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大いなる幻影
2018年7月18日、京都シネマにて。

1937年度作品
監督:ジャン・ルノワール
脚本:シャルル・スパーク、ジャン・ルノワール
出演:ジャン・ギャバン、ピエール・フレネー、エリッヒ・フォン・シュトロハイム

ジャン・ルノワールが第1次世界大戦下のドイツ捕虜収容所を舞台に様々な国籍や年齢、階級の人々が繰り広げる人間模様を描き、外国語映画として初めてアカデミー作品賞にノミネートされるなど世界的に高く評価された反戦映画の傑作。ドイツ軍に撃ち落とされ捕虜となったフランス飛行隊のマレシャル中尉とド・ボアルデュー大尉は脱走を繰り返し、脱出不可能とされる古城の将校捕虜収容所に送られる。そこで所長をつとめるのは、かつて2人を撃ち落としたドイツ貴族ラウフェンシュタイン大尉だった。同じ貴族階級のド・ボアルデューとラウフェンシュタインは親交を深めていくが、マレシャルたちの新たな脱走計画は着々と進められ……。ジャン・ギャバンが主演をつとめ、サイレント映画時代の名匠エリッヒ・フォン・シュトロハイムがラウフェンシュタイン役で圧倒的な存在感を見せた。(映画com解説)


何本か観たジャン・ルノワールの映画で、初めて面白いと思いましたよ。

第1次世界大戦でドイツ捕虜収容所から脱走するフランス兵のお話。

ドイツ捕虜収容所には色んな国の捕虜がいて、収容所の地面を掘り、逃げようとする。
どこかで似たようなシーンを観たことがあるなと思ったら、「大脱走」でした。
掘った土を服に隠し、何気なく外に出て撒く、まさに「大脱走」はこの映画が原点だったんだ。

主人公(ジャン・ギャバン)の屈しない精神力、反骨心が、この映画の魅力でしょう。

主人公ともう一人で脱走して、冬山を見つからないように逃げまくる。
足にケガをした一人と喧嘩をして、ののしり合い、それでも肩を貸して、歩く。
そして、ある小屋の女性に助けられ、主人公は恋に落ちる。
それでも、フランスに帰る決心をする。

もし、戦争が終わったら、戻ってくるから。
戦争が終わるなんて、そんなことはありえない、大いなる幻影だと一人が言う。
タイトルの意味が分かった。


それともう一つ面白いなと思ったことがある。

主人公(ジャン・ギャバン)と行動を共にしてきた大尉は貴族出身。
収容所のドイツ将校(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)も貴族出身で、敵同士でも、お互いに尊敬しあい、花を愛でて、得も言われぬ不思議な空間を醸し出す。
ドイツ将校は戦争のため首をやられ、曲がらない憐れな姿を情けなく思っている。

没落する貴族の滅びの美学みたいなものが共通点にあり、二人は惹かれ合う。
ちょっと妖しい関係にも映るのが、この映画の面白いところ。
主人公たちが脱走する間に、貴族出身の大尉は囮となり、ドイツ将校に撃たれる。

だから、貴族の映画でもある。
同じジャン・ルノワールの映画で「ゲームの規則」も、貴族の傲慢さと快楽の一夜の映画だったが、どこかに貴族に対する拘りがあるんでしょうね。

主人公の生き抜くパワーと滅びの美学を良しとする貴族の描き方が好対照で面白かったです。

ドイツ将校のエリッヒ・フォン・シュトロハイムは、「サンセット大通り」で大女優に使える執事が有名ですが、この映画でも印象に残る役でした。

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