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女の歴史
2009年8月6日、神保町シアター「没後40年成瀬巳喜男の世界」にて。

1963年度作品。
監督:成瀬巳喜男
脚本:笠原良三
出演:高峰秀子、賀原夏子、宝田明、星由里子、山崎努、仲代達矢、淡路恵子、草笛光子、藤原釜足、
菅井きん、中北千枝子、加東大介 、佐田豊、織田政雄、多々良純

日中戦争の時代に嫁ぎ、義父の倒産や夫の戦死、一人息子の事故死など、波乱の半生を綴った女(高峰)の一代記。横溢するエピソードの群れをさばき、太い一本の流れを形作った成瀬の手腕が光る。脚本の笠原良三は、モーパッサン原作の映画『女の一生』にヒントを得たという。

一代記ものには滅法弱いです。

いい映画でした。

その人の人生、波乱万丈であってもなかっても、その時々の行動や気持ちに感情移入してしまう。
この映画でも、現在と過去の回想を交えながら、夫の戦死、夫の浮気発覚による裏切り、息子の事故死、孫の誕生と一人の女の歴史を綴っていく。
喜びもあり、悲しみあり、絶望もあり、それでも前向きに生きていく。
女の人はたくましい。気持ちが強い。
生きることに関しては男など足元にも及ばない。

高峰秀子は実直で生真面目でストレートな女性。
その義理の母である賀原夏子は、おおらかでのんびりした女性。
高峰秀子の厳しい言葉に、賀原夏子のとぼけたセリフがなんともおかしい。

高峰秀子の息子が交通事故で亡くなって、息子の恋人の星由里子が子供を宿していることがわかるが、高峰秀子が星由里子を罵倒する。
その横で賀原夏子が「子供ができているなら、おしいんじゃないかい」とぼそっと言う。
ラストは、高峰秀子、賀原夏子、星由里子、そして孫の4人が生活している。
なんともたくましいですね〜。

東野圭吾「幻夜」★

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解説によると・・・
幻の夜を行く男と女。息もつかせぬ傑作長編!
阪神淡路大震災の直後に、出会った男と女。男が犯した殺人を知る女は、彼を徹底的に利用し、野心を実現していく。だが彼女にも恐るべき秘密が――。名作『白夜行』の興奮が再び!

ネタバレあります。

4年前に「白夜行」を読んで、あまりに冷酷な女に圧倒された。
今回は続編ではないが、過去を葬り、未来に生きていくために邪魔者は消していく冷酷なモチーフは似ている。

暗く残酷な話です。
でも、この残酷な展開に思わず引き込まれていく。
女の冷酷無情な考え、行動に圧倒される。
何がそこまで、彼女を駆りたてるのか。どうしても消し去りたい過去がありそうだが、結局不明のまま終わった。
それはそれで、いいのかもしれない。
不可解な部分を残した方が、この小説には似合っている。

運命共同体であった男も女に騙されていたことがわかるが、探りを入れていた刑事と自爆する。
「俺と女の世界を邪魔をするな」と。
ラスト、すべてが解決した船の上で夜の海を見ながら「こんな素晴らしい夜は初めて。幻みたい」と言う。

女の過去が明確でないため、「白夜行」の感動まではいかないが、それでもこの凄まじさ、男と女の生きざまには圧倒される。
すばらしい作品です。

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