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2010.2.15 「もの静かな女たち」を改題。 自分は「もの静かな女たち」の方が、逆説的なタイトルで好きだなあ。 ネタバレあります、ご注意を。 (「BOOK」データベースより) 女はこわいと言うけれど、本当のこわさをあなたは知らない。―ある芸能人のファンになってしまった私。彼に会いたい一心で、ついに自宅をつきとめたが…「取り憑く」。夫が会社をクビになる。理由を聞いても納得できない私がとった行動とは…「ねじこむ」など、平凡な日常を送っていた女性が遭遇する7つの出来事。読み始めたら止まらなくなること必至の傑作短編集が、堂々の登場!あなたの友人に、こんな女性がいたらどうしますか。 面白かったです。 色んな中年女性たちのデフォルメされたストーリー。 ギャグのようなおかしな結末に、つい笑ってしまう。途中までは、ちょっと恐怖感を味わいながらも。 理屈では計り知ることができない女性たちの気持ちと行動が楽しい。 7つの短編ですべてに言えることは、ただひとつ。 女性は、たくましいということ。 でも、この本を書いているのは男性。 はたして女性陣はどう思っているのだろうか、気になる。 みんな面白かったけど、その中でも気に入った短編を紹介。 「めぐりあい」 高校時代のボーイフレンドに出会った。25年ぶりに。 会社の社長でかっこいいと思った昔のボーイフレンドと成り行きで、関係を持った主人公。 やがて彼は会社も倒産ししつこい酒乱の男だとわかると、今のさえない亭主と子供のいる家庭に幸せを感じる変わり身の早さが素晴らしい。 「旅の会話」
仲良し3人組の女たちの温泉旅行。 それぞれの不幸を言いあうという話題になって、一番おとなしく幸せだと思われていた女性が、実は一番強烈な不幸を持っていた。人を殺していた。 その女性が、最後の旅行だから、私に付き合ってよ、海が見えるところに行きたいというと、残りの二人も「そうね〜。私も賛成」と楽しそうに旅行計画を立てる。 自分からみると、この3人の感性はすごいと思う。 そして、この短編を書いた多島斗志之のすごさも感じた。 気になる作家です。 |
読書
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2010.2.11 内容(「BOOK」データベースより) 三人組のコンビニ強盗が、総合病院に立て篭った。院内の人質は五十人。犯人と対峙するのは「交渉人」石田警視正。石田はテレビやプロ野球の話題を織り交ぜ、犯人を思い通りに誘導、懐柔していく。しかし、解決間近と思われた時、事件は思いもよらない方向へ転がる。真の目的は何なのか?手に汗握る驚愕の展開と感動のラスト。 あっけなく、騙されてしまった。 犯人と交渉する石田警視正が自分の今までの経験、ノウハウ、知識を周りの警官たちに見せびらかしながら自信満々に進めていく。 絶対失敗するなと思っていたら、案の定、犯人に逃げられた。 それも金は置いたまま。 残り100ページから一気に話が加速する。 そう、来ましたかという感じ。 面白かったです。 最後の結論は難しいです。 自分はそこまで客観的になれるかどうか、子供の復讐に向かう気持ちの方が強い。 交渉人(ネゴシエーター)のノウハウを説明するくだりも興味深い。
自分はしゃべらず、相手に話をさせて訴えたいことを聞き出す。 その時、犯人の発言を絶対に否定しないこと。 発言の否定は不愉快になり、人格の否定に繋がるからと。 犯人を理解することが、説得の唯一の道だと。 TVの「交渉人」とは関係ないようだ。 |
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1991年発行。 2010.1.23 あらすじ・・・ 完全無欠のアル中患者として緊急入院するハメになった主人公の小島容。全身ボロボロの禁断症状の彼方にほの見える“健全な生活”。親友の妹さやかの往復パンチ的叱咤激励の闘病生活に次々に起こる珍妙な人間たちの珍事件……。面白くて、止まらない、そしてちょっとほろ苦い、話題沸騰、文壇騒然の長編小説。(出版社の解説) ネタバレありますので、ご注意を。 中島らもと言えば、何年か前に読んだ「ガダラの豚」は面白かったです。 冒険小説であり、呪術、笑いと盛りだくさんなエンタテイメント小説で好きな本です。 ということで、今回は「ガダラの豚」の2年前に書かれたアル中が入院生活をする話です。 冒頭「あんたの目、黄色いよ」と医者に言われ、主人公は「黄色人種ですから」とのたまう。 すべてこの調子で主人公はちょっとひねくれもので斜めに構えて生きてきた。 入院生活の中で、おもろいやつたちが登場する。 患者にパワハラもどきにストレートに言い放つ医者。 うわさ話が好きな中年おばはん3人組の三婆。 主人公はひそかに「松おばさん」「竹おばさん」「梅おばさん」と呼んでいる。 霊安室の消毒用アルコールを飲む享楽家のアル中患者。 わがままでいつも妻に怒っている老人の患者。妻は愚鈍を装いながら「きたない年寄りですいませんね」とまわりの人に言うふりをして夫をいたぶっている。 禁断症状の話。虫や小動物が体をはいずりまわる幻覚。 アルコール依存症のセルフチェックテストまで書かれている。 自分はそんなに飲めないけど、缶ビールは毎日飲んでいる。 チェックしてみた。 よかった、アルコール依存症ではなかった。 交通事故で死んだ友達の妹のさやかが言う。 死者は卑怯だと。思い出を残して勝手に去っていくから。 傷つくことも笑われることもなく思い出になって人を支配しようとする。 その逆説的な愛情表現が好きだ。 主人公がそばを食べたくなり、外のそば屋に入った。 そこで、「飲み物は?」と聞かれ、ふっとビールを自然に注文してしまった。 そして泥酔状態になって病院にたどり着くと、入院していた少年が突然死んでいた。 少年が死んで、感動のドラマになるのかと思えば、例の医者が霊安室に主人公を連れていき、消毒用アルコールを飲みあい、酔っ払いのドタバタ劇にしてしまうこの作家の照れ隠しがいい。 主人公は35歳。少年は17歳。18年違う。 医者は酔っ払って言う。 「あんたがあと2年で死ぬとして、その20年を少年にくれてやれよ」 主人公に対する罵倒と少年への思いが伝わる。 中島らもの思い出は、関西の深夜TV番組のゲストでいつも酔っ払っていたこと。
何を言ってるかようわからん状態で、おかしかったよなあ。 中島らもは2004年に亡くなっている。 飲み屋の階段から落ちて脳挫傷が原因とのこと。 それまでも、無茶苦茶してきたようだからな〜。 結局アルコール依存は治らなかったようだ。 亡くなっているとはいえ、気になる作家です。 |
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解説によると・・・ 「私はもう用済みってことですか!?」リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが……。恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸きたつ人間ドラマ。 ずいぶん昔に読みました。
ちょっとした感想です。 タイトルは、映画「俺たちに明日はない」のパロディか。 まったく勝手で個人的な思いだけですが、リストラ請負会社の主人公に感情移入できませんでした。 自分がリストラに会うことを考えると、たまりません。 仕事とはいえ、よその会社の人を裁くことはそんなにやりがいがある仕事とは思えない。 罵倒されようと、水をかけられようが、それが当たり前であろう。 そんな人がリストラ対象の女性と恋愛関係になる。 男と女の話になると、垣根涼介は俄然艶っぽくなる。 「ワイルド・ソウル」はよかったなあ。 |
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2009.12.28 解説によると・・・ 夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。 最初は普通の殺人事件の推理ものだと思っていた。 おお、変な話になってきた。 S君が蜘蛛に生まれ変わって、主人公との探偵ものになるとは。 それにしても、なんでS君? 「生まれ変わり」がキーポイントでした。 変な話だと思っていたら、やっぱり変な話です。 結局、主人公の妄想? 所詮、フィクションなんだから、なんでもありですよね。 だから、これもありですよ。 面白いです。 だけどね。
暗いですね。 未来が見えてこないですね。 |





