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2014.10.7
東川篤哉
はやく名探偵になりたい

人をイラつかせる無神経な言動と、いいかげんに展開する華麗な(?)推理。鵜飼杜夫は、烏賊川市でも知る人ぞ知る自称「街いちばんの探偵」だ。身体だけは丈夫な助手の戸村流平とともに、奇妙奇天烈な事件解決へと、愛車ルノーを走らせる。ふんだんに詰め込まれたギャグと、あっと驚く謎解きの数々。読めば読むほどクセになる「烏賊川市シリーズ」初の短編集。(解説)

面白かったです。

とぼけたお話の中に、結構本格的なミステリードラマを潜ませる、その手腕は

特に一作目「藤枝邸の完全なる密室」がお茶目です。

ミステリー好きの犯人が、扉に工夫を凝らした密室殺人を行ったが、運悪く、出来の悪い探偵鵜飼杜夫がやってきた。

あなたが犯人ですと告げる。
何故なのか、完璧な密室殺人を行ったはずなのに、不思議がる犯人に、理由を話す出来の悪い探偵。

そして、密室の謎は解けたのかの質問に、「そんなものは知らない、何かうまいやり方があったんでしょう」。

あっけないエンディング。

ある意味、ミステリーファンへの挑戦状?

凝りに凝った密室殺人を逆手にとった逆ミステリーが、可笑しい。

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2014.11.2
石持浅海
扉は閉ざされたまま

大学の同窓会で七人の旧友が館に集まった。“あそこなら完璧な密室をつくることができる…”伏見亮輔は客室で事故を装って後輩の新山を殺害、外部からは入室できないよう現場を閉ざした。自殺説も浮上し、犯行は成功したかにみえた。しかし、碓氷優佳だけは疑問を抱く。開かない扉を前に、息詰まる頭脳戦が始まった…。(解説)


「刑事コロンボ」、「古畑任三郎」、大倉崇裕「福家警部補シリーズ」など、最初から犯人が明かされる倒叙もののミステリー。
普通のミステリーより倒叙ものの方が、自分は好きかもしれない。

石持浅海さんの本では一番面白かったです。
お薦めですよ。


犯人が偽装した事故死の犯行を、この小説では、頭脳明晰な女性が、些細なミスを見つけ、他殺であることの謎ときを行い、犯人を追いつめていく。

緊迫した一日を、時間の経過とともに、攻める側と守る側のスリリングな二人のせめぎ合いのバトルが実に面白い。

ドアストッパーの持つ意味。
ワインの置き場所、途中まで開いたカーテン、メガネ。
多数の小道具、隠喩されたことばの緊張感。

さらには、人の感情や心の動きが見事に表わされていて、たまらんです。

自分が倒叙もののミステリーが好きな理由は、たぶんこの心理戦の醍醐味に魅かれているんだと思う。

そして、時間が経つことを異常に気にしている犯人。

何故、犯人は罪を犯したのか、がラストで明らかになる。

犯人に感情移入できるかどうかは別にして、不思議な理由に、ミステリーにも、やっぱり人が描けている小説には納得します。


追記

書き忘れたこと。
犯人を追いつめる女性が、犯人が好きで、抱いてくれるなら何もなかったことにする。
被害者よりもあなたの方が大事だと。
他人を思いやることより自己中心の人間、自分に都合がいいことに終始するどこか醒めた人間を描いている。
感情に流されない主人公と女性、悪い意味でいえば、冷酷な作者の視点を感じます。

山本幸久「一匹羊」

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山本幸久
2014.9.15

縫製工場に勤める大神は、若いころと違って事なかれ主義で働いていた。そこに、職場体験に中学生がやって来る。年下の同僚とともに、中学生の面倒を見るはめになった大神。そこで、ある問題が生じて―(「一匹羊」)。OL、女子高生、フリーター、元野球選手、主婦…相手にされなくても。変人に思われても。一歩踏み出すと、素敵な自分が見つかるかもしれない、それぞれの「明日が少し元気になれる」物語。表題作ほか、7編を収録。(amazon解説)

ちょっとした感想です。

解説に書かれていたが、「普通の人たち」の「普通のドラマ」。

まさにそのとおりで、山本幸久さんの小説に登場する主人公は、いつも普通の人たちです。

そんな主人公に、ちょっとした事件がおきて、また普段の生活に戻っていく。

でも、昔とは少し違う風景が見えているかも、って思うのです。

どこかユーモラスなところも好きです。

嫌なヤツがいる。
でも、そいつも、ある事件で、なかなかやるじゃないかと思わせる。

世間から疎外されたヤツが、ちょっと輝いて見える、その優しさというか、社会の大らかさが今の時代に必要じゃないかと問いかけている気がするのです、ハイ。

大袈裟ではない、あくまでもちょっとした日常。

明日は少しは頑張ろうって少し前向きになれるんですよね。

というわけで、自称「山本幸久」応援団としては、この本もお薦めです!

是非、読んでくださいね。

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山本幸久
失恋延長戦
2014.6.18

女子高生の米村真弓子は、放送部で一緒になった同級生・大河原くんに片思いの日々を送っていた。告白したいけどできない、そんな真弓子を見守っているのは犬らしくない犬・柴犬のベンジャミン。真弓子の大切な話し相手だ。そしてもう一人、真弓子を放っておかない存在が、なぜか彼女をライバル視する同級生のゲロサキこと藤枝美咲。自分の思いを口にできない真弓子に対して、我が道を突き進む、ちょっと?KYな女子だ。
高一、高二、高三、そして卒業後…一途に恋心を抱きつづける真弓子。その思いにまったく気づかない大河原くん。寄り添うベンジャミン。騒ぎを持ち込むゲロサキ。やがて大河原くんには年下の彼女ができて……。
海と山に囲まれた地方の町に暮らす、まじめで奥手の女の子の、不器用で切ない日々をかろやかに描く、なんだかとっても素敵な青春ラブストーリー!!(amazon解説)


山本幸久の書く小説は、いつも可笑しくて、悲しくて、爽やかで、ほろ苦い。
いつも、同じ手法なんだけど、まんまと騙されるのです、それも気持ちよくね。
それに、ちょっと元気にしてくれます。

和風顔の柴犬なのに、洋風のネーミング、ベンジャミン。
ベンジャミンの木には、苦い思い出があり、若い頃、妻はベンジャミンを育てていました。
そんな時、妻が入院して、自分が水をやらなかったので、枯れてしまった痛い記憶を思い出しました。

まあ、そんなことはどうでもよく、高校生の放送部の主人公はベンジャミンがことばをしゃべると思っていて、同級生の男の子が好きなのに、言い出せないでいたことをいつも相談相手にしていた。

そんなことをしている間に、甘えるのがうまい女の子らしい後輩と男の子が付き合ってしまい、今度は後輩から色々相談をされるハメになります。
昔の高校生のような、主人公。

それに、クラスでノケモノ扱いされているフジサキという女の子は、主人公を何故か友だち扱いして、事あるごとに絡んでくる。

この小説の素晴らしいのは、嫌われているフジサキをちゃんと扱い、才能がなくても頑張る彼女に主人公が付き合い、しだいに本当の友人に仕立てあげることです。

高校、大学のエピソードから、さらに10年後まで繋げ、現在の頑張る女性の姿まで見せる。
その時の青春から、現在の「生」まで広げることで、それぞれの人生が垣間見えるのです。
時間が過ぎていった過去を懐かしむだけではなく、今を生きる人たちの「普通」の人たちへの応援歌です。
お試しあれ。

山本幸久さん、なかなか知名度が上がらないのですが、もっと読んでほしい作家さんの一人です。
どちらかというとTV向きだと思うのですけどね。

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大島真寿美
やがて目覚めない朝が来る

2014.4.30

元舞台女優の祖母のもと、魅力的な人たちに囲まれて私は大人になった――同じ時を生きるかけがえのなさが描き出され、読後には温かな感動が胸に満ちる物語。(ポプラ社)

ちょっとした感想です。

絶対男性には書けない小説だと思います。

生きることが、切なくて、悲しくて、でも愛おしい
そんなお話が、感動的でもなく、ごく普通の生活の中で淡々と描かれる。

男性は、生活するというより仕事が中心で、家庭ではどこか居心地が悪い。
仕事の繋がりでの関係が中心なので、仕事を辞めると、その関係が切れることも多いような気がする。

それはある意味、日常生活に生活の基盤を置いている女性の方が、とても自然で、色んなことがあっても、それでも人生を楽しんでいるようにも見えるのです。

親と子供といった家族の関係だけにとどまらず、他人であっても子供はみんなの子供みたいに見えたり、友だちとの関係が素敵だったり、何か大きなものを感じます。

そんなことを思いながら読んでいると、何故か涙が溢れてきました。

歳月の経過とともに、色んな人が亡くなっていきますが、とても、悲しいはずなのに、ごく普通にあたりまえのように、流れていく。

大袈裟に言えば、死ぬことも、生きることも、すべて、ありのままみたいな感じでしょうか。
何故か、人が愛おしくなります。

いい小説です、お薦めです。

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