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狩人の夜 2012年2月15日、DVDにて。 1955年度作品 監督:チャールズ・ロートン 脚本:ジェームズ・アギー 出演:ロバート・ミッチャム、シェリー・ウィンタース、リリアン・ギッシュ、イヴリン・ヴァーデン、ピーター・グレイヴス、ビリー・チャピン ある死刑囚から、銀行を襲って手に入れた1万ドルを子供たちに託した事を聴いたハリー(ロバート・ミッチャム)は、出所するや福音伝道師を装って未亡人と子供たちの住む町へ向かう。そして言葉巧みに未亡人に取り入り、結婚してしまう。彼の凶暴な正体を知り、母までも殺された幼い兄妹はふたりだけで逃亡を企てる。小舟に乗って川を下る兄妹はやがて身寄りのない子供たちの面倒を見ているクーパー夫人(リリアン・ギッシュ)の家にたどり着くが、そこにもハリーは迫っていた……。名優チャールズ・ロートンが生涯ただ一度監督をてがけたダークなムード漂う作品(allcinema解説より) 前から観たいと思っていた映画で、TSUTAYAの発掘作品で見つけた。ラッキー。 この映画は、すごい映画ですよ。 断然、お薦めです。 自分は神の伝道師だと信じ込むハリーが、銀行強盗した男が隠した1万ドルを捜すために男の妻と子供二人のいる家族の家を訪れる。 母親を殺し、子供を捕まえ、金のありかを白状させようと追いかける。 子供たちは川を下り、辿りついた場所は、親のない子供たちを育てるクーパー夫人の家。 そこにも、ハリーの魔の手が忍び寄る。 主人公のハリー・パウエルが、あまりに強烈です。 最初、何イタズラに、手にマジックで書いてるんやろと思っていた。 右手にLOVE(愛)、左手にHATE(憎悪)の刺青を入れている。 (両手が見えるように今回写真は2つにサービスしました(なんのこっちゃ)) もうこれだけで、こいつがどれだけ不気味かわかるでしょう。 自分こそが神の伝道師だと、うそぶく偏執狂。 映画でははっきりしなかったけど、1万ドルを捜すのも、単にお金ほしさではないような気がする。お金を盗んだことで罰を与えようとする自分の身勝手な考え。 ストリップ劇場の女が踊る姿に、HATE(憎悪)の右手が怒りで震えるシーンにも、その身勝手さが見受けられる。 「ノーカントリー」の殺人鬼シガーを思い出した。 自分に、逆らうヤツはすぐ殺し、逃げるヤツは執拗に追いかける。 まさに、同じような性格設定。 ハリーの悪魔的な人物造形とともに、この映画が素晴らしいのは、フィルムノワールのようなモノクロの怖さの中に、ふとアンバランスなファンタジックで幻想的な映像、穏やかな歌声が織り込まれていること。 このバランスの悪さが、不安定さ、安らぎ、危うさの混濁一体となって観る側を圧倒し、とても新鮮で心地いいのです。 予想外の映画的なイマジネーションに出会った時の喜びを、久しぶりに味わいました。 子供たちの母親の殺人シーンは敢えて見せない。 その後、湖に沈む女の髪が漂うシーンは、美しくさえある。 この何とも言えない表現の豊かさ。 ハリーから小舟で逃げ、川を下って子供たちが農家の納屋の2階に辿りつき、一夜を過ごす。 その向こうに、夕陽を浴びて馬に乗ったハリーの影が見える牧歌的な恐怖。 凄いシーンです。 名優チャールズ・ロートンの最初で最後の監督作。 当時は、評判悪くヒットもしなかったとかで、この1作で監督をやめちゃったとか。 1955年の映画だから、ちょっと時代を先取りしすぎた映画だったんでしょうね。 凄い才能だと思います。 1本で終ったことが、とても残念です。 ロバート・ミッチャムのいつもの眠い目が、この映画では気持ち悪さに見えるから面白い。
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hisa24さん
はじめまして♪ コメントありがとうございます。
調べるとチャールズ・ロートンはグリフィスを尊敬していて、それでリリアン・ギッシュに出演依頼したとか。「恐怖の岬」のリメイク版はみましたが。もっと高い評価をしていい映画です。
2012/2/19(日) 午後 10:08
bigflyさん
「呪われた映画」ですか。日本でも上映されたのは1990年とか。通常のミステリー映画の作り方ではない、独創的な映像には驚かされましたね。素晴らしい。湖の底で浮遊するウィンタースに自分もゾクゾクしました。未見の人にはぜひ観てほしい映画です。
2012/2/19(日) 午後 10:42
タイトルだけは知ってたんですが、ずっとスルーしていました。。なるほど、面白そうですね*
アンバランスなイマジネーションというのも気になる…!チェックしてみます
2012/2/21(火) 午前 1:18
Mijahさん
この映画は凄いですよ。映画のイリュージョンかもしれません。ツタヤに置いてあるので、是非とも、オススメです!
2012/2/21(火) 午後 10:03
はじめまして。
この映画、わたしもTSUTAYAの棚で気になりレンタルしてきました。今夜、じっくり観るつもりなので。
それからまた遊びにきますね。
新しいものばかりチョイスしちゃうけど、これからは古い名作映画もいろいろ堪能したいなぁ〜っと思ってまして。
でもなかなか観る時間がないんですけれど。
がんばって、これは観ます!
2012/3/10(土) 午後 3:36 [ わかめ ]
わかめさん
はじめまして♪ コメントありがとうございます。フィルムノワールの奇妙な映画で、面白いですよ。観て、よかったらまた感想を聞かせてください。古い映画も、どうしてどうしてなかなか侮れない映画が多いです。私もまだまだ未見の映画が多いので、少しづつでも観ていこうと思っています。
2012/3/11(日) 午後 10:36
右手にLOVE(愛)、左手にHATE(憎悪)これをのちに
『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989)と言う映画でスパイクリー流に
見せるんです。ミッチャムの行動は自分ではすべて正しき信仰にのっとった行いなんでしょう。夕陽を浴びて馬に乗ったハリーの影が見える牧歌的な恐怖。名シーンでしたね〜あの絵も♪
TB&ぽち
2012/4/13(金) 午後 2:18
ポニーさん
「ドゥ・ザ・ライト・シング」ですか、レンタルビデオで探してみます。情報ありがとうございます。自分の解釈が正しいという身勝手な考え、怖いですね。夕日のシーンは驚きました。センスのいい映画ですね。
2012/4/16(月) 午前 0:30
モノクロの映像が活きてましたよねぇ。
ロバート・ミッチャムも個性的でしたね。
TB、させてください〜。
2012/6/14(木) 午後 9:52
サムソンさん
主人公の悪とリリアン・ギッシュの善の対比を超えたダークな光と影の素晴らしい映画でした。こんな不気味なロバート・ミッチャムを見たのは初めてです。
2012/6/16(土) 午後 11:16
色んな本で取り上げられていたので、観たくて堪らない作品でした。TSUTAYAの発掘良品は嬉しいですね。
もう観られないと思っていた隠れた名作だけに喜びもひとしお。
本作のハリーのキャラが、本当に強烈でした。
2012/11/11(日) 午後 3:48
のびたさん
そうですね、私も噂で評判よかったので観たいと思っていた映画でした。隠れた名作です。その時代の良心とかもあるのかもしれませんが、評価が低かったのが不思議です。
2012/11/11(日) 午後 11:07
ロバート・ミッチャムの別の面が見れる好演ですね。
TBをお返しします。
2015/12/11(金) 午後 8:30 [ ひろちゃん2001 ]
> ひろちゃん2001さん
そうですね、どちらかというとホンワカ顔だから、よけいに怖いですね。
2015/12/12(土) 午後 3:15
馬に乗ったハリーが遠くを行く姿は幻想的で、それゆえの恐怖感がありましたね。素晴らしい場面でした。
TBさせてください。
2016/2/15(月) 午前 8:52 [ あきりん ]
> あきりんさん
幻想的でいて、主人公のサイコ的な性格がうすら怖い。凄い映画だと思います。
2016/2/16(火) 午前 0:11
こんばんわです。コチラにも失礼いたします。
ミッチャムの表情が恐ろしいまでにハマッてましたねー。「ノーカントリー」も凄まじかったですが、本作もそれに先駆ける狂気地味た追跡、恐ろしい作品の一つでした。
TBお返しです。
2017/6/19(月) 午後 11:10 [ すかあふえいす ]
> すかあふえいすさん
この時代にこんか映画が作られていたことに衝撃です。ノーカントリーも強烈でしたね。
2017/6/21(水) 午後 9:26
こんばんは。
最初に観た時は驚きました。独特の雰囲気のある映画でした。ゾクゾクするような
怖さがありましたね。TBさせてくださいね。
2018/5/8(火) 午後 9:58 [ hisa24 ]
> hisa24さん
この映画は凄いです。びっくりしました、十分現在でも通用する映画だと思いますね。
2018/5/9(水) 午後 9:29