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桐島、部活やめるってよ 2012年9月2日、TOHOシネマズなんばにて。 2012年度作品 監督:吉田大八 原作:朝井リョウ 脚本:喜安浩平、吉田大八 出演:神木隆之介、橋本愛、大後寿々花、東出昌大、前野朋哉、岩井秀人、清水くるみ、藤井武美、山本美月、松岡茉優、落合モトキ、浅香航大、太賀、鈴木伸之、高橋周平 早稲田大学在学中に小説家デビューし、第22回小説すばる新人賞を受賞した朝井リョウの同名小説を、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の吉田大八監督が映画化した青春群像劇。田舎町の県立高校で映画部に所属する前田涼也は、クラスの中では静かで目立たない、最下層に位置する存在。監督作品がコンクールで表彰されても、クラスメイトには相手にしてもらえなかった。そんなある日、バレー部のキャプテンを務める桐島が突然部活を辞めたことをきっかけに、各部やクラスの人間関係に徐々に歪みが広がりはじめ、それまで存在していた校内のヒエラルキーが崩壊していく。主人公・前田役に神木隆之介が扮するほか、前田があこがれるバトミントン部のカスミを「告白」の橋本愛、前田同様に目立たない存在の吹奏楽部員・亜矢を大後寿々花が演じる。(映画com解説より) 面白かったです。 金曜日のテロップだけが表示され、エピソードが映し出されます。 時間は表示されません。 何回も金曜日だけが表示され、また違うエピソードが流れます。 それぞれのエピソードは、経過の順序で進むのではなく、時間軸をわざとずらして、観る者に興味を持たせます。 タラちゃんやキューブリックの映画のように。 バレー部の桐島が、辞めるって。 そして彼はどこへ行ったのか。 ネタバレあります。 桐島は誰だと、ミステリーだけに興味がある人には面白くないかもしれません。 最後まで桐島は登場しません。 それよりも、桐島が部活を辞めることによって、引き起こされる混乱が、高校生がもっている他の人への劣等感からくる卑屈であったり、優越感であったり、怯えであったりと、色んなものがごちゃまぜになった青春そのものを表していて、面白かったのです。 この映画で、重要なキーポイントは映画部たちで、他の高校生からは蔑まされ、撮影を邪魔され、顧問から押し付けられた脚本で高校甲子園で一次予選突破だけで、学校から表彰される辱めを受け、ここ一番、自分たちが好きなゾンビ映画を作ろうとガンバるのです。 ラスト、スポーツ万能のカッコいいグループとは無縁の彼らが、屋上でゾンビを這わせていると、桐島が屋上にいるという噂で、バレー部やら、バトミントン部、桐島の友人たちが押し寄せて、怒った映画部が、彼らをゾンビに襲わせ、食いちぎるという快挙に出ます。 特に映画部の前田(神木隆之介)が好きだった女の子(橋本愛)が前田に気を持たせた割に別の男と付き合っていた怒りをゾンビに襲わせるくだりは背景が夕陽もあり美しかったです。 青春の爆発を、ゾンビ映画の高揚に切り替えて、可笑しくもあり悲しくもあり、優等生の宏樹(東出昌大)が優越感を挫折に感じる瞬間も素晴らしかったです。 音楽がまったくなく、有名な脇役の人も無く、その分、普段の高校生活が自然体で描かれていました。 家族の描写もなく、あくまでも、金曜日から一週間の学校の出来事を時間軸を複雑にして、緊張感ある映画的な映像で見せきった映画です。 お薦めですね。 小説も、テーマは一緒だと思うのですが、映画とは趣が違ってそれはそれで面白かったです。
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出てくる高校生たち、すべてをきっちりと描き分けている演出力には、拍手喝采です。
ナイス!、クリック
私もTBさせてもらいます。
2012/9/17(月) 午後 10:26
ぴくちゃあさん
時間軸を複雑にしたそれぞれの高校生を描きかたは新鮮でした。ゾンビに食わせるなんて、原作の上品さも払拭した素晴らしい映画でした。
2012/9/18(火) 午後 9:55
キャストは地味ですが、それゆえほんとの高校生らしくて、
リアルに見えましたね。ゾンビ映画撮影のシーンだけは、
多少派手な演出でしたが、あとは静かなものでした。
それでいて、個々の感情が微妙に揺れるところはうまく描かれてましたね♪。
2012/9/19(水) 午前 1:26
ふぁろうさん
大後寿々花の健気な切なさもいいし、橋本愛の弄びかたもいいです。すべてが若さからくる揺れ動く感情、いい映画でした。原作の上品さを映画ではゾンビを登場させる下品さを見せようとしているのが気に入ってます。
2012/9/19(水) 午後 11:31
これはとても良かったですね。
僕自身の映画部だった経験とも重なりまして、個人的にも懐かしい体験を思い起こさせてくれました。
繰り返される金曜日など、描き方も面白かったと思います。登場人物が集合するクライマックスもお見事。
僕も原作読みました。
2012/9/30(日) 午前 6:51
のびたさん
面白い映画でしたね♪ 私の暗い高校生活を思い出させてくれる鮮烈な映画でした。今年ベスト10に必ず入る映画だと思います。原作はちょっと上品すぎました。
2012/9/30(日) 午後 7:56
こんばんは!原作はもっとさわやかさがあるのですか!?
ちょっと気になりますが、あまりさらっと読めてしまうのも、
もしかしたらこの作品を観てしまった上では、インパクトにかけるかも!?
でしょうか(爆)
ミステリにはなりきらないのだろうな、とは思っていましたが、
予告にあった「圧巻のグランドフィナーレ」は言いすぎだろう!?と
思ってしまいました。
それ故に、少々辛口評です。私。
まーそれを抜けば、面白い展開でしたし、群像劇としてはかなり
質の高い作品だと思います。最後の幻想的なゾンビシーン、
結構好きなんですよね!!
2012/12/8(土) 午前 2:36
エルザさん
原作はもう少し上品ですね。確かに「圧巻のグランドフィナーレ」は大げさな気がしますが、ゾンビシーンは自分も好きです。綺麗事ではないことを見せるためのこのシーンがなかったらこの映画の良さは半減してたかもしれません。
2012/12/8(土) 午後 9:33
映画ファンにはとっても楽しめた作品だったと思います。
構成とかもおっしゃるようにとってもよくできてて・・・
そして演者も全然お金かけてなくて・・・
なのに若い子たちがしっかり演じてて監督のワザ満載の作品でしたね。
DVDになったらまた観たいです。何かまた発見がありそうで。
TBお願いいたします。
2013/1/6(日) 午後 1:55
ひかりさん
そうですね、凝った趣向が青春の影と重なり合って素晴らしい映画になっていましたね。あまり知らない若い俳優さんもとても自然で映画の雰囲気にピッタリでした。特に東出昌大さんがいいですね〜。
2013/1/7(月) 午後 10:20
私自身は、ゾンビ映画は好みでないので、絶対に観ないけれど、この作品の中では、監督の映画に対する愛情を感じ、屋上のシーンは思わず微笑んでいました。あの夕陽、本当に美しかったですね。
登場人物の思いを映像で見せ切った監督の業が凄いです!!!
映画ならではの作品でしたねぇ〜☆
TBお願いします。
2013/2/10(日) 午後 11:15
やっくるママさん
ほんと夕陽の美しさに、理屈で作っていない映画の醍醐味をみた気がします。映画らしい映画に納得です。
2013/2/11(月) 午後 11:09
小説は小説で、映画の固有名詞がポンポン出て面白かったですが、映画は、繰り返し同じシーンを別の視点から描くことで、いかにも映画的で面白いですね。
TBお返しします。
2013/2/28(木) 午後 11:58
Fpd さん
映画的な映画ならではの映像は、小説では表現できない独特の個性ですね。ベストテンに入るのも納得です。
2013/3/1(金) 午後 6:44
高校生の感情の描写がうまかったですね。
こういう作品が評価されるのは、なんか嬉しいものです。
TB、させてくださいね。
2013/8/28(水) 午後 3:20
サムソンさん
高校生の微妙な不安定さがうまく出ていました。大好きな映画が評価されるのは嬉しいことです。
2013/8/29(木) 午後 9:42
桐島が部活をやめる、ということから起こる周りの変化。面白い描き方ですよね。
同じ高校生の生活を描くんでも、こういう手法もあるんだな〜と驚きました。
映像での見せ方も上手かったですね!
遅くなってすみません。TBさせてくださいね。
2013/9/30(月) 午後 8:44
choroさん
桐島が噂だけで姿を現さないことの不安が、それぞれの登場人物の不安に重なっているうまさ、いいですね〜。青春の屈折感の描き方も時間軸をずらしたシーンの積み重ねも素晴らしかったですね。
2013/9/30(月) 午後 10:26
捉えどころのない不満とか、あせりとか、そんなものを抱えた若者が上手く描かれていました。振り返れば、自分もそうだったなあ、と(苦笑)。
TBさせてください。
2014/6/14(土) 午前 10:56 [ あきりん ]
あきりんさん
自分の若い頃も暗くて自己嫌悪に陥っていて映研のような存在でした。いい映画でした。
2014/6/15(日) 午前 9:53