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山本幸久 失恋延長戦 2014.6.18 女子高生の米村真弓子は、放送部で一緒になった同級生・大河原くんに片思いの日々を送っていた。告白したいけどできない、そんな真弓子を見守っているのは犬らしくない犬・柴犬のベンジャミン。真弓子の大切な話し相手だ。そしてもう一人、真弓子を放っておかない存在が、なぜか彼女をライバル視する同級生のゲロサキこと藤枝美咲。自分の思いを口にできない真弓子に対して、我が道を突き進む、ちょっと?KYな女子だ。 高一、高二、高三、そして卒業後…一途に恋心を抱きつづける真弓子。その思いにまったく気づかない大河原くん。寄り添うベンジャミン。騒ぎを持ち込むゲロサキ。やがて大河原くんには年下の彼女ができて……。 海と山に囲まれた地方の町に暮らす、まじめで奥手の女の子の、不器用で切ない日々をかろやかに描く、なんだかとっても素敵な青春ラブストーリー!!(amazon解説) 山本幸久の書く小説は、いつも可笑しくて、悲しくて、爽やかで、ほろ苦い。 いつも、同じ手法なんだけど、まんまと騙されるのです、それも気持ちよくね。 それに、ちょっと元気にしてくれます。 和風顔の柴犬なのに、洋風のネーミング、ベンジャミン。 ベンジャミンの木には、苦い思い出があり、若い頃、妻はベンジャミンを育てていました。 そんな時、妻が入院して、自分が水をやらなかったので、枯れてしまった痛い記憶を思い出しました。 まあ、そんなことはどうでもよく、高校生の放送部の主人公はベンジャミンがことばをしゃべると思っていて、同級生の男の子が好きなのに、言い出せないでいたことをいつも相談相手にしていた。 そんなことをしている間に、甘えるのがうまい女の子らしい後輩と男の子が付き合ってしまい、今度は後輩から色々相談をされるハメになります。 昔の高校生のような、主人公。 それに、クラスでノケモノ扱いされているフジサキという女の子は、主人公を何故か友だち扱いして、事あるごとに絡んでくる。 この小説の素晴らしいのは、嫌われているフジサキをちゃんと扱い、才能がなくても頑張る彼女に主人公が付き合い、しだいに本当の友人に仕立てあげることです。 高校、大学のエピソードから、さらに10年後まで繋げ、現在の頑張る女性の姿まで見せる。 その時の青春から、現在の「生」まで広げることで、それぞれの人生が垣間見えるのです。 時間が過ぎていった過去を懐かしむだけではなく、今を生きる人たちの「普通」の人たちへの応援歌です。 お試しあれ。 山本幸久さん、なかなか知名度が上がらないのですが、もっと読んでほしい作家さんの一人です。
どちらかというとTV向きだと思うのですけどね。 |
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