|
サボタージュ
2018年8月15日、CSにて。
1936年度作品
監督:アルフレッド・ヒッチコック
脚本:チャールズ・ベネット、イアン・ヘイ
出演:シルヴィア・シドニー、オスカー・ホモルカ、ジョン・ローダー
J・コンラッドの『密偵』(奇しくもヒッチの前作「間諜最後の日」の原題と同じ題の小説)の映画化。善良な映画館主を装って破壊活動をする男と、彼の家庭に八百屋の御用聞きを装って近付く若い刑事の対立。危機を察して男は、義弟に時限爆弾の入った包みを、もちろん、それとは知らせず託して運ばせようとする。が、遊びたい盛りの幼い義弟は道草を喰って遅れ、バスに乗っている最中、爆弾は少年もろとも吹き飛んだ。これが夫の仕業だと知った若い妻は夕食の時、思い余って彼をナイフで刺殺してしまう。しかし、夫の映画館が内部抗争で仲間に爆破され、犯行はもみ消され、若妻に心を寄せていた青年刑事は優しく彼女を慰めた。ヒッチは刑事役のローダーをミス・キャストとしており、少年を殺したことも失敗と認めている。しかし、複雑な内面を持った人間として描かれる主人公、バーロック氏に扮するホモルカは好演で、彼が自らの罪を悔い、それを期待していたかのように、あっけなくシドニー扮する妻の凶刃に倒れるクライマックスは感動的だ。96年に「シークレット・エージェント」としてリメイクされる。<allcinema>
ヒッチコックの映画は、全作観たいなと思っていて、細々と観続けています。
「サボタージュ」とは破壊行為の意味らしい。
ヒッチコックならもっと面白くしてくれるんじゃないかと期待と残念が入り混じった感じですかね〜。
でも、ヒッチファンなので、楽しく観ることができました。
ロンドンの送電設備に砂が入れられ、停電がおきるところから始まります。
映画館館主の男が、帰って来て手を洗うと洗面所に砂が残ります。
こういう見せ方がうまい。
犯人を推理する話ではなく、次にテロが起きるのか、防げるのかということが重要であることを知っているから、すべて観客に見せる。
テロ、映画館が舞台、隣の八百屋の店員、時限爆弾、鳥、少年。
ヒッチさんならではの小道具や設定は面白い。
特に、少年が時限爆弾だと知らずに姉の夫である犯人に映画フィルム(タイトルが銃殺魔)と一緒に運搬させられるエピソードに緊張が走る。
ロンドン市長の就任パレードを妨害するため。
1時45分までに届けるんだ。
子供だから、大道芸人の手品に道草をしたり、店をのぞいたり、寄り道をしてなかなか進まない。時々時計が写るので、観客はもう時間がないぞとハラハラドキドキ。
遅れそうになり、映画フィルムが発火する恐れがあるからバスには乗るなと言われていたのに、ついバスに乗る。
そこで、1時45分タイムリミット。
バスは大爆発。
まさか、少年は死なないだろうと思っていたのに、予想外のできごと。
映画が面白ければと考えるヒッチさんの残酷さが垣間見える。
上映後批判を受けて、後悔したらしいが、本音はどう思っていたかどうか。
いくら警察に見張られていたとはいえ、本当は自分が運ぶつもりが、自分の妻の弟に時限爆弾を運ばせること自体がダメだな。
自分の子供ならどうしていただろう。
もしかしたら死ぬかもしれないと、現実に起きている、そして妻に罵倒され仕方なかったと。
案の定、妻に刺し殺されるんです、自業自得。
そこへ、時限爆弾を作った小鳥屋の主人が犯人に会いに来て、死んでいるのを見つける。
警察に包囲され、腹をくくったのか、自爆する。
結局、犯人を殺したのは小鳥屋の主人ということで事件は解決。
こういう結末も、1936年の時代では珍しいのでは。
普通、犯人の妻が捕まる「良心」に沿ったエンディングだと思うんですが、ヒッチさんの感性は時代とは違うようだ。
まあ、テロ行為をして、弟まで殺した男は罰を受けたのは間違いない。
愛想のいい八百屋の店員が早引けをして、さっと警察署に入っていく。
何の説明もなく、自分の机に座るシーン、表と裏の顔をさりげなく描く、スマートです。
|