。 何故か、伊丹十三監督の「タンポポ」という映画を思い出した。 それぞれの登場人物を動かしながら人から人へのエピソードでつなげていきます。 セリフが少なく、かすかにユーモアも感じられます。 主人公らしき若者は金持ちですが、豪邸を出てボートに乗って、皿洗いのアルバイトに出かけます。 その若者の母親は、大きな鳥を飼っていて、パーティで歌い、鳥とダンスをします。 変な光景です。 あくる日ヘリコプターに乗って出かけます。 旦那はパーティにも出してもらえず、プラレールで遊んでいても妻に怒られます。 息子の友だちのホームレスと意気投合して酒を酌み交わし歌を歌います。 でも、妻はホームレスを追い出します。 旦那は、束縛されている家を出て、ホームレスとボートで出かけます。 妻は失敗をする召使いの女性も首にします。 ラスト、首になった召使いの女性が友人とフリークライミングをして、山を見下ろす川を旦那とホームレスの2人を乗せた舟が下っていきます。 自由になった解放感です。 グルジア出身の監督は、旧ソ連の束縛からの解放を謳い上げているのかもしれません。 それぞれの登場人物は、あるきっかけで不幸になったり、幸せになったり。
その人にとって何が幸せなのか、分からないですよって言っているようで、この感じはとても面白くて好きです。 自由なように見えていた主人公が、犯罪を犯したため警察に捕まり、結局、昔の父親と同じように母親に従い籠の鳥状態になる皮肉も面白いです。 |

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イオセリアーニ作品、淡々としたものが多くて好みが非常に分かれやすいと思いますが、独自のユーモアがいたるところにちりばめられていて、個人的にはそこが好きなところでもあります。
ちょっとジャック・タチも入っているような…
ちょっとした皮肉な描写も社会風刺的な表現もありますが、それでも人生は素晴らしいといったことを謳歌しているような監督さんです。
2011/5/8(日) 午後 5:08
Mijahさん
人生を謳歌してというところまでは、自分には到達できなかったです。色んな人生をさらりと描いた、特に妻に閉じ込められ父親がホームレスと仲良くなり家出までしてしまい舟に乗っているラストが印象に残っています。
2011/5/9(月) 午後 9:09