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東京のフィルムセンターで観た。 1961年制作のフランス映画。 またしてもマニアックな古い映画の話です。 ロベール・アンリコといえば『冒険者たち』。 TVで何度も観た青春映画。 そのロベール・アンリコが初めて監督したわずか28分の短篇劇映画。 古い映画ですからネタバレもいいでしょう。 いきなり、橋の上で処刑が行われる。 何かしら橋の通行を妨害しようとしたのか、全く理由がわからない。 オリジナルは3部作のようだから、前2作で諸事情が明らかになっているんだろう。 処刑が実行されるが、幸運にも川に落ち、泳いで川を下り逃げのびる。 主人公はもう大喜び、「俺は生きている」と叫ぶ。 ふくろうの声も聞こえる、美しい花も咲いてる。 幸せいっぱいでさらに前へ進む。 そうしていると、主人公が見慣れた門があり、中に入ると、にこやかな妻が迎えてくれる。 妻と抱きあう直前に、喜びの表情の主人公は、急に膝から崩れ落ちる。 え、どうしたんだろう。 その瞬間、橋の上で処刑が実行され、彼は首をつられ息絶える。 今までの生き延びた描写は、死ぬ瞬間の彼の幻想だったのだ。 なんとも衝撃的で残酷な結末。 「生きている実感」から突然の「死」へオセロのように一瞬にして白から黒へと変わってしまったこの映画は、泣く時間も与えられず、よけいに悲しく、つらい。 ほぼ50年前にこういう発想を考えるロベール・アンリコは、尊敬するなあ〜。 改めて映画における表現の無限の可能性を感じた。 それにしても、また『冒険者たち』が観たくなったよ。 <内容紹介>
南北戦争のさなか、アラバマの鉄橋で一人の農夫が絞首刑にされようとしていた。橋の欄干にロープを巻き付け河に身を落とせば、即絞首台になる。刑は執行されるが、命からがら逃げ出した男は、消えようとしている意識の中で、追ってを逃れ一軒の家にたどり着くが…。オリジナルは3部作で構成され、その中の表題作は、ラストが物議を醸した衝撃作!1963年アカデミー賞短編実写賞、1962年カンヌ国際映画祭パルム・ドール(短編)を受賞。表題作は米TVシリーズ「ミステリーゾーン」の一話としても放映された。 |

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