最近気になること

ほとんど映画、ちょいと小説、きまぐれに音楽、の感想など気になることを記事にします!

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2010.4.25

クラスで八番目にかわいい(?)香な子(小5♀)と深夜ラジオばかり聞いているコーモリ(小5♂)が、お花茶屋を舞台に織り成す感動の物語。疾走感のあるラストシーンが涙を誘う、初恋未満のリトルラブストーリー。幸福な未来へと走れ!書き下ろし短編「月食」収録。

山本幸久さんらしい心温まる雰囲気の小説。
私のようなおっさんが、なんで小五の男の子と女の子のユーモアを交えたラブストーリーに感動してしまうのでしょうか。
あきれてしまいます(笑)。
2人の健気なところがいいのでしょうか。

コーモリはお母さんが病気で入院している。
香な子にも悩みがあった。
父親が前の会社で横領して辞めさせられたと言われたのだ。
ようやく、思い切ってお父さんに聞きます。
2人が前向きなところもいいです。

コーモリの病気の母親が描く13歳、14歳、15歳の香な子の似顔絵。
ちょっと美人に描いてある。
母親が言う。
「女は努力してきれいになるの」
「男は苦労してかっこよくなれる」
なるほど。
ジャガーに乗っている担任の鎌倉先生が、山本幸久作品によく出てくる強気で歯切れのいい女性で、実にかっこいい。

あと、中3になった書き下ろし「月食」はいらないように思うけど。
本編の余韻を損ねている気がします。
山本幸久さんの「はなうた日和」「凸凹デイズ」のレベルからすると、ちょっと落ちるかもしれないけど、小五の2人を描ききった山本幸久さんの力量はさすがだと思います。

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2010.4.21

亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した……はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。(本の解説より)

面白かったです。

ネタバレあります、ご注意を。
「主人公」の世界では、「姉」は生まれていない。
「姉」の世界では、「主人公」は生まれていない。

「主人公」の世界では、兄や好きだった同級生の女の子は死んでいる。
「姉」の世界では、2人は生きている。
またアクセサリのお店もうどん屋も、「主人公」の世界では無くなっているものが、「姉」の世界ではちゃんと残っている。
その違いは、「主人公」と「姉」の違いだけ。
姉には見えていたものが、自分には見えていなかったという事実を衝き付ける。
まさか、こういう展開になるとは。

ここまで、自分の存在意義をストレートに見せつけられると、あまりに辛い。
自分は何をしてきたか。
読者にも問われているようで、手厳しい。
でも、ミステリーものにこういう発想を取り入れるセンス、楽しいですね。
米澤穂信、またまた気になります。

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2010.4.11

その日、烏賊川市立大学映画学科の四年生・戸村流平は、二つの死への嫌疑をかけられた。大学の先輩である茂呂耕作と、元彼女の紺野由紀。流平は、由紀の死に関しては完璧にアリバイがあるのだが、それを主張できない。なぜなら、由紀が死んだ夜、流平は鍵のかかった茂呂の部屋で、彼の死体を発見していたから…。緻密な構成と大胆なトリック、飄々とした筆致。極上の本格推理デビュー作。(「BOOK」データベースより)

まず、烏賊川市をなんと読むでしょうか。
これは「いかがわし」と読みます。
これだけで、まず、クスっと笑ってしまいます。
面白かったです。

学生戸村流平と義兄の探偵鵜飼のオトボケコンビが、戸村流平の容疑を晴らすために、ニセ刑事になっておかしな捜査をしながら犯人探しをする。
この探偵が、胡散臭くて、実力があるのかどうか怪しい感じを最後まで引っ張ります。
ユーモアと結構本格的な時間のトリックのバランスが絶妙です。
と言いながらも、DVDの映画が気になっていたので、少しは当たっていたかな。
後半は、精巧に組まれた謎解きが解き明かされます。

タイトルは、映画「アパートの鍵貸します」からの引用でしょう。
内容は、まったく違いますがね。
ユーモア・ミステリー、いいですね。

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東川篤哉「館島」

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2010.3.28

天才建築家・十文字和臣の突然の死から半年が過ぎ、未亡人の意向により死の舞台となった異形の別荘に再び事件関係者が集められたとき、新たに連続殺人が勃発する。嵐が警察の到着を阻むなか、館に滞在していた女探偵と若手刑事は敢然と謎に立ち向かう! 瀬戸内の孤島に屹立する、銀色の館で起きた殺人劇をコミカルな筆致で描いた意欲作。驚愕のトリックが炸裂する本格ミステリ! 本の解説=宇田川拓也

ブックオフでお薦めと書いてあったので、つい買ってしまった。

こういうユーモア・ミステリーは好きですね。
女探偵と若手刑事の掛け合い漫才風のやりとり、そこに天然ボケの県会議員の娘が絡むおかしさ。
ニヤニヤしながら読めました。

そして、大胆不敵なトリック。
ほんとにこんなことが可能かどうかは怪しいような気がするけど。
それでもユーモア・ミステリーであることでつい許してしまえる。

それにしても、こういう発想ができる人って尊敬してしまう。
自分の想定範囲外のことを考えるユニークな才能に出会えるととてもうれしい気分になります。
お薦めです。
他の作品も読んでみよう。

表紙のデザインはこの小説の内容と不釣り合いですね。

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奥田英朗「ガール」

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2010.3.9
2006年刊行。

なんとも豪快な女たち、三十路を過ぎたガァ〜ルたち。
これだけ、たくましいと清々しいというか、気持ちいい。大笑いしてしまった。
それも、この本を書いたのが、当時47歳のおっさんとは。
やはりただものではない。

強気のガール、失うものがないから強気でいられたことを感じ取る。お気軽な立場だったことを。
養う家族も家のローンもない。
でも、結局、自分らしく振る舞うことに。
かっこいいよ。男らしいよ、いや違う、女らしいと思う、男から見ても。
歯切れのいいセリフ。
ファッションショー、女性同士だからどこかで分かりあえる。
う〜ん、なるほど。
会社で育児を出すと、錦の御旗か、誰も何も言えなくなる。
う〜ん、なるほど。
人はそれぞれ。しあわせかどうかなんて物差しを当てること自体が不遜。
なるほど。

女どうしは合わせ鏡。自分が彼女だったかもしれないし、彼女が自分だったかもしれない。
うまい表現です。
男がものを言わなくなり、ガールがものを言う時代。
人はそれぞれ。

ガールの感想を聞きたいな。
奥田英朗さんのセンスを感じた本でした。

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