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床屋さんへちょっと
2013.5.19

「あたし今度、自分で店、開くんだ」。海外出張先への国際電話で娘に告げられ、宍倉勲は絶句した。就職したばかりの大手企業をすぐ辞めてしまったと思ったら、今度は何を言い出すのか―(「マスターと呼ばれた男」)。時に社長として、時にヒラ社員として、誠実に働き続けてきた男。彼と娘との関係、家族の歴史を時をさかのぼりながら描く連作長編。(解説)

ほんと、うまいよな〜、山本幸久さんは。
笑わせ、ほろりとさせ、一気に読んでしまいましたよ。

お仕事小説で人生の応援歌でありながら、父と娘のちょっとしたドラマであり、家族の話でもあります。
喧嘩をしても、どこかおかしいのです。

父は娘を思いやり、娘は父親を頼りにしている。
母親はマイペースでおおらかだ。
そんな家族のそれぞれのお互いへの愛情を感じることができるところが、とても心地いいのです。
こういうのが、ホームドラマというのでしょうか。

最初、主人公の年齢が73歳、娘が41歳から始まる。
そのまま時間が進むのではなく、バラバラに連作短編集になっている。

いつも、床屋が登場する。
それも、いいタイミングで、重要なポイントとなっている。
主人公は、父親が築いたお菓子の会社を潰した。
そのことをいつも気にしている。

ネタバレあります。
40代の時に、10歳の娘が会社見学に来た。
請求書を得意先に持って行ったら得意先に怒られた。
あることで商品が不良品で、それを知らされていなかった主人公を、課長は嫌がらせで得意先に送った。
土下座して謝った姿を見て、娘が泣き出した。
主人公は、娘に「今日一番可笑しかったことを思い出せ」と一言。
娘は考えて「父さんのへたくそな英語」と言って笑いだした。
そんな思い出を娘は大事にしている。

娘がいきなり家出をした話も可笑しかった。
娘が食堂で無銭飲食して警察から電話。
主人公と妻が、喧嘩をしながら、雪の東北を旅するロードストーリー。
不機嫌な妻を前にして何も言っていないのに、文句を言われる主人公の心情は、よくわかります。

その町は、テクノカット発祥の地(笑います)
食べ物がカレーしかない寂れた喫茶店では、YMOのライディーンが流れる。
店員もテクノカット。
妻は、いきなりテクノカットを二人でしようと主人公を誘う。
妻が娘が家出した理由を明らかにした。
主人公は唖然として、天真爛漫な妻にポカンとして、その美容室に向かうのだった。
妻の何とも言えない大らかさに笑ってしまった。

最後の章は、すでに主人公は亡くなっている。
娘や妻が、主人公を思い出し、笑いながら、主人公の口真似をする。
社長をしている会社がうまくいかない娘は、頼りにしている人がいないのは寂しいものだと。
「今日一番可笑しかったことを思い出せ」という言葉を思い出す。

こんなに家族から愛されて、何て幸せな男なんだろうな。
自分もこんな人生を送りたいと素直に思いますね。
ベタといえばそういうことになるかもしれませんが、この小説はお薦めです。
好きですね。

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2013.4.8
三浦しをん
舟を編む

【辞書】言葉という大海原を航海するための船。
【辞書編集部】言葉の海を照らす灯台の明かり。
【辞書編集者】普通の人間。食べて、泣いて、笑って、恋をして。
ただ少し人より言葉の海で遊ぶのがすきなだけ。

玄武書房に勤める馬締光也。
営業部では変人として持て余されていたが、
人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、
辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。

定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、
徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。

個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。
言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく――。

しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか――。
言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをん最新長編小説。(光文社解説)


たぶん支離滅裂な感想になると思いますので、ご了承を。

一遍の小説は、心地のいい映画でもある。
と勝手ながら、この本の素晴らしさを言い表したい。
とても気持ちのいい小説です。
自然に涙が溢れてきました。

映画化されると聞いて、上映に合わせて、絶対、文庫本になると確信していたのに、ならなかった。
出版社と映画会社のタイアップで、小説をベストセラーに押し上げるための一つの戦術。
「八日目の蝉」の映画化の時は、予想どおり、文庫本が発売された。
まあ、元々読みたい本だったので、安い価格で読めることは嬉しかったのですが。
メディアに遊ばされていることを自覚しながらも、自分がポジティブに遊んでいる感覚が気持ちいい。

しかし、この小説は単行本のままでした。
これは、光文社の拘りでしょうか。
予想が外れたので、我慢しきれず、しかたなく、ブックオフで半額の値段で買いましたよ。

最初、何の予備知識もなかった時は、正直このタイトル怪しいなあと思っていました。
「舟を編む」って、どこかの宗教的で哲学的な小説かと。
何とかの箱舟からのイメージでした。

まったく違っていました。
「大渡海」という辞書を編纂するということで、大海原に漕ぎだす舟を編むということらしい。

簡単にいうと、お仕事小説です。
山本幸久さんよりも情によりかからず、15年間もの時間をかけて辞書の編纂に情熱を傾ける人たちのドラマ。

一生けん命仕事をしてきて、会社を良くしようと頑張ってきた人たちへの応援歌なのです。
つい感情移入してしまいます。

そして、小説が好きな人、「ことば」を大事にする人たちへの愛情がこもった小説です。
「ことば」を愛する原作者が、自分自身へのプレゼントとも受け取れるような本といえるでしょう。
「ことば」を愛する人には必読ですね。

そして、お互い人の価値を認めることの素晴らしさ。
信頼関係が築けることの喜び。
辞書編纂に長けている生真面目な馬締光也とチャラ男の西岡。
それなりに辞書編纂に頑張ってきた西岡だが、違う部署に転属となる。
西岡は馬締には敵わないと思って屈折している。
しかし、感性の豊かな西岡に、馬締は自分にはない鋭さを感じて部署を離れることを残念がる。

自分も、知っている人が仕事の時に見せない、違う面を見た時の驚きと愛着は、人生そのものかも。
大袈裟かもしれませんが、やっぱり15年ものかけて辞書を編むことに、感動と驚きと、人が生きるってなんだろうと思いますね。
不器用な人間、気持ちが熱いです。
無理のないラストも静かな感動です。

この小説に出てくる辞書「大渡海」の装丁のデザインが、実際のこの小説の装丁と同じです。
ニヤリです。

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2013.1.4
越谷オサム
陽だまりの彼女

幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで―その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる!誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。(解説より)

ちょっとした感想です。

ファンタジーと言ってしまえば、それ以上何も広がらないし、すべてがそこで終わってしまう気がするんですよね。
確かにこの小説は、彼女の謎がすべてで、恋愛小説でもあり、ラストのファンタジーが、どこかほんわかした気持ちにしてくれるんです。

解説にあるように果たしてハッピーエンドと言えるのか、バッドエンドとも言えます。

でも、主人公が、絶望ではない、微かに安心したかのような諦めのような、ニヤっと笑っているようにも思える。
過去の幸せな日々を、かみしめている余韻が、場違いかもしれませんが、幸せな気持ちを味わっているかのようです。

ビーチボーイズのアルバム「ペットサウンド」からの「素敵じゃないか」が彼女の好きな曲。
「ペットサウンド」のアルバムタイトルが、とても意味深なんですよね〜。
ネタバレしないので、興味のある方は、一度読んでみてください。

この小説は、秋に映画化されるようです。
上野樹里と松潤のコンビ、どんな映画になっているか楽しみです。

ビーチボーイズの「素敵じゃないか」は美しいメロディです。
[http://www.youtube.com/watch?v=gWeP6VquVG8 Wouldnt it be nice (素敵じゃないか)- The Beach Boys (日本語字幕付き)

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奥田英朗「無理」

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奥田英朗
無理
2012.12.20

合併で生まれた地方都市・ゆめので、鬱屈を抱えながら暮らす5人の男女―人間不信の地方公務員、東京にあこがれる女子高生、暴走族あがりのセールスマン、新興宗教にすがる中年女性、もっと大きな仕事がしたい市議会議員―。縁もゆかりもなかった5人の人生が、ひょんなことから交錯し、思いもよらない事態を引き起こす。(解説より)

ネタバレあります。

相変わらず、奥田英朗さんの書きぶりは絶妙で、ずんずん読まされます。

5人の不安定な気持ちを、これでもかというほどに、徐々にエスカレートしていく様は、奇麗ごとではない、リアルな現実を見せて、誰が悪いのでもなく、理屈ではないし、法的には逸脱しているかもしれませんが、人が考え、浅はかな考えもあり、感情で動いたり、それも生きている証といえる生きざまをみせてくれるから、面白いし、引き込まれるんでしょうね。

地方都市の東京に対する卑屈さ、逆に出向から解放される国家公務員の旅の恥はかき捨て的な発想、生活苦、高齢の親、宗教対立、色んなものがごっちゃまぜにして、吐きだした感がします。

残念なのは、ラストを一つにまとめようとしたことですね。

いや、まとめているようで、結論は出ていないのかもしれませんが。
これからの5人は、どういう生活をするのか余韻というか、これからの不安を残してのエンディングでした。

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森に眠る魚
2012.11.6

都内文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通して互いに心を許しあう彼女たちだったが、その関係性は徐々に変容してゆく。引き金となったのは小学校受験なのか、それとももっと他の何かなのか。――あの子さえいなければ。私さえいなければ。5人のせめぎあう感情が胸にひりひりと迫る、著者母子小説の衝撃作!(amazon解説)

自分が上を目指して違う環境で生活したいと願ったけど、どうにもうまくいかず、また前の同じ生活に戻ってしまう。
違う自分に変わりたいと頑張ったのに、結局、うまくはいかない。

住み慣れた生活に安心する自分が果たしてよかったのか、違う自分を見つけられなかったことに安らぎを覚えるのか。

女性ならではの、本当の信頼しあえる友人を求めながら、周りの主婦への競争心、敵対心も同時に芽生えるジレンマ。
混濁と純粋が交り合いながら、果たしてどこへいくのか。

もう、こんな話を読むと、たまらなく、気分が滅入る。
精神的によくない。

女性は、よくもこんなことを考えながら、生きていけるもんだと、変なところで尊敬する。
男の私には、どうもついていけない。

森に魚が住むはずもなく、でも静かに眠っている様子は、新しい未来をイメージしたものか、それとも、静かにしないと生きていけないイメージなのかどちらともいえない。

人の暗部と希望、現実のなかで、挫折と安らぎを、恐ろしいぐらいに丁寧に描いた小説でした。

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