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当りや大将
2018年10月26日、シネ・ヌーヴォにて。

1962年度作品
監督:中平康
脚本:新藤兼人
出演:長門裕之、轟夕起子、頭師佳孝、中原早苗、浜村純、山茶花究

舞台は大阪・釜ヶ崎。車に当たっても傷ひとつ負わぬ名人芸で、体をはった商売をしている街の名物男“大将”と、彼をとりまく人々の物語。長門、轟、中原快演!!バイタリティ溢れる住人たちをパワフルに演じのけた俳優陣が実に素晴らしい。(ラピュタ阿佐ヶ谷より)

車にわざと当たって慰謝料を巻き上げる、当りや商売。
幼い頃に、そんな話を聞いたことがある。

いくら当たってもケガさえしない神技の持ち主「大将」(長門裕之)。
片手間に子供にガラスを割らさせて、その後ガラス屋で〜すと調子のいい商売をしている。騙し取った金は、公園で博打にあっという間に消えて、不貞腐れて寝る。
そんな毎日、そんなヤクザな男のお話。

ホルモン屋のおばはん(轟夕起子)が、騙されて妊娠させられて産んだ息子を大学にやるために、騙された男への復讐のために、コツコツと小銭を稼いで貯めたお金。

何の呵責もなく、おばはんにうまいことを言って、18万円の金を騙して、女(中原早苗)と豪遊した。
あぶく銭ならまだしも、これはやったらあかんやろ。
警察の刑事(浜村純)は、この町のヤツはいいヤツなんだけど、どこかみんな道徳心が欠けていると。
まさに、大将にピッタリ。

おばはんは、ショックのあまり、酒をあおり車に引かれてしまった。
この辺りで、ようやく大昔TVで観たことを思い出した。
内容が子供心に刺激的だったんだろうと思う。
今観ても、心に残る。

大将は、それから改心して、公園にブランコを作る。
壊されても、またブランコを作る。
壊されない鉄のブランコを作るお金を作るために、「当り屋」をするが、失敗して亡くなる。

何ともやるせないお話。
それまで1回も失敗したことのない男が、真面目になった男が当り屋をした瞬間に最後に死んでしまう。
許さなかったんだな。

テンポの良さは中平康でも、この映画は、脚本家新藤兼人の世界が色濃く出た映画。

そして、黒澤明監督へのオマージュなのか、「生きる」の変則バージョンでしょうね。

おばはんが何度も一小節だけ歌う「雪の降る街を」が印象的。

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