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のんちゃんのり弁 2010年3月3日、新文芸坐「気になる日本映画達(アイツラ)2009年下半期のベストセレクション」にて。 2009年度作品。 原作:入江喜和 監督:緒方明 脚本:鈴木卓爾、緒方明 出演:小西真奈美、岡田義徳、村上淳、岸部一徳、佐々木りお 、倍賞美津子、山口紗弥加、
上田耕一、絵沢萠子、北見敏之、徳井優
子持ちシングルマザーの奮闘を描いた入江喜和のコミックを、「いつか読書する日」の緒形明が映画化。主演は小西真奈美。31歳専業主婦の小巻はだらしない亭主に愛想をつかし、娘ののんちゃんを連れて母親の暮らす京島へと出戻る。のんちゃんを幼稚園に通わせて仕事を探すが、キャリアも社会常識もない小巻は次々と面接に落ち、生活のため水商売のバイトを始めるが……。(eiga.com解説より)最近、流行りの「食べ物」で人が癒される映画の1本かなと思っていた。 確かに、小巻(小西真奈美)が作る、のりを敷き詰め、その間に鮭をほぐしたご飯やひじきのご飯を何階層にも積み重ねたお弁当(のんちゃんのためののり弁)は、とってもおいしそうです。 働かない自称小説家の旦那(岡田義徳)のいい加減さにあきれ、離婚届けをたたきつけ、娘ののんちゃんを連れ、実母(倍賞美津子)の家に住みこむ。 すぐさま自分が思うような好条件の仕事先の会社の面接に行くが、まったく相手にされない。 しかたなく、飲み屋のアルバイトに行くが、酔っ払いの相手もできず、客と大喧嘩。 甘かった。貯金もどんどん減っていく。 今まで「な〜んにも考えずに生きてきた31歳子持ち女子。人生をかけた再出発−きっかけは、お弁当!?」(映画の宣伝コピー) 得意なのは、のんちゃんが幼稚園に持っていくのり弁を作ることだけ。 あるきっかけで、小料理屋のおやじ(岸部一徳)が作るサバ味噌の美味しさに感動して、弁当屋になることを決意する。 『弟子にしてほしい』と、『自分は何も考えずにこれまで生きてきた。ようやく「居場所」ではなく「生き場所」を見つけた』と。 ここから、ちょっと様子が変わってきた。 「食べ物」で人が癒される映画ではなく、人が生きる目的のための「食べ物」を描くことに。 この小料理屋のおやじ(岸部一徳)がドキっとするようないいセリフを吐く。 幼なじみに求婚されて結婚もして弁当屋も始めようという時、「責任を持つとは何かを捨てること、すべて持っていたらみんな腐ってしまう」 「子供の手だ。大人の手になったら、小料理屋の店先で弁当屋の出店として貸してあげよう」 ラスト、薄暗い朝、31歳の女が、ようやく一人で大人の手を動かして、弁当を作り始める。 31歳の女とは言え、子供から大人への成長ドラマ。 旦那(岡田義徳)はまだ親のすねをかじっていて、さらに、小巻(小西真奈美)との離婚にも応じず、付きまとっている。 大人になりきれていない男。「お前には弁当屋は無理だ」とうそぶくしかない男。 その対極にあるのが、大人然とした小料理屋のおやじ(岸部一徳)。 お涙頂戴のストーリーではないところが気に入っている。 ユーモラスもあり、どこか前向きで、ちょっと応援したくなるような映画です。 いい映画でした。 小西真奈美はいつも冷静なイメージしかなかったが、
こんなに感情を露わにして、生き生きとして輝いている姿を見たことがない。 彼女にとっても、映画の中と同じように俳優としてさらに成長するための重要な映画になったと思う。 色んな映画祭で女優賞を取れてよかったですね。 ねちっこい旦那の役の岡田義徳もいい。 小料理屋のおやじの岸部一徳も、ごく自然体で、素晴らしい。 倍賞美津子も上田耕一も絵沢萠子も北見敏之もいいですね。 |

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