最近気になること

ほとんど映画、ちょいと小説、きまぐれに音楽、の感想など気になることを記事にします!

岡本喜八監督

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 次のページ ]

岡本喜八「侍」

イメージ 1


2015年3月6日、シネマヴェーラ渋谷「岡本喜八監督特集」にて

1965年度作品
監督:岡本喜八
脚本:橋本忍
撮影:村井博
美術:阿久根厳
音楽:佐藤勝
出演:三船敏郎、小林桂樹、新珠三千代、伊藤雄之助、松本幸四郎、東野英治郎、八千草薫、江原達怡、大辻伺郎、田村奈巳、稲葉義男、平田昭彦、中丸忠雄、天本英世、黒沢年雄、杉村春子、長谷川弘

岡本喜八監督が、群司次郎正の原作を三船敏郎主演で映画化した痛快時代劇。示現一流の奥義を極めた剣豪・新納鶴千代。自らの出生の秘密を知らぬまま浪々の日々を送っていた鶴千代は、侍になるため大老・井伊直弼暗殺計画の一味に加わるのだが…。(amazon解説)

2回目の鑑賞。
井伊直弼が暗殺された桜田門外の変。
その暗殺に至るまでを、クールに描いた時代劇。

ネタバレあります。

暗殺シーンの集団殺陣は見応えありましたね。
大がかりな桜田門のセット、降りしきる人工雪も素晴らしく、日本映画の美術の技術の高さを再認識させられましたね。
さらに、斬り込む男、護る男たち、生死をかけた男たちの真剣勝負、腕を斬られた男のうめく声、刀が合わさる金属音、短いカット割りのモノクロ映像とリアルな音の組合せに、緊迫感はただものではないです。

いつもユーモアを交えて変化球が多い岡本喜八監督が、この映画では、ストレート一本の直球勝負でした。
主役が三船敏郎なので、ちょっとユーモアっぽいところはありましたが、流れの中で出ているだけで誇張した感じはしません。

それにしても、新納鶴千代(三船敏郎)は、なんとも憐れな男なのです。
浪人の身、なんとか一旗あげて、死んだ母のためにも就職にこぎつけ侍になりたいという志を持っています。
最初は明らかになっていませんでしたが、次第に井伊直弼の隠し子であることが明らかになります。

そして、主人公は、知らずして井伊直弼暗殺集団に加わるのです。
暗殺集団は、計画が漏れることに警戒し、スパイがいることを突き止めます。
そして、その男を殺すことを新納鶴千代(三船敏郎)に命令します。
実行しないと、組織から脱退してもらうと。
殺す相手は、新納鶴千代の友人なので、主人公は悩みます。
しかし、手柄をたて、侍になるため、井伊直弼を殺す集団に入っていないと、自分の夢は叶えられない。
主人公は、友人を殺します。
その後、スパイが友人ではなかったことが分かります。
このあたりから、歯車が狂ってきます。

暗殺集団のボス(伊藤雄之助)が、実に冷酷で打算的で、目的のためなら手段を選ばない男、かなり印象に残ります。
そして、暗殺前日に、主人公が井伊直弼の隠し子であることをボスが知り、仲間に主人公を殺させようとします。
逆に、主人公は相手を殺し、当日遅れて桜田門にやってきます。

そして、見事、井伊直弼のクビを掲げ、意気揚々と歩く主人公。
しかし、前日、主人公は今日の参加メンバーから抹消されていた。
友人を殺し、父親を殺し、井伊直弼のクビを取っても、記録から消されているため、侍に抱えてくれる藩はいないはず。

すべてが無意味で儚く、得たものはなく、友人や父親とか失くしたものの方が大きく、それも知らずに雪の中、井伊直弼のクビを取ったのは俺だと声高々に響きわたる声が、あまりに虚しく、憐れです。
悲しい男のものがたりです。

三船敏郎の父親が松本幸四郎、新納鶴千代役の三船敏郎が歳を取り過ぎている気がして、どうも違和感がありました。

イメージ 1

ブルークリスマス
2015年2月22日、シネマヴェーラ渋谷「岡本喜八監督特集」にて。

1978年度作品
監督:岡本喜八
脚本:倉本聰
出演:勝野洋、竹下景子、仲代達矢、岡田英次、岡田裕介、新井春美、天本英世、岸田森、高橋悦史、沖雅也、小沢栄太郎、田中邦衛、中谷一郎、大谷直子、草野大悟、伊藤敏孝、小川真司、神山繁、八千草薫、大木正司、岡本みね子、堺左千夫、小川真司

UFOを目撃した人間の血が青くなる。青い血を持った人間を迫害、秘密裏に“処理”しようとする体制の恐怖を、政府の極秘計画の謎を追うテレビ局員と青い血の恋人を持った特殊部隊員の行動を通して描いた力作。UFOや宇宙人の存在、青い血についての謎解きは一切なく、異質なものを排除する人間の恐ろしさを徹底的に暴いた。特撮を使用しないSF映画ということでも話題となった。<allcinema>

2回目を鑑賞。

昔は、漫画チックなSF映画で、どうもウソ臭さが目立ってあまり面白くはなかったんですが。
久しぶりに今回観て、この映画、正直怖かったですね。

ネタバレあります。

UFOを観た人たちは、その光を浴びると、血液が青になるという。
何も変わらない人間なのに、ただ血が青いため、自分たち人間とは違う新しい生命体、宇宙人であるという猜疑心、恐怖心が次第に芽生えていく。
主人公の女性(竹下景子)が、ヒトラーのユダヤ人迫害のニュースをTVで見るシーンがある。

青い血の赤ちゃんが生まれたという噂があると、謎の人物二人(天本英世、岸田森)が病院に現れ、母子とも処置してくださいと院長に告げる。
処置とは?と院長が聞くと、冷酷に「処置です」と答える。

どの国の政府も、青い血の人間がいることをひた隠す。
しかし、何故か、噂だけがひそやかに世間に流れる。
国は情報を隠しながら、青い血の人間は怖いという噂をわざと少しだけ流しているのだ。
青い血の人間は敵だという風に仕向ける。

すべて謀略です。
大衆心理を誘導する。
怖いですね。
この映画、SF映画でありながら、人種差別、優劣の差別にも繋がっています。
未来の話ではない、現実にすでに起きていることですね。

ラスト、以前にUFOの存在の研究発表をして行方不明になっていた博士(岡田英次)が、静かにベンチで座っている。
TV局員(仲代達矢)が声をかけると、帽子を取り会釈をする。
額に手術の傷跡、ロボトミーの手術をされていた。
「猿の惑星」を思い出しました。

もう一つの話は、自衛隊の男(勝野洋)と散髪屋の女店員(竹下景子)のラブロマンス。
しかし、竹下景子が青い血の人間。

クリスマスに、竹下景子は、勝野洋がやってくるのを楽しみに待っていた。
そして、勝野洋がやってきた。

嬉しそうな竹下景子の表情、しかし一瞬にして、勝野洋が銃を発射する。
青い血の人間が謀反を企てているとして、すべての国でクリスマスに一斉に殺害した。
竹下景子のそばで勝野洋も倒れる。

あまりにも残酷で、悲しい二人。
二人の赤い血と青い血が流れ、次第に一つに繋がり合うのです、かすかな希望を見せてエンディング。

いや〜、こうやって記事を書いていると、いい映画だなとしみじみ思いますね。
歳を取ったせいかな。

社会派SFでありながら、娯楽映画としてきちんと作られていることに、また喜八監督の力量を見た気がします。

映画の内容と全然関係ないんですが、竹下景子が、ちょっとジャンプして店のシャッターを下ろすシーンが、めっちゃ可愛いのです。
一度お試しあれ。

イメージ 1

座頭市と用心棒
2015年2月15日、シネマヴェーラ渋谷「岡本喜八監督特集」にて。

1970年度作品
監督:岡本喜八
脚本:岡本喜八、吉田哲郎
音楽:伊福部昭
撮影:宮川一夫
出演:勝新太郎、三船敏郎、若尾文子、滝沢修、嵐寛寿郎、米倉斉加年、岸田森、寺田農、草野大悟、常田富士男、砂塚秀夫、細川俊之、神山繁、木村元

シリーズ第20作目にして、黒澤明作品で知られる“用心棒”こと三船敏郎をゲスト・スターに迎えるという、二大スター夢の対決によってシリーズ最大のヒットとなった作品。3年前に訪れた蓮華沢の里を訪れた座頭市(勝新太郎)は、そこが小仏の政五郎の暴力によって仕切られているのを知った。政五郎は用心棒の浪人・佐々大作(三船敏郎)に100両で市殺しを依頼するが…。
東宝アクション派として知られる岡本喜八監督がシリーズ初演出という異色作でもあるが、劇中の登場人物すべてにワルの魅力を漂わせ、クライマックスとなる市と用心棒の対決までドラマをぐいぐい引っ張ってくれるのはさすが。さて、その勝負の結果は……言うまでもないのだが、両者が刃を交える一瞬の凄みは、やはり名優同士の貫禄であった。ヒロイン若尾文子の艶も善し。(的田也寸志)

2回目の鑑賞。

いや〜、久しぶりに観ましたが、結構面白かったですよ。
娯楽映画の水準は越えていると思います。

座頭市と用心棒って、昔の時代の夢の対決ですよね、ゴジラVSモスラ、というよりゴジラVSガメラって感じですか。
今でもゴジラVSガメラだったら、観てみたいですね。
次回の東宝ゴジラ映画でどうでしょうか。

大映映画なんで、座頭市の映画に用心棒がゲスト出演ということです。
ということで、ゲストに花を持たせないわけがない、かと言って大映のスターに傷をつけるわけにもいかない。

ネタバレありますよ。

昔観た時は、なんや中途半端やな〜、はぐらかされたみたいやな〜と思いましたね。

でもね、今回改めて観て、色んな映画の要素が散りばめてあり、また汚い男たちの世界にあって、若尾文子の華やかさ艶やかさが際立っています。

郷愁を抱いて昔訪れたことのある穏やかな村にやってきた座頭市だが、今はヤクザもの(米倉斉加年)がのさばり、村を支配していた。

そのヤクザものの手助けに雇われた用心棒。
ヤクザものの親は、村人から慕われる名主(滝沢修)。
滝沢修ってやっぱり凄いですね、この落ちついた上品な人のいい所作に潜む闇が微かに見える感じの演技が素晴らしいの一言です。
なかなかこの領域まで達するのは難しいのでは。

座頭市と用心棒のやりとりが面白い。

火事が起き、逃げる座頭市が階段から落ちそうになり、近くにあった徳利を下に落とします。
どれくらい地面まで距離があるのか、その音で自分の高さを測ろうとしていたのだ。
その徳利を用心棒が空中で拾い、3秒測って、地面に落とす。
座頭市は意外な高さにびっくり、落ちたら死ぬと思い、必死で階段から這い上がろうとし、その姿を大笑いしながら見ている用心棒。

実に嫌なヤツです笑。

用心棒が座頭市をバケモノと言えば、座頭市はケダモノと言い返す。
ののしり合うことばだけとらえると、喧嘩のように思うかもしれませんが、ことばとは裏腹に次第に親密度を増していくのです。

表向きのことばでは、けなしているようで実はお互いを信頼している喜八流愛情表現ですね。
何かしら友情みたいなものを感じます、うまい演出です。

小判鋳造時に金の配合を減らして金を溜めこんだ男は、名主の父親に金を流していた。
果たして、金のありかは。
用心棒は、普通の浪人なのか。
謎のスナイパー九頭竜(岸田森)は何者なのか。


ラストは、映画「黄金」へのオマージュでしょうか、日本風の金の亡者たちの地獄絵図。

お金を度外視したいい人と言われていた座頭市が、実は金を持って逃げるつもりが、金袋が用心棒との戦いで無くなっていたことを知らず、悔しい表情をする。
やっぱり、みんなお金は好きなのだ、本音ですね。

ユーモアと殺陣のバランス、十分楽しめました。

開く トラックバック(1)

イメージ 1

英霊たちの応援歌 最後の早慶戦
2015年2月14日、シネマヴェーラ渋谷「岡本喜八監督特集」にて。

1979年度作品
監督:岡本喜八
脚本:山田信夫、岡本喜八
音楽:佐藤勝
出演:永島敏行、勝野洋、本田博太郎、中村秀和、大谷直子、竹下景子、山田隆夫、東野英治郎、伊藤敏孝、水野久美、田中邦衛、岸田森、八千草薫、中谷一郎、山本麟一、殿山泰司、寺田農、今福將雄、大木正司、草野大悟、役所広司

第二次世界大戦下の日本を舞台に、昭和18年10月16日に行われた徴兵前の最後の早慶戦と、出陣学徒として散華していった若者たちの姿を描いた青春ドラマ(amazon解説)

シネマヴェーラ渋谷で「岡本喜八監督特集」が始まりました。

2回目の鑑賞。
1回目を見た時も思ったんですが、タイトルの早慶戦はほとんどでてきません。
ちょっと騙された気分です。

戦争で日本の状況は次第に悪くなり、兵隊不足から、大学の野球部員たちは、学徒出陣を強いられます。

ですから、野球が大好きな大学の野球部員が、軍隊に入って、実践もなくいきなり少尉となり、特攻隊となって、敵の軍艦に突っ込んでいくまでを、ニュース映像を挿入しながら、淡々と描いていきます。

それぞれの学生が、特攻隊として死んでいくための、「踏ん切り」を見つけます。
怪我をした母親との最後の面会でくぎりをつける男(中村秀和)であったり、恋人を東京大空襲で亡くした男(本田博太郎)は形見のスカーフを巻いて軍艦に突っ込んでいったり。

また東京大空襲で両親と妹を亡くした主人公(永島敏行)は、赴任地にいつもついてくるお手伝いの女性(大谷直子)と最後は、結婚してくれと抱きつく。
一人死ぬには寂しすぎるんだと。

特攻隊で死んだ男たちが廃家となった小学校に泊まるが、黒板に銀座の通りの店の名前が書かれていた。
新しくきた兵隊二人が、それを見つけ、埋まっていない店の名前を埋めていく。
しかし、どうしても1か所どうしても思い出せない。
そして、召集され集合時間間ぎわにようやく店を思い出し、思い残すことなく旅立っていくのです。
ユニークです。

このように死んでいく男たちでも、ちょっと面白いエピソードを交えながら死の恐怖を和らげるくだりをもってくるあたりは、喜八流といえるのではないかと思います。

この映画、学生たちが特攻隊として死んでいった話で、深刻で辛いストーリーなんですが、ちょっとしたユーモアであったりペーソスが漂います。

最後まで、等身大の若者の目線で描かれます。
そこが、凄いと思うのです。
政府に対してありきたりの批判はしないし、最後まで自分たちが置かれている役割を全うしようとするのです。
その姿が余計に悲しい。
見る側が、手を合わせたい気持ちになります。
そういう意味では、学生目線でありながら、同時代を生きた監督目線ともいえる鎮魂歌といえるのです。


ただ、死ぬのにこんなに潔くていいのかと思ったりします。
ぶざまでも、もっと生きることを選んでほしいと思ったりします。
当時の現実は、そんなことを選ぶことはありえなかったでしょうが。
今の人が、変に勘違いしなければと思ったりします。

いつの日か野球ができるように、白球を買って地面に埋めた野球顧問(東野英治郎)の願いが、現代まで繋がっているんです。

本田博太郎は、この映画から喜八組となって最後の映画まで出演します。

佐藤勝さんのボレロ風の音楽が素晴らしいです。

「肉弾」で死んでいったウサギ役だった大谷直子が、最後は娼婦となって、登場します。
またもや、主人公のための女神として、生き返るのです。
シネマヴェーラ渋谷「岡本喜八監督特集」2/14(土)〜3/6(金)

軽快なカット割りと奇想天外な発想で知られる天才・岡本喜八の世界を堪能する特集。
職人監督として娯楽映画を撮り続ける一方、生涯戦争を批判し続けた反骨の人・岡本喜八の傑作の数々を、戦後70年の今年こそ是非ご覧ください。(シネマヴェーラ渋谷より)

シネマヴェーラ渋谷さん、また嬉しい特集を組んでくれました。


喜八作品は、一応すべて鑑賞していますが、ビデオでしか観ていない作品もあるので、この機会に観ようと思います。

有名どころでは、「独立愚連隊」「江分利満氏の優雅な生活」「肉弾」「座頭市と用心棒」「大誘拐RAINBOW KIDS」。

そして、ちょっとマニアックなファンに人気のある「ああ爆弾」「侍」「殺人狂時代」「ブルークリスマス」。

「英霊たちの応援歌 最後の早慶戦」の上映は、珍しいです。
その他に個人的に好きなのは、「どぶ鼠作戦」「血と砂」。

それと、TVドラマを映画館で観れるのは貴重ですよ。
未見の「着流し奉行」「昭和怪盗傳」「遊撃戦」(監修)は、是非観たいと思っています。


また、2/21(土)は監督の奥様岡本みね子さんと二木てるみさんのトークショーがあります。
楽しみですね。

関東近辺の方、興味があり機会があれば、ユニークな喜八映画を楽しんでほしいです、ハイ。

全3ページ

[1] [2] [3]

[ 次のページ ]


.
アバター
シーラカンス
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

標準グループ

友だち(3)
  • すかあふえいす
  • mossan
  • user t
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事