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トスカーナの贋作
2011年3月26日、ユーロスペースにて。

2010年度作品
監督:アッバス・キアロスタミ
脚本: アッバス・キアロスタミ
撮影:ルカ・ビガッツィ
出演:ジュリエット・ビノシュ、ウィリアム・シメル、ジャン=クロード・カリエール、アガット・ナタンソン

イタリア、南トスカーナ地方の小さな村で講演を終えたばかりのイギリスの作家(ウィリアム・シメル)が、ギャラリーを経営しているフランス人女性(ジュリエット・ビノシュ)と出会う。芸術に関して議論を交わした彼らは、カフェの女主人に夫婦かと勘違いされたことをきっかけに、あたかも夫婦のコピーであるかのように振る舞い、あるときは仲良く、あるときは言い争いつつ、車で村を巡り始める。(シネマトゥディ解説より)

映画って、ほんと面白いですね。
こういう映画を観ると、映画の可能性みたいなものを、さらにまた感じます。

贋作があるからオリジナルの価値があるという本の講演会のためにトスカーナを訪れたイギリスの作家ジェームズ(ウィリアム・シメル)。
彼のファンであるギャラリーを経営する女(ジュリエット・ビノシュ)。
ジェームズ(ウィリアム・シメル)は、「9時までなら」と初対面の女(ジュリエット・ビノシュ)に言う。

男(ウィリアム・シメル)と女(ジュリエット・ビノシュ)が、喫茶店の婆さんに、夫婦と間違われて、そこから15年間連れ添った本物の夫婦のような会話になる。
最初は冗談で2人は会話遊びをしているのかと思っていたら、マジに夫婦喧嘩。
えっ、どこまでが本物でどこまでが偽物?
本当は、元々2人は夫婦だったのではとか、疑惑が湧く。

その現実と虚像の境目のスリリング、微妙な男と女の漂う空気感がなんとも面白い。

「トスカーナの贋作」という固いタイトルとは違い、どこかユーモラスな男と女のドラマ。
「喧嘩したら、奥さんの肩を抱いてやればそれだけでいい」と初老の男がアドバイスするのもおかしい。
男と女の価値観の違いも見えてくる。
15年前に結婚したホテルを訪れる。
このまま一緒に居てと涙ながらに哀願する女に、9時までに戻らなければと現実に戻る男。
見知らぬ男女が、夫婦になったかのように見えて、新しい恋愛関係になったかのようにも見える。

ふっと、アンゲロプロス監督の映画を思い出した。
現実と幻想が行き来するような物語。
まあ、アンゲロプロス作品よりも軽やかですが。

この前観た「ポンヌフの恋人」のジュリエット・ビノシュが出ていた。
あれから21年、鮮烈な彼女のイメージを壊すかのように、ユーモラスなちょっと太目のおばさんになってしまっていました。
それでも、映画を観ていくと、それはそれで次第に女の人生が見えてきて、ジュリエット・ビノシュはすごくよかったと思います。
この映画で、どこかの女優賞をもらったようです。
たぶんね、日本人好みの顔立ちなんですよ。

閉じる コメント(10)

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アッバス・キアロスタミ監督作品、好きです…
「パンと裏通り」「トラベラー」「友だちのうちはどこ?」「ホームワーク」を見ましたが、
子ども達の捉え方が素晴らしかったです。

この作品のタイトルは知っていました。
記事を読ませて頂き、興味が湧きました。

2011/3/29(火) 午後 10:53 alf's mom

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これ不思議な設定ですが、すごく良かったです。
ニセモノとは?本物とは?
そして男女の視点の違い
ジュリエット・ビノシュはさすがですね。
TBさせてくださいね。

2011/3/30(水) 午前 10:27 car*ou*he*ak

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alfmomさん
たくさん観られているんですね。私は監督の名前すら知りませんでした。「友だちのうちはどこ?」って有名な映画なんですよね、この監督の他の作品が観たくなりました。

2011/3/30(水) 午後 11:08 シーラカンス

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cartoucheさん
面白い着想ですね。お金がかかっていなくても映画は作れるんですね。男から見れば女性は異星人のようです。怖いようで仲良くしたいって。ジュリエット・ビノシュおばさん素敵ですね。

2011/3/30(水) 午後 11:13 シーラカンス

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私も、本とか嘘かわからなくなって、かなり「?????」でした〜

TBおねがいします

2011/5/11(水) 午後 11:36 る〜

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る〜さん
こういう些細な話でも現実なのか嘘なのかを映画のマジックにしてしまうところが好きですね。アクション映画よりも心のスリリングですね。

2011/5/13(金) 午前 0:07 シーラカンス

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こんにちは!
大阪の名画座みたいなとこで、今ごろ上映していました。
そう言えば、ジュリエット・ビノシュは、昔から痩せてはいませんでしたね。「存在の〜」のときの下着姿のインパクトが今でも印象に残っています。
確かに日本人好みの可愛い顔立ちですね。
TBさせていただきますね〜

2011/9/8(木) 午前 9:43 usako

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ウサコさん
「存在の〜」、観たいですね。ちょっとぽっちゃり(気を使っています)。アッバス・キアロスタミの若いイマジネーション、こういう発想をするジイさんになりたいものです。

2011/9/8(木) 午後 10:52 シーラカンス

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カラックスの映画では少女であったジュリエット・ビノシュは、大人になりましたね。
私はどこかヌーベルバーグの香りを感じました。
TBします。

2012/5/22(火) 午後 11:35 [ ひろちゃん2001 ]

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ひろちゃんさん
「ポンヌフの恋人」のジュリエット・ビノシュには圧倒されました。大人の女になってもどこかお茶目な感じが出ていてよかったです。ヌーベルバーグですか、自分には上質で余裕の大人のファンタジーに映りました。

2012/5/23(水) 午後 11:08 シーラカンス

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