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この世界の片隅に 2016年12月13日、ユーロスペースにて。 2016年度作品 監督:片渕須直 原作:こうの史代 脚本:片渕須直 声の出演:のん、 細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世 第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞したこうの史代の同名コミックを、「マイマイ新子と千年の魔法」の片渕須直監督がアニメ映画化。第2次世界大戦下の広島・呉を舞台に、大切なものを失いながらも前向きに生きようとするヒロインと、彼女を取り巻く人々の日常を生き生きと描く。昭和19年、故郷の広島市江波から20キロ離れた呉に18歳で嫁いできた女性すずは、戦争によって様々なものが欠乏する中で、家族の毎日の食卓を作るために工夫を凝らしていた。しかし戦争が進むにつれ、日本海軍の拠点である呉は空襲の標的となり、すずの身近なものも次々と失われていく。それでもなお、前を向いて日々の暮らしを営み続けるすずだったが……。能年玲奈から改名したのんが主人公すず役でアニメ映画の声優初挑戦を果たした。(映画com解説) ネタバレあります。 前半は穏やかだった生活が綴られる。 少女時代から結婚して嫁いで小姑にいびられ、でも元来のおっとりした主人公はどこか心が自由で、絵を描くことが好きで、なんやかんや言いながらも働きもので、夫の家族に馴染んで行く。 しかし戦争で、生活は一変する。 それでも、貧しい生活の中でも、ユーモアを失わずひた向きに一生懸命働くのです。 娼婦との美味しい食べ物話、幼馴染みとの恋話、夫との強く深い愛情、すべてがひた向きで。 でも、不発弾が爆発して、主人公は右手で繋いでいた姉の娘を亡くしてしまう。 姉が主人公を責める、娘を亡くした感情が爆発する。 自分があの時こうしていれば姉の娘は死ななくてすんだと深く悔む日々。 しかし、本当は、主人公が悪いのではなく、戦争がもたらしたもの。 敢えて、そのことを誰も何も言わない。 死と隣合わせの世界だからでしょうか。 自分の右手も失くします。 この時の、右手を使った過去の思い出を十数年も遡ってセリフと台詞が流れます。 自分が失くしたものの悲しみをこういう形で表現する、凄いシーンだと思います。 今まで自分をあまり主張しなかった主人公が唯一叫ぶシーンがある。 8月15日の玉音放送、戦争に負けて、「最後まで戦うんじゃなかったのか、ここにはまだ5人もいる、左手も両足もある」 朝鮮の旗が掲げられる。 今まで苦しめられた朝鮮人の喜びの勝利の印。 「暴力で従えとったということかね」 ここから原作だけのセリフ。 「じゃけえ、暴力に屈するということかね」「これがこの国の正体かね」 戦争に正義はない。 勝った国が正義となる。 おにぎりをあげた一人の浮浪児の女の子。 主人公が失くしたその右手に寄り添ってくる女の子。 失くした右手=戦争<希望=浮浪児の女の子 そして、主人公夫婦は自分の家に連れて帰る。 原作のセリフ。 「留まっては飛び去る正義」「どこにでも宿る愛」 奇麗ごとにみえるけど、何も失わないドラマとは違い、戦争で失った右手の痛みに勝る包み込む愛情。 感動しました。 もう一度観たい。 のんが、ほんと素晴らしかった。 女優賞をあげたいです。 追記
主人公の妹の原爆症は、「夕凪の街 桜の国」に繋がるんでしょうね。 |

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> atts1964さん
戦時中であっても、ひたむきに頑張る日本人の姿に勇気をもらう映画だと思うのですが、主人公が唯一怒り号泣するシーンが戦争に負けた日、暴力に屈した日、暴力で抑えていたことを知った日、それでも浮浪児を育てる大きな愛に感動します。
2016/12/25(日) 午後 10:32
> WANTED222さん
戦前戦後の内容なのに結構若い人も観ているんですよね、不思議です。「君の名は。」はヒットしているのはよくわかるのですが、この映画のヒットは不思議でしかたありません。
2016/12/25(日) 午後 10:36
私の2016年度ベストワンです。
TBさせてもらいます。
ナイス!、クリック
2017/1/1(日) 午後 3:19
> ぴくちゃあさん
私らの年代には、どこか通じるものがあるように思いますが。
2017/1/1(日) 午後 9:21
玉音放送のシーンがもっとも主題をうたう場だけにもうすこし力点を置いて欲しかった気がします.惜しい部分と思いました.
たしかにこの後「夕凪の街 桜の国」に繫がっていくんですね.そう私も思いました.トラバさせて下さいね.
2017/1/2(月) 午前 8:19
> チャコティ副長さん
あけましておめでとうございます。
惜しいです、自主映画なのに何故重要なテーマを描かなかったのか気になります。原作と映画、作り手は違うのでどう解釈していいものか。
2017/1/2(月) 午後 9:25
私はイジワルな小姑がよかったです
玉音放送のとき「あ〜あ、やっと終わった」と言いながら陰で号泣にはジーンときましたね
ヒロインが出ていくという日に、(わが子が死んだ悲しみから立ち直れていないのに)内緒に縫っていた縫物を贈ったり
つらい、厳しい中にもやさしさの溢れる物語でしたね
トラバお願いします♪
2017/1/23(月) 午後 8:18
> ベベさん
なんやかんや言いながら、やさしいお姉さんです、ふと丹下左膳の映画を思い出しました。とにかく素晴らしい映画でした。
2017/1/25(水) 午後 8:40
トラバありがとうございました。
本当に良い映画でした。上映館が増えて、多くの人が観られるようになってきたのはいいですね。会う人会う人に「良い映画だから観るといいよ」と薦めています。
2017/1/29(日) 午後 3:20
> ぼやっとさん
自分も、この映画を薦めています。先日はお袋にもいい映画やから観てみてと薦めました。もう一度観たいな。
2017/1/30(月) 午後 10:14
こんにちは
丹下左膳ですか! さすがに目の付け所が違いますね(笑)
TBお願いします。
2017/2/1(水) 午後 7:04 [ リュー( ryu) ]
> リュー( ryu)さん
コメントありがとうございます♫
このパターンは幸せな気分にさせてくれますね。いい映画でした。まだ何かやれそうな気がします。
2017/2/2(木) 午後 10:45
淡々と日常を描いているからこその怖さ、緊迫感、当時を生きた人たちのやりきれない想い、いろんなものが凄く伝わってきました。
戦争をテーマにした作品はなかなか興行成績的に伸びないし、客層も若い人たちがいなかったりするけど、この作品はたくさんの人たちに鑑賞されて凄く嬉しいです。
TBお願いします。
2017/4/3(月) 午後 2:24
> かずさん
謙虚で我慢強い日本人の日常の生活ぶりを見ているとほんと戦争って悪としか思えないのですよ。特にたくさんの若い人に観てほしい映画です。
2017/4/5(水) 午後 11:44
すずは、晴れの結婚式も慎ましく、嫁いでからも嫁としての毎日の仕事をこなし…
戦時中の日々の暮らしぶりが手に取るように分かる…こんな時代を潜り抜けて、今の日本があるのだと。多くの犠牲の上に私たちは生きてるって説得力ありました。
私は記事に書きそびれましたが、のんさんの声優ぶりがほんとにピタッと嵌っていましたよね。高崎映画祭の授賞式で拝見し、その時か、らこの映画観なきゃ〜って思っておりました^^;
ホントに、沢山の若い人たちに観ておいてほしいって思います。
TB下さり有難うございました。お返しさせて下さいね<(_ _)>
2017/8/9(水) 午後 3:49
> ふぇいさん
日本人の健気さ、我慢強さ、頑張る力は尊いものがありますね。希望が見える穏やかなラストに余計に平和の大事さを痛く感じます。いい映画です、のんも素晴らしいかったですよね。
2017/8/10(木) 午後 1:00
この映画についての感想は皆様のコメントやシーラカンスさんのレスを読ませていただき,いろいろと参考になりました。「銃後の守り」という観点から戦争を描いた映画として,優れた作品だと思います。
TBお願いいたします。
2017/10/18(水) 午前 1:55 [ 飛行機雲 ]
主人公の声にノンちゃんを使ったこと、大正解でしたね。ほんわかとした雰囲気がなんとも言えませんでした。最後に見せる大粒の涙、感動的な場面でした。
2017/10/18(水) 午前 10:17
> 飛行機雲さん
すずは戦争の支援する立場でこれまで頑張ってきたのに日本が負けたことに怒りを覚えました。でも、戦後は浮浪児を育てる平和を感じて前を向けたんじゃないかなと思ったりします。
2017/10/18(水) 午後 8:54
> 瀧野川日録さん
のんはよかったですね、主人公ののんびりした感じにピッタリでした。右手を失くした後のモノローグも彼女なしでは言い表せなかったと思いますね。
2017/10/18(水) 午後 8:59