最近気になること

ほとんど映画、ちょいと小説、きまぐれに音楽、の感想など気になることを記事にします!

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伊坂幸太郎。

今回もまた不思議な雰囲気の短編集。
「精度」とはまたむずかしいタイトルを使うもんだ。
辞書には「精密さ・精確さの度合い」と書いてあった。

人間の死は死神の調査によって決まるので、死神の精度ということになるのだろう。
でははたして死神の調査の精度は、どうだったんだろうか。

ミュージックが好きで、人間や人間の死には興味はなく
調査期間(7日間)中はCDショップで試聴することができるので、
あえて監査部に「可=死」「否=死なない」を報告することを引き延ばしている。
これだけ書けば死神の精度は低いと言える。
いいかげんなのだ。

判定する女性がもし歌手になって試聴機で聞けたら愉快かもしれないという個人的な気持ちで
「否」にしてしまう。
なんてやつだ。

今回も主人公はクールだ。
人間じゃないので当たり前といえば当たり前なのだが。
雨が降り、雪が積もろうとそれでもどこか飄々とした乾いた空気が漂う。

でも、今作はさらにどことなくユーモア感も漂う。
やくざが殴りこみに出かけても死なないことを死神だけは知っていて、
回りの人間があたふたするおかしさ。
試飲して間違って毒で死んでしまうことを申し訳なく思う死神のおかしさ。

人間に興味がないと言いつつ、
木枯らし紋次郎が「あっしには関わりござんせん」と言いながら何故か関わってしまうように、
死神も調査する人間に素敵に関わってしまう。
そのちぐはぐさに愛嬌がある。

一番好きな作品は6話「死神対老女」
老女は死神が人間でないことを見抜いている。
やはり、婆さんたちはすごい。
「時をかける少女」「蒲生邸事件」に通じるファンタジックなストーリー。
私は好きだ。
胸がキュンとなる。
死神はタイムトラベラーだった。


では、気にいったセリフを紹介。

「誤りと嘘に大した違いはない。微妙な嘘というのは、ほとんど誤りに近い」
   4話「恋愛で死神」より
   映画の台詞を引用
   映画とはジャン・リュック・ゴダール「女と男のいる舗道」。
   DVDで観てみたいけど、ゴダールは難解な映画が多いからちょっと考えてしまう。

「外見だって本質でしょ」
   4話「恋愛で死神」より
   言えてるかも。

「人が生きているうちの大半は人生じゃなくて、ただの時間だ」
   5話「旅路を死神」
   奥が深い。

「人間はね、年取ったって、大して成長しないんだって」
   6話「死神対老女」
   そのとおりだ。

「人間というのは、眩しい時と笑う時に、似た表情になるんだな」
「言われてみれば意味合いも似てるかも」
   最後のシーン。
   いい終わり方だ。

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