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岡本喜八監督

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大誘拐RAINBOW KIDS
2011年2月26日、新文芸坐「鬼才・岡本喜八 七回忌  はじめての人のための岡本喜八」にて2回目を鑑賞。

1991年度作品
監督:岡本喜八
原作:天藤真
脚本:岡本喜八
音楽:佐藤勝
出演:北林谷栄、緒形拳、風間トオル、内田勝康、西川弘志、神山繁、水野久美、岸部一徳、田村奈巳、樹木希林、天本英世、奥村公延、嶋田久作、竜雷太、橋本功、常田富士男、本田博太郎、中谷一郎、上田耕一、松澤一之、松澤一之、岡本真実、山本廉、大木正司

刑務所を出所したばかりの健次(風間トオル)ら3人の若者は、紀州一の大金持ち、柳川とし子刀自(北林谷栄)を誘拐。しかし、彼らが身代金を5000万円と考えていることに憤った刀自は、何と100億円を要求するよう命令。かくして誘拐犯と人質の関係は逆転し、おばあちゃんVS猪狩(緒形拳)ら県警との壮大なる駆け引きが始まった!
天藤真の同名小説を、『独立愚連隊』などのシネマアルチザン岡本喜八監督が構想10数年の末に映画化を果たした痛快犯罪コメディ映画の傑作。全編ほのぼのとした空気が漂う中、前代未聞の犯罪計画=おばあちゃんのメルヘンが、岡本監督独特のリズミカルなカッティング、岡本映画の常連俳優たちの快演、そして岡本映画に不可欠な佐藤勝の情感豊かな音楽などに支えられながら快活に綴られていく。そしてその中から醸し出されていくのは、国は人に一体何をもたらしたのかという、岡本映画ならではの反骨のメッセージであった。笑って、しんみりして、考えさせられて、そして観終えた後は明るく希望を持てる。これぞ岡本映画の真骨頂。必見の名作である。(増當竜也)

若者3人の誘拐犯の主導権が次第に誘拐したおばあちゃんに移っていく様が、おかしいです。
車をブルーバードと当てたり、アジトが和歌山市なら3カ月前の新規契約賃借物件なんてプロの警察が調べたら、あっと言う間や、とか。
しかたなく、昔おばあちゃんにお世話になったクウちゃん(樹木希林)の家に隠れることに。

またクウちゃんがいいのです。
おばちゃんなのに、何故かセーラー服を着ている不思議さも笑えます。
身代金の金額もおかしい。
5000万円の身代金と聞いて、おばあちゃんは舐めたらあかんで、枯れても痩せても柳川家の当主や、100億より一切負けへんで、ときた。
普通は金額を減らすのに、それも100億とは、肝っ玉のでかいおばあちゃん。

誘拐犯の一人が、次第に親しくなりクウちゃんの畑仕事を何気なく手伝うエピソードもおかしい。
この辺が、喜八監督らしいトボケタ笑いです。

なにせ、おばあちゃんが元気です♪
20年前の映画ですが、お年寄りが元気なのは、いいことです。
弱い年寄りより、強かな年寄りの方が、映画を観ていて楽しいです。

100億の身代金の受け渡しもユニーク。
原作・天藤真のユーモアミステリーの良さを損なわず、喜八監督のユニークさも見せながら、楽しい映画でした。
リアルタイムで観た当時、監督の年齢からおばあちゃんに思い入れが強く、若者3人の誘拐犯の造形が古臭いなと感じたものでした。
自分も歳をとり、今回そんなに違和感を覚えなかったのが、ちょっとショックです。
ワンシーンながら、昔からの喜八組の常連俳優、山本廉、大木正司が警官で出ていたのは嬉しかったです。


プロデューサー岡本みね子夫人、本田博太郎さん、風間トオルさん、喜八プロ社長岡本真実さんのトークショーがありました。
本田博太郎さんはサービス精神が旺盛で楽しませてくれました。
鉢巻き、黒メガネ、黒の革ジャンと喜八監督の姿で登場し、さしずめ本田監督?。

喜八監督はリハーサルをしない監督で、俳優は余計に緊張したとか。
演技指導もアクション以外はしなかったとか。
岡本みね子夫人は、内容の評価はどうあれ念願の西部劇で苦労された「イースト・ミーツ・ウエスト」が一番好きな映画だとおっしゃっていました。
最後は、観客も含めて1本〆。
映画「吶喊」のラストを思い出しました。
楽しい1日でした。

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近頃なぜかチャールストン
2011年2月26日、新文芸坐「鬼才・岡本喜八 七回忌  はじめての人のための岡本喜八」にて2回目を鑑賞。

1981年度作品
監督:岡本喜八
脚本:岡本喜八、利重剛
音楽:佐藤勝
出演:利重剛、古館ゆき、財津一郎、本田博太郎、小沢栄太郎、田中邦衛、今福将雄、殿山泰司、千石規子、堺左千夫、岸田森、平田昭彦、寺田農、伊佐山ひろ子

自らを独立国“ヤマタイ国”の閣僚と名乗る非行中年グループと非行少年の奇妙な交流を、現代日本に対する鋭い風刺を込めてコミカルに描いたドラマ。監督は「独立愚連隊」の岡本喜八。非行少年の小此木次郎(利重剛)は婦女暴行未遂で入れられた留置場で、無銭飲食の中高年(小沢栄太郎、田中邦衛、今福将雄、殿山泰司、千石規子、堺左千夫、岸田森)たちに出会う。彼らは自分たちを独立国“ヤマタイ国”の国民と称していた。翌朝、それぞれに釈放されるが、次郎は彼らのことが気になり、お手伝いのタミ子(古館ゆき)とヤマタイ国を探し始めるが……。(allcinema解説より)


独立国“ヤマタイ国”の閣僚を自認する老人たちの日本を批判するストーリーをコミカルに描いた変てこりんな映画。

若者と老人が同じ独立国で生活するという面白い題材でありながら、もう一歩突き抜けないまま、終わってしまった感じかなあ。
いかんせん予算が少ないせいか、それとも老人たちの話のせいか、喜八監督特有のとび跳ねた爽快さが足りない。どこか暗い感じがします。
独立国“ヤマタイ国”なんだから、老女が生き生きと活躍した「大誘拐」のように、日本をあっと驚かすぐらいの仕業が必要だと思います。

若者と老人の組み合わせもあまり効果的に機能しているとも思えず、結局老人たちのちょっとした脅しで終ったのは寂しい。

戦争を引きずっているのは明らか。
「肉弾」で死んだ寺田農が、戦争で生き延び亡霊が殺し屋となって、現代の若者(利重剛)を殺そうとするが、独立国“ヤマタイ国の陸軍大臣(田中邦衛)が守るということでしょうか。
なんか色々頭で考えないといけない喜八作品って、面白くないです。
体や心で感じる映画でなくっちゃ。
娯楽映画を作る中で喜八監督の個性は際立つように思います。

喜八組の俳優さんたちを見るのは、とても楽しいです。
ハイテンションのドジ刑事本田博太郎は、いつもリーチと叫ぶ。
今でも不思議な俳優さんで好きですね。

生命保険金のため狙われる利重剛も当時はまだ10代で、今も堅実な俳優さんですが、監督もやり、多才な人です。

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大学の山賊たち
2011年2月21日、新文芸坐「鬼才・岡本喜八 七回忌  はじめての人のための岡本喜八」にて。

1960年度作品
監督:岡本喜八
脚本:岡本喜八、関沢新一
音楽:佐藤勝
出演:山崎努、久保明、佐藤允、江原達怡、ミッキー・カーチス、白川由美、横山道代、上原美佐、柳川慶子、笹るみ子、上原謙、越路吹雪、堺左千夫、平田昭彦、中丸忠雄、沢村いき雄、土屋嘉男、小杉義男、菅井きん、鶴田浩二、藤村有弘

吹雪に襲われた山岳部員(山崎努、久保明、佐藤允、江原達怡、ミッキー・カーチス)とデパートガール(白川由美、横山道代、上原美佐、柳川慶子、笹るみ子)の一行が、ある山荘へ逃げ込んだ。だが、遭難したデパートの社長(上原謙)、山荘の女主人(越路吹雪)の亡き夫(上原謙の二役)、二人組の強盗(中丸忠雄、若松彰)までが加わって、事態は二転三転。閉じこめれた彼等の運命は?アクションあり、幽霊あり、ギャングあり。冬山を背景にした青春アクション。 (ラピュタ阿佐ヶ谷解説より)

毎回言っているのですが、私は岡本喜八監督ファンなので、感想はかなり贔屓目です。
ご了承くださいね♪

唯一、喜八作品で未見だった映画。
ようやく、念願かなって見ることができました。やった〜。
1960年作品ということで、白黒のスタンダードというイメージを持っていたら、カラーでそれもシネスコのワイド画面だったので、びっくりしました。
特に今回はニュープリントだったので、色鮮やかで気持ちよく見れました。
新文芸坐さんありがとう♪

さて、感想です。
いかにも喜八監督らしい映画でした。
フォービートのリズムがテンポよく、コミカルで、おかしなユーモアもあり、実に楽しい映画でした。

大学の山岳部員5名とデパート5人の女性たちの若さゆえの男女の喧嘩というか小学生のような言い争い。
お頭、宇宙、胃袋、税務署、ギネ、姐御、カレー、オシメ、オサル、オトラとユニークなあだ名が楽しい。
男女5人組なら、普通恋愛映画にするところを、あえて恋愛に持っていかないところも喜八監督らしいです。

デパートの社長(上原謙)と山荘の女主人(越路吹雪)の亡き夫(上原謙の二役)が同じ顔をしているので、女主人(越路吹雪)が夫と社長(上原謙)を間違え、社長(上原謙)のことを「あなた」と呼ぶ。
社長(上原謙)もだんだんその気になって、女主人(越路吹雪)のことを「お前」と言ってから、「いやいや、奥さん」と言い直す変てこなおかしさ。
亡き夫(上原謙の二役)が実は幽霊だったという設定がまたまたドタバタ喜劇風にしています。
越路吹雪のどこか浮世離れした性格設定も面白いです。

薪を落とすシーンの次のシーンを、スキーの板を落とすシーンに繋げたり、お皿をテーブルの上に同じリズムで置いていくシーンとか喜八カットが存分に味わえて幸せでした。

佐藤允の豪快さ、江原達怡のちょっと裏のある役どころ、中丸忠雄はやっぱり悪役で、堺左千夫のヌケタ下男、沢村いき雄の賑やかし巡査、どの人もちょっと癖があって見ていて楽しいです。

「ばっきゃろう」のセリフが、怒っているのではなく親しみを込めた挨拶がわりに使われているのも喜八監督らしいですね。

追記
映画とはまったく関係ないのですが、映画館を出る私に、プロデューサー岡本みねこ夫人が「ありがとうございました」と挨拶されていました。
どうも、毎日日参されて、観客に挨拶されているようです。
なんか嬉しくなるというか、なかなかできないことです。
喜八監督のファンでよかったと思いますね。

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岡本喜八「斬る」★

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斬る
2011年2月13日、新文芸坐「鬼才・岡本喜八 七回忌  はじめての人のための岡本喜八」にて3回目?を鑑賞。

1968年度作品
監督:岡本喜八
原作:山本周五郎
脚本:岡本喜八、村尾昭
音楽:佐藤勝
出演:仲代達矢、高橋悦史、神山繁、東野英治郎、岸田森、星由里子、中村敦夫、土屋嘉男、久保明、中丸忠雄、橋本功、地井武男、久野征四郎、今福将雄、樋浦勉、田村奈己、天本英世、鈴木えみ子、小川安三、黒部進、長谷川弘、中山豊

江戸末期、天保4年。上州のある藩ではその圧政と悪政に耐えかねた正義に燃える七人の武士が城代家老を襲って斬った。次席家老鮎沢(神山繁)はこの機に藩政をわがものにせんと、七人の武士を撃つべく、剛腕の剣客源太(仲代達矢)と半次郎(高橋悦史)を武士たちの潜む砦へとさしむけるが・・・。(日本映画専門チャンネル解説より)

市川雷蔵出演の有名な「斬る」ではないです。
喜八監督の「斬る」ですよ。

いや〜、面白かった。
昔から何故か、この映画が大好きだったんですが、今回3回目?を観て、昔観た時よりもっと面白いと思いましたね。
これって、すごいことですよね。
ストーリーも分かっていながら、独特のユーモアで観客は柔らかくさせられて、登場人物の「心意気」に嬉しくなり、脇役の面白い個性までちゃんと見せ場を作るうまさに惚れたんでしょうね。

娯楽映画はこういう風に作るんだよというお手本のような起承転結なストーリーに惚けたユーモアを振りまいたアクション時代劇です。

2年前に、この藩と同じことが起きてそのことで友人を斬って、嫌気がさし侍を辞めた剣客源太(仲代達矢)。
百姓育ちで侍になりたがっている馬鹿力持ちの半次郎(高橋悦史)。
強風荒れ狂う宿場町に、この2人の腹ペコ男がやって来て、七人の武士が城代家老を斬り捨てるところに出くわす。

飄々とした源太(仲代達矢)は、過去の自分の過ちを取り戻すために、次席家老鮎沢(神山繁)から討手とされる若い七人の侍を、さりげなく手助けする。
半次郎(高橋悦史)は師範の道を探り、次席家老鮎沢(神山繁)の手下になり、砦の七人の討手となる。
源太(仲代達矢)と半次郎(高橋悦史)は敵味方の間柄に。
百姓出の半次郎(高橋悦史)は、女郎屋で土の匂いのする女を指名します。
侍に憧れている男であっても、やっぱりどこか気持ちは生まれ育った頃が懐かしい。

砦の七人を討つ浪人の組長(岸田森)が、また実にかっこいいのです。
武士の娘だったが父親の失政のため女郎となった女(田村奈己)を見受けするために、賞金がいる。
寡黙で自制した男。
半次郎(高橋悦史)に、源太(仲代達矢)が単身で鮎沢(神山繁)宅に乗り込むが、お前には関係ないよなみたいなことを言う。
夜に半次郎(高橋悦史)が、抜け出して源太(仲代達矢)を助けに行く姿を眠ったふりをして見て、安心して眠る姿がいいのです。
しかし、翌日、鮎沢(神山繁)の討手に、浪人たちが殺され、組長(岸田森)も哀しいかな、殺されてしまうのです。

見せ場は、源太(仲代達矢)と剣客次席家老鮎沢(神山繁)との、狭い茶室での一騎打ち。

ファーストシーンで腹ペコの、源太(仲代達矢)が七人の武士のリーダー(中村敦夫)からおにぎりを貰います。
その恋人(星由里子)と会い、おにぎり美味しかったですと礼をいう源太(仲代達矢)のきめ細やかさと繋がりを大事にする脚本の妙に感激します。
本筋にはまったく関係ないセリフですが、こういうセリフを使うことが、この映画の広がりや映画本来の楽しさを実感できます。

ラストシーンもいいのです。
女郎屋の番傘をさし足を引きずりながらの源太(仲代達矢)に、紋付袴の半次郎(高橋悦史)が追いつき、「忘れ物をしただろ」と言う。
「いや、特に忘れ物はないような」と源太。
「俺だよ。俺を忘れていっただろう」と。
紋付袴を脱ぎ棄て、「俺にはどうも侍は窮屈で、一緒に連れてけ」
そして、死んだ組長(岸田森)の女と女郎屋の女たちと、源太(仲代達矢)と半次郎(高橋悦史)の傘が並ぶ俯瞰ショット。
粋でユーモアがあって、見せ場もあり、人の心意気に共感し、実に楽しい娯楽映画でした。 満喫ですね♪

登場人物たちの個性が素晴らしい。

飄々とした仲代達矢。
一本気で人のいい兄ちゃん高橋悦史。
目線がするどいクールな悪役神山繁。

城代家老の東野英治郎のトボケタ可笑しさが特にいい。
次席家老鮎沢(神山繁)に捕まった源太(仲代達矢)を助けた時に、同じ牢屋にいた爺さんを半次郎(高橋悦史)は逃げるために源太の足を持てと手伝わせた。
仕方なく、女郎屋にかくまったが、その爺さんが城代家老だと分かりびっくり。
源太(仲代達矢)が単身で鮎沢(神山繁)に乗り込む時に、城代はこの家から出ないようにと言うと、城代家老は「くどい。ワシは一日どころか一生ここから出たくないわ。さっさと行け」と。笑えます。

お寺の和尚の今福将雄も、愛嬌があって、親しみが湧くキャラです。
源太(仲代達矢)の弟分の樋浦勉は元気印ですね。

佐藤勝のマカロニウエスタンばりの軽快な音楽が心地いいのです。

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殺人狂時代
2011年2月13日、新文芸坐「鬼才・岡本喜八 七回忌  はじめての人のための岡本喜八」にて3回目を鑑賞。

1967年度作品
監督:岡本喜八
原作:都筑道夫
脚本:小川英、山崎忠昭、岡本喜八
音楽:佐藤勝
出演:仲代達矢、団令子、天本英世、砂塚秀夫、富永美沙子、久野征四郎、小川安三、江原達怡、長谷川弘、二瓶正也、大木正司、樋浦勉、沢村いき雄、草川直也、中山豊、山本廉

マザコンの犯罪心理学者・桔梗信治(仲代達矢)は、溝呂木博士(天本英世)率いる人口調節のために無駄な人間を抹殺する“大日本人口調節審議会”の殺し屋たちに命を狙われるはめに。しかし悪運が強いのか単に偶然か、桔梗は彼らをことごとく撃退し、やがて自分の身体に隠された秘密を知ることになるのだが…。
岡本喜八監督が残した全39作品中きわめつけのカルト映画として知られるサスペンス・アクション・コメディ映画の怪、いや快作。原作は都筑道夫の『飢えた遺産(なめくじに聞いてみろ)』で、岡本監督は全編ブラックユーモアに満ちたマンガチックなテイストでこれを押し通したものの、試写を観た会社上層部は恐れをなして半年間オクラ入り。その後、宣伝もろくにされないまま1週間の封切りで一旦姿を消したものの、後の名画座上映で映画ファンの圧倒的な支持を集めて奇跡的に甦ったという、いわく付きの作品である。尋常な精神の持ち主がほとんど出てこないのもグロテスクだが、妙にすっとぼけた味わいがそれを巧みに緩和し、実は娯楽映画としてきちんと万民が堪能できる仕上がりになっている。岡本映画の闇(!?)の魅力を知る上でも欠かせない作品ともいえるだろう。(増當竜也)

チャプリンの「殺人狂時代」ではありません。喜八監督の「殺人狂時代」です。

増當竜也さんの解説で、この映画が、いかに不思議で奇怪な映画だということが伝わると思います。
私はリアルタイムでは観ていないですが、遅れてきて、当時こんな変てこな映画をよくも作ったなと感動した記憶があります。

ユーモアと不気味さとかっこよさが、絶妙にブレンドされ、日本映画にないテイストに仕上がった作品です。
カルト映画と呼ばれるに相応しい。
ただ、映画が作られてからほぼ半世紀近くになり、さすがに今の時代から見たら古く感じるようになっているかもしれません。自分は何回も見ているためマヒしているので、若い人の感想を聞きたいですね。

登場する殺し屋たちがユニークです。
トランプ斬り殺人の小男(小川安三)、義眼の毒女(富永美沙子)、ハイネの詩を読みながら殺す松葉づえの男(久野征四郎)、仕込み傘の男(沢村いき雄)。

そして、何と言ってもパラノイアのボスの溝呂木博士(天本英世)が、強烈に気持ち悪い。
マザコンの犯罪心理学者・桔梗信治(仲代達矢)は、水虫病のトボケタ調。
黒澤作品の重厚な演技とは真逆の緩いセリフ回しが楽しい。
弟分の大友ビル(砂塚秀夫)(大友ビルはオートモービルの洒落)は賑やかし。
お色気たっぷりの雑誌のライター団令子は、ルパン三世の不二子ちゃんか。
しかし、彼女には驚くべき謎が・・・。

シャレたシーンがいくつも。
殺し屋が地下鉄の車両に轢かれ悲鳴の叫び声の次のシーンが、ステーキを切るシーンだったりとか。
自衛隊の爆撃の中を走る桔梗信治(仲代達矢)と大友ビル(砂塚秀夫)の前に、不発弾が。
その不発弾を仲代達矢が見て、「これはお前の税金だろう」「兄貴、俺は税金払ってないよ」

精神病院のお金をかけないシュールな美術セットも秀抜。
仲代達矢と天本英世のスペイン式決闘もユニーク。
ラストの花火が美しい。
絶好調の頃の喜八監督の映画です。

盟友山本廉は、精神病院の患者で重要な役どころです。
小川安三は、最初の殺し屋で目立っていました。その後実業家となり、映画「虹の橋」で製作をしましたが、それからどうしているでしょうかね。
久野征四郎はハイネの詩を読み、いい声をしていました。
佐藤勝さんの音楽も、トボケタ風で、気味悪く風で、楽しい音色でした。

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