最近気になること

ほとんど映画、ちょいと小説、きまぐれに音楽、の感想など気になることを記事にします!

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ダブル・ジョーカー
2012.8.24

結城中佐率いる“D機関”の暗躍の陰で、もう一つの秘密諜報組織“風機関”が設立された。だが、同じカードは二枚も要らない。どちらかがスペアだ。D機関の追い落としを謀る風機関に対して、結城中佐が放った驚愕の一手とは―。表題作「ダブル・ジョーカー」ほか、“魔術師”のコードネームで伝説となったスパイ時代の結城を描く「柩」など、5編を収録。吉川英治文学新人賞&日本推理作家協会賞W受賞の超話題作『ジョーカー・ゲーム』シリーズ第2弾、早くも登場。(amazon解説より)

切れ味鋭い「ジョーカー・ゲーム」の第2弾。

「ジョーカー・ゲーム」には驚かされました。

軍人としての今までの常識をことごとく否定し、冷静で客観視した行動。
感情に流されるのではなく、あくまでも合理的な考え方に基づいた行動。

外国人スパイの調査で、軍人は証拠を隠すが、見つからない。
軍人にとって、神様の写真の後ろの場所は調べられない。
そこを逆手にとっての行動。
“D機関”は、その場所から証拠を見つける。

目的を達するためには、情に左右されず、死を一番の悪とする。
スパイが死ぬと身元が明らかにされて、日本の弱みになるからだ。
軍人が死を尊いと教育されたことと、全く逆の教育をされる。
ある意味これは、この時代の日本の教育批判にも受け止める。
その“D機関”の続編です。

主人公結城中佐のミステリー、捕虜の身から脱出したと噂される過去の秘密。
敵のスパイとの駆け引きは、ミステリーものとしても、十分面白い。
新しい組織である“風機関”との対決。
衝撃だった「ジョーカー・ゲーム」からすると、落ち着いた感じがする5つの短編。
それでも、世界を股にかけるストーリーは新鮮で、面白いです。

最近の日本映画は原作ありきの映画が多いですが、それなら是非ともこの原作を映画化してほしいな。
それぐらい面白い小説ですよ。
骨のあるプロデューサーに期待します。

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渋谷に里帰り
2012.2.26

今度こそ、この街に負けるものか。元気がない、夢がない? いえいえ、若者は、今日も、仕事に恋に向かって歩いています! オシゴト系青春小説。書き下ろし短編収録。
峰崎稔は、大学卒業後、食品会社に就職、営業マンとしての野心もなく10年が過ぎた。寿退社する先輩から引き継ぐことになったエリアは、子供時代を過ごした渋谷。そこは、親の事業失敗で転居して以来、遠ざけていた場所だ。だが、顧客から信頼される先輩の手腕を目の当たりにするうち、仕事の面白さに気づき始めていく稔。そして、新しい恋が始まる予感も──オシゴト系青春小説!(解説より)

久しぶりに小説の感想を、ちょっとだけしますね。
渋谷が出てきたんで、今回はちょっとトレンディドラマ風かなと思っていたら、やっぱり山本幸久さんらしいお仕事小説でした。

キャリアウーマンの先輩が結婚退職するため、引継ぎで30歳を過ぎた主人公は渋谷エリアを担当することに。
主人公は、子供の頃に、渋谷に住んでいて、あることで、渋谷はトラウマになっていた。

相変わらずユニークなメンバーが登場します。
キャリアウーマンの先輩のバイタリティ溢れる言動とツッコミの切れの良さ。
いつも「はあ」という元気のない返事をしている主人公は、女性先輩から覇気がないと怒られる。
得意先のニーズを大事にする先輩女子だから、どこの得意先に行っても、人気もの。
得意先との会話が可笑しい。

主人公の上司はどこか飄々としている。
まるで友だちのやりとり。
二人で屋上で煙草を吸う。
向かいの屋上で女性がバットを振っている。
8時半の女と呼んでいる。

先輩女子の送別会が、またいいんですよね。
笑い泣きしちゃいました。
山本幸久さんに、またやられましたよ。

何だかんだと喧嘩しながらも、人と人とのつながりがさりげなく描かれます。
相変わらず、山本幸久さんの語り口はうまいですね。
ベタなストーリーかもしれないけど、ほっと安心できるお話です。

西加奈子「通天閣」

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通天閣
2011.7.27

どうしようもない人々が醸し出す、得体の知れないエネルギーが溢れている大阪ミナミ。社会の底辺でうごめく人々の愚かなる振る舞いや、おかしな言動が町を彩っている。主人公は、夢を失いつつ町工場で働く中年男と恋人に見捨てられそうになりながらスナックで働く若い女。八方ふさがりに見える二人は、周りの喧噪をよそに、さらに追い込まれていく。ところが、冬のある夜、通天閣を舞台に起こった大騒動が二人の運命を変えることに…。(解説より)

久しぶりの小説の感想。
面白い本やったからすぐに感想を書こうと思って、はや3カ月。
ヅボラな性格の私としては、まだ早くに記事にできたほうかな。

「通天閣」というタイトルだけ聞くと、またコテコテの大阪の人情話かとお思いでしょうが、そんなことはあり、やっぱりコテコテの話でした。
・・・って、いえ、笑えて泣ける私好みの素敵な小説でした。
初西加奈子さんは、ユーモアのセンスが際立ってますね。

なんだろうなあ、この感じ。
別に努力して何かを成し遂げるという壮大な話でなく、毎日グダグダとした生活しかしてないんだけど、何かいいんだよな。

工場に勤める中年ダメ男と男に振られた若いダメ女のお話。
といっても、2人は近所に住んでいるけど、特に繋がりはなく、お互いの生活ぶりが別々に描かれるだけ。

面白いんですよ、登場人物。変なヤツばっかりで。
主人公中年男の前に住む変な歌を歌うオカマは、自分(中年男)に惚れていると思いこんでいる。
毎日同じ場所でタクシーを整理するじいさん。
シーフードヌードルだけを最適な場所に置いているコンビニの中国人の愛想の悪い店員。
店長に言いつけようと思っても名札の字が難しくて読めない。「名前が読まれへんヤツ」とそこまでいうほどの気力はない。可笑しい。
あ行だけドモってしまう不思議な工場の新入り。
主人公中年男は関わりたくないと思いながら、つい気になって関わってしまう。

女が勤めるぼったくりバーがまた可笑しい。
雇われママは、いつも声がボソボソと小さくて「・・・・」、何を言っているのかわからない。
下ネタ好きな千里さん。

・・・とまあこんな調子で、こんなヤツラが可笑しくも普通の生活を送っている。
ラストで、オカマのおっさんがとんでもないことをしでかして、主人公の中年のオッサンも予期せぬ行動に出て、周りが大誤解をする。
このシーンが可笑しくて涙流して笑いながら、何故か泣けてしまいます。
ようわからん説明でしょうね、気になる人は本を読んでね。

そして、ついに、中年のオッサンと若い女が繋がっていた。
さらりと、普段何も言に気にしていない普通の生活が、ほんとはその人には大事なことだったりして。
やっぱり、人情ドラマかな。

ラストの女のセリフもいいですよ。
「愛してくれるかじゃなく、愛そう。アホのように愛そう」 
そんな大袈裟なセリフじゃないです、さりげないですから。
是非読んでほしい小説です。

ちょっと元気が出ます。

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石持浅海
Rのつく月には気をつけよう
2011.7.5

湯浅夏美と長江高明、熊井渚の三人は、大学時代からの飲み仲間。毎回うまい酒においしい肴は当たり前。そこに誰かが連れてくるゲストは、定番の飲み会にアクセントをつける格好のネタ元だ。今晩もほら、気持ちよく酔いもまわり口が軽くなった頃、盛り上がるのはなんといっても恋愛話で……。ミステリーファン注目の著者が贈る傑作グルメ・ミステリー! (本の解説より)

久しぶりの小説の感想。
小説はそこそこ読んでいるんですが、映画の感想を書くのが精いっぱいで、なかなか記事にできていないです。

面白かったです。

大学時代の友人同士の飲み会にゲストを連れてきて、その人の食べ物にまつわる恋愛や失恋のエピソード。
そのエピソードに灰色の脳細胞ならぬ、「悪魔的な頭脳を持った男」長江高明が謎解きを始まる。

ちょっとした日常生活の中にある謎。
いや、誰しも謎とは思っていなくて、長江高明だけが謎だと直感し、説明した方が幸せだと考えた場合は、謎解きをする。
不幸せだと判断した時は、もう過去のことだから、大人の対応で、無言のまま終わる。
いや、こういう微妙なミステリーものは、自分には珍しかったです。
大作ミステリーもだいごみがあって面白いのですが、些細な日常にまつわるミステリーもなかなか楽しいものです。

「Rのつく月には気をつけよう」のタイトルが不思議感溢れていますね。
ここでは「カキを食べるのはRのつく月にしろ」。
9月から4月までRがつくので、その時期に食べるのに適しているということらしい。本当の話なのか、よく分からないけど。
カキにまつわる短編「Rのつく月には気をつけよう」は、カキではなく奥様には気をつけよう、かな。

チキンラーメンも出てくるし、チーズフォンデュ、豚の角煮、ぎんなん、そば粉のパンケーキ、スモ−クサーモンといった多種多様のグルメが登場。
さらにグルメにマッチしたお酒のコーディネート。

オシャレ系のミステリーグルメ。
石持浅海さんのセンスの良さを、またしても感じました、です。
カバーデザインも好きです。

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東川篤哉が本屋大賞に

ちょっと前の記事ですが、
全国の書店員が「一番売りたい本」を選ぶ11年の「本屋大賞」が12日、発表され、東川篤哉さんの令嬢刑事とその執事が事件を解決するミステリー「謎解きはディナーのあとで」(小学館)が大賞に輝いた。(ニュースより)

東川篤哉さんが、ついにブレイク!

好きな作家が売れるのは嬉しい。
でも、自分だけの御贔屓が、全国区になったようでちょっぴりさみしいような。

本屋の店員さんからユーモアミステリーが認知されたことが、ことさらうれしい。
ユーモアミステリーでありながら、結構本格ミステリーの味わいも。

こういう状況だからこそ、笑いが必要とされるのかも。

館島
密室の鍵貸します
密室に向かって撃て!
完全犯罪に猫は何匹必要か?
もう誘拐なんてしない
交換殺人には向かない夜

どれも、お薦めです、是非。
東川篤哉さんは熱烈な映画ファンだと密かに思っています。

密室の鍵貸します⇒アパートの鍵貸します
密室に向かって撃て!⇒明日に向って撃て!
完全犯罪に猫は何匹必要か?⇒何かいいことないか子猫チャン(違うかな?)
「交換殺人には向かない夜」は、ヒッチコックのパロディ満載です。

山中貞雄監督の「丹下左膳餘(よ)話 百萬両の壺」も登場します。

「謎解きはディナーのあとで」は、文庫本になったら読みます。
おいおい、まだ読んでなかったのかよ、さらにセコイぞ。

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