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ジョゼと虎と魚たち 2013年6月10日、目黒シネマにて。 2003年度作品 監督:犬童一心 原作:田辺聖子 脚本:渡辺あや 音楽:くるり 出演:妻夫木聡、池脇千鶴、新屋英子、上野樹里、新井浩文、板尾創路、藤沢大悟、江口のりこ、SABU、大倉孝二、真理アンヌ、陰山泰、荒川良々、森下能幸、中村靖日、佐藤佐吉、山本浩之 芥川賞作家・田辺聖子の同名短編小説を、「金髪の草原」の犬童一心監督が妻夫木聡と池脇千鶴主演で映画化したピュアで切ないラブ・ストーリー。ふとしたキッカケで恋に落ちたごく普通の大学生と不思議な雰囲気を持つ脚の不自由な少女、そんな2人の恋の行方を大阪を舞台にキメ細やかな心理描写と美しい映像で綴る。これが脚本家デビューとなる渡辺あやは、岩井俊二監督のウェブサイトのシナリオ応募コーナーへの応募がきっかけでプロデューサー久保田修の目に止まり抜擢された。 大学生の恒夫はアルバイト先の麻雀屋である噂を耳にする。それは、近所に出没するひとりの老婆のこと。彼女はいつも乳母車を押しているが、その中身を知る者は誰もいないというのだ。そんなある朝、恒夫は店のマスターに頼まれて犬の散歩に出掛けると、坂道を走ってくる例の乳母車と遭遇する。そして、彼が乳母車の中を覗くと、そこには包丁を持った少女がいた。脚が不自由でまったく歩けない彼女は、老婆に乳母車を押してもらい好きな散歩をしていたのだ。これがきっかけで彼女と交流を始めた恒夫は、彼女の不思議な魅力に次第に惹かれていくのだが…。<allcinema> 8年前に東京に来てから、初めて観た。 その後、何回もレンタルしました。 今回映画館で観る機会があったので、これは観ないといけないと。 法事で田舎に彼女を連れて行こうと考えていた主人公は、途中で「仕事で帰れない」と弟にウソの電話をした。 「ひるんだんじゃない?」と弟に言われた。 そう、主人公は逃げたのだ。 ジョゼは好きだったけど、気持ちの激しいジョゼにどこかで気持ちが揺れ動いたはずだ。 情けなさや優柔不断の主人公を非難することは簡単なんでしょうが、どうしようもないことはあるわけで。 その辺りの微妙なニュアンスがとても自分に響くのかもしれません。 たぶん彼は誰にでも優しくて、素直な性格なんでしょうね。 まあそれだけですべて結論めいたものですまされるものではないとは思いますが。 もうジョゼと二度と会えないと思うと感極って号泣する姿は、情けなくもあり、素直な彼の性格が表わされていると思います。 深海から浮かびあがったことをジョゼは喜んでいた。 お婆さんから「壊れ物」と呼ばれ、壊れ物は壊れ物らしく生きていくんや、何さまやと思てるねんと言われたこともあった。 ラスト、また昔と変わらぬいつものように卵を焼き、魚を焼き、一人で生活するジョゼの淡々とした姿。 諦めとも潔さとも思える静かなジョゼを見ると、号泣する男の弱さが余計に際立って目立つのです。 それにしても、この映画は寂しい。 ハッピィエンドでないことが、よけいに辛い。 まあ現実は、こういうものかなと思うんですが。 TVドラマのように、そんなにうまくいくわけがない。 そんな等身大の二人の心情が堪らなく胸を打つ。 この何とももやもやとした気持ちは、ずっと、自分の中で引きずっているような気がします。 脚本家渡辺あやさんのデビュー作のようです。 怖いセリフがいっぱいです。 主人公と昔付き合っていた女性(上野樹里)が、ジョゼに「あなたのような障害者に負けるとは思わんかったわ。あなたの特技がほしいわ」。 ジョゼは「そんなら、あんたも足切ったらええねん」と一言。 女性は怖いです。 情念の生き物のようです。 |

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