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日本のいちばん長い日 2018年9月17日、シネ・ヌーヴォにて。 1967年度作品 監督:岡本喜八 脚本:橋本忍 出演:三船敏郎、山村聡、笠智衆、黒沢年男、中丸忠雄、高橋悦史、佐藤允、石山健二郎、島田正吾、藤田進、久保明、天本英世、伊藤雄之助、小林桂樹 昭和20年8月6日と9日に原爆投下、8日にはソ連参戦と、追い詰められた日本はついにポツダム宣言の受諾を決定した。しかし、あくまでも徹底抗戦を叫ぶ一部の軍人たちは、8月15日正午に流される玉音放送を阻止すべくクーデターを計画。かくして終戦までの24時間、日本のいちばん長い日の幕が開ける!大宅壮一のノンフィクションを原作に、戦中派のシネマアルチザン岡本喜八監督が腹をくくった骨太の演出で迫る東宝戦記大作「8・15シリーズ」の第1作。あえて民間人を登場させず、お偉方たちの右往左往を描くことで、戦争の愚かさ滑稽さを濃密に醸し出される驚異。三船敏郎をはじめとするオールスター・キャストの熱演、誇り高きスタッフワークに支えられながら繰り広げられる2時間半余の上映時間、そしてラストでは岡本監督が真に訴えたかったテーマが荘厳に奏でられていく。もはや戦争映画の枠など優に越し、日本映画の底力をとことん見せつける傑作中の傑作である。(増當竜也) 2回目の鑑賞。 1回目は、終戦の玉音放送を阻止しようとする若い軍人たちの国を思う人々の強烈な熱情と、首が飛ぶ殺戮、時間刻みの短いカットの積み重ねによりリアルな描写、スリリングな緊張感に圧倒された記憶があります。 そして、2回目の鑑賞。 陸軍大臣は、給油戦に負けただけで、島々の戦いは局地戦にすぎない。 だから、本土決戦をすべきと進言する。 日本が負けたということを言うことは、死んでいった兵隊に申し訳ない。 何とも自分の気持ちだけで発した身勝手な発言、どれだけ人が死んでいると思っているのか。 300万人。 クーデターを起こそうと若い将校は、画策する。 玉音放送の録音盤さえ手中に入れれば、終戦はない。 そして、天皇陛下を錦の旗に、本土決戦をするんだ。 江戸時代どこかで聞いた話。 「この世界の片隅に」のすずさんも、まだ片手両足がある、最後まで戦うつもりじゃなかったのかと。 たぶん、偉いさんも、将校たちも現地で本当の戦争は経験していないんじゃないか。 だから、理想論だけの妄想に酔いしれているだけ。 そして、解説を読んで、あっ、そうなんだと思った。 偉いさんたちの行動は、逆説的な描き方で、本土決戦という到底信じられないバカバカしさを描いていたんだ。 戦争が終わるのを分かっていながら、特攻隊を出発させる飛行団長。 人の命をどう思っているのか。 自分の思いだけで、人を殺したことになる。 だから、この解説に納得しました。 それにしても、俳優陣は、ちょっとしたシーンに、それはそれは凄いメンバーが出ています。 もうこれだけの俳優を集める映画は作れないと思います。 特に、鈴木貫太郎総理大臣を演じた笠智衆は凄いなと思います。 飄々としていながら、言うべきところは言う、早期終戦に尽力した描き方でした(本当のところはわかりませんが)。 録音盤を守った侍従が、「江分利満氏の優雅な生活」で戦中派主人公だった小林桂樹というのも偶然ではないでしょう。 岡本喜八監督が、この映画を悔いて、民間人が登場し、どう思いながら死んでいったかを描いた「肉弾」を作った思いも、映画を観て、十分すぎるほど伝わりました。 「日本のいちばん長い日」だけを観た人は、是非、もう一つの終戦「肉弾」も観てほしいです。
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