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綴方教室 2011年3月8日、新文芸坐「追悼 高峰秀子」にて。 1938年度作品 監督:山本嘉次郎 原作:豊田正子 脚本:木村千依男 出演:高峰秀子、徳川夢声、清川虹子、滝沢修、三島雅夫、本間敦子、赤木蘭子、小高まさる 東京の下町に住む正子の綴り方が雑誌に掲載された。それは父が仕事を貰っている棟梁の家の話で、好意的ではなかったため棟梁の怒りをかい父は失業してしまう。苦しい生活の中でも正子は綴り方を続ける。当時無名の天才少女、豊田正子の作文集を原作に、貧しい庶民の日常生活をきめ細かく映し出し、イタリアン・ネオ・リアリズムの先取りを思わせる。(映画解説より) ブリキ職人の父親(徳川夢声)と母親(清川虹子)と弟2人を兄弟に持つ小学6年生の正子(高峰秀子)が書いた綴方をもとに家族の生活を描いた映画。 綴方とはどうも現代の作文のようなもののようです。(違うかな?) ブリキ職人の父親の収入は少なく、日々食べるのがやっとの生活。 そんな折り、正子が書いた綴方が雑誌に掲載されます。 近所の人が言ったある人の悪口をそのまま書いたから、ある人は怒り出します。 先生(滝沢修)はあるがままを綴方に書きなさいと言っていたから、その教えを守っただけなのです。 しかし、ある人とは父親の仕事をくれる人です。 また債権回収に行った先で、自転車を盗まれます。 自転車がないと仕事ができません。(自転車泥棒?) 仕事がないため、ブリキ職人を辞め、日雇いの仕事をするようになるが、それでも3日に一度の仕事しかありません。 悪い時には、悪いことが重なります 父親は知り合いに仕事を貰い喜び勇んで仕事に出かけますが、騙され結局お金はもらえずじまい。 正月も過ごせない。 酒を飲み、暴れまくる父親。 食べることに苦労する辛さや貧しさに疲れたため、母親は芸者に行けば食べることに苦労しないで済むよというようなニュアンスで、正子に言います。 正子は芸者になることが嫌で泣き出します。 何ともやりきれない雰囲気。 こういう風に書くとかなり暗く辛い映画のように見えますが、子供たちのやりとりが元気なせいかシビアなストーリーの中、どこかユーモラスなところもあり、救われます。 結局、父親の昔のブリキの仕事が見つかり、正子は卒業式の日、月50銭の女工になると先生に告げます。 綴方は続けると言います。 新文芸坐の解説に、「冬の朝っていい匂いがするね」と弟に言うセリフを足した山本監督に高峰秀子は感激したらしいです。 ただ単に貧しい者を描いたリアリズムではない、生活の中での子供の繊細で純粋な匂いを感じられる映画でした。 高峰秀子は14歳、不貞腐れたぶっきら棒のセリフ回し、悲しそうな表情、泣き出すしぐさ、どれをとっても憎いほどのうまさです。
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こんばんは。主演の高峰秀子を追うように豊田正子も亡くなりましたね。この映画はフィルムセンターで何度か観てます。生活綴り方は結局当局が好ましくないと取り締まりの対象になったらしいですね。滝沢修扮する大木先生はそういう生活綴り方に熱心な教師だったらしいですね。
2011/3/12(土) 午後 10:11 [ SL-Mania ]
SL-Maniaさん
豊田正子さんが88歳、高峰秀子さんが86歳、同年代ですね。そうなんですか、当局がなぜ好ましくないと判断したんでしょうね。戦前の教育だからでしょうかね。
2011/3/13(日) 午後 6:45
1940年に国民学校制になってから、弾圧されていきました。貧困の問題がついてまわり、社会の矛盾に目を向け、社会主義的傾向になるのを当局が警戒したからです。この映画はそうなる前のまだ自由があったころの作品ですね。
2011/3/13(日) 午後 6:55 [ SL-Mania ]
SL-Maniaさん
勘違いしていました、当局は日本ですね。なるほどよくわかりました。ありがとうございました。貧困の問題から社会主義的傾向になるということですか。プロレタリア文学が弾圧されたことにも関係ありそうですね。
2011/3/13(日) 午後 7:48
言葉足らずで申し訳ありませんでした。余計なことに意識が行くと戦争遂行に困ると思ったのでしょうね。でも「人間の壁」にもこの生活綴り方を皮肉る保守系の市会議員が登場したりしますね。
2011/3/13(日) 午後 8:35 [ SL-Mania ]
えええ、高峰秀子、14歳ですか? それでうまい?
昭和では、1,2の名女優でしたね。亡くなったのは惜しいです。
落語の「痴楽 綴り方教室」なら知っていますが♪(笑)。
2011/3/14(月) 午後 3:40
綴り方=作文 でいいと思いますが、リベラルな感覚があるのでしょうか、当時は。
2011/3/14(月) 午後 3:40 [ koukou ]
SL-Maniaさん
いえいえ、私の理解力が足りないもので。
「二十四の瞳」にも雑誌を綴り方に参考にしていたという似たような話がありました。
2011/3/15(火) 午後 9:05
fpdさん
名女優ですね。55歳で引退されましたが、女優50年、大女優ですね。TVで追悼番組とか追悼映画上映をもっとしてもいいと思います。若くして引退したせいか過去の人になっているのが残念です。「痴楽 綴り方教室」、懐かしい、関西人でも知っていますよ♪
2011/3/15(火) 午後 9:12
koukouさん
どうなんでしょうか、当時の状況はよくわかりません。自分の気持ちを素直にということを先生は強調していましたね。
2011/3/15(火) 午後 9:18
この映画の素晴らしさの全てが語られています。
>シビアなストーリーの中、どこかユーモラスなところもあり、救われます。…同感です。
14歳の高峰秀子。様々な感情表現、本当に素晴らしかった…
子役からよく、見事な大人の女優への道を確実に歩んで行かれたな…と思います。
2015/6/20(土) 午前 6:51
aflfmomさん
高峰秀子は早くに引退したので、どうも世間の評価が低いような気がして、子役から大人の女優に見事に変身しました。大女優ですね。
2015/6/21(日) 午前 8:55