最近気になること

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2009年8月10日、神保町シアター「没後40年成瀬巳喜男の世界」にて。

1966年度作品。
脚本:松山善三
出演:高峰秀子、司葉子、小沢栄太郎、黒沢年男、賀原夏子、中北千枝子、加東大介 、佐田豊、
小川安三、浦辺粂子、柳谷寛

この映画が「没後40年成瀬巳喜男の世界」特集で自分が観たラスト映画。
この特集では23本目の映画を観ることができました。
成瀬監督に興味を持って、ちょうどタイミングよく特集を組んでくれた映画館に感謝です。

実は、もう一本、8月9日に2回目の「流れる」を観ようと神保町シアターに1時間半前に行ったのに、99席の座席はすべて売り切れ。ショックでした。
成瀬監督?、高峰秀子?、山田五十鈴?、どの人がお目当てなのか、神保町シアターは日増しにすごいことになっています。
ちょうど神保町という古書の街が年配の人が立ち寄りやすい雰囲気なのかもしれない。
映画館の座席も段差になっていて、前の人の頭が邪魔になったことがない。
非常に見やすいのも人気の一つかも。
この神保町シアターにくると、日本映画ファンがこんなにいたんだとあまりの多さに驚きを覚える。
活気に溢れています。
自分も日本映画が好きなので、まるで自分のことのようにうれしくなってしまう。
もうちょっと料金を安くしてくれたら、さらにもっとうれしいんだけどね。

さてさて前置きはこれぐらいにして。
この映画が、成瀬監督特集のラスト鑑賞映画とは、ちと寂しいかな。

解説によると・・・
交通事故で子供を殺された女の復讐劇。主演の高峰秀子の夫である、松山善三のオリジナル脚本を成瀬巳喜男が演出。交通戦争という社会問題を告発した物語展開には、松山の道徳観が色濃く反映している。良心の呵責にさいなまれ自滅する加害者役の司葉子が好演。

・・・らしい。
松山善三の貧富の差は「乱れる」でも、強=スーパーマーケットVS弱=商店街の形で表れている。
この映画でも、貧しい高峰秀子と黒沢年男VS金持ち司葉子と小沢栄太郎の対比がはっきりしている。
さらに、復讐の行動が、サスペンス風のようでもあるが、稚拙な行動のため、あまり面白くなく、どこか中途半端な印象がする。
それでも息子を殺された母親(高峰秀子)の狂おしいほどの熱演でこの映画は持っているように思う。
司葉子親子が自殺したため、二人を殺そうとしていた高峰秀子が、逆に殺人者に疑われる。
気が狂った高峰秀子。
ラストは交通事故者の表示。
なんとも味気ない終わり方。

貧富の差、交通事故といった松山善三のテーマ性と子供を殺された母親の復讐劇は、自殺、狂うという刺激的な形で終止符をうった。
・・・だけでそれ以上のものが湧いてこない。

成瀬監督はテーマ性と人の性を取り込んだ新しい映画を模索していたのだろうか。

佐田豊は黒澤監督の映画「天国と地獄」では運転手だったが、この映画でも運転手。
運転手がよく似合う俳優さんです。

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