|
(陽の巻)
江戸の小噺にこんなのがある。
商家の箱入り娘の腹が日増しに大きくなり、酸い物を好むのは、合点行かぬこと、問い詰めれば、泣きながら白状して
「過ちをおかしました、お許し下され」
と言う。親父は、かんかんに腹を立て、母親は気の毒がり、
「さてさて、困ったものじゃ。まだそのようなことは知らんと思っていたけど、どうにも、とかく魔がさしたのには困るわ」
というのを丁稚(でっち)が、そばで聞いていて、
「もうし、おかみさん、なに、まばかりならええがね、あのぅ、らもさしました」
「まら」はサンスクリット(梵語)で身心を乱す神を意味し「魔羅」と漢訳され仏教と共に中国を経て輸入された言葉だった。印度、中国、日本などの仏教国では性欲を最大の煩悩とし、これを克服して悟りを開くべくつとめたから、性欲の根源たる珍鉾に「魔羅」という恐ろしい字を当てたのであろう。もっとも今はあまり使われないから若い人は、まら知らないかも。
英語では、珍鉾をコック(cock)という。イギリスの誇る文豪シェイクスピァも男根の意味でcockを使っているから、俗語としての歴史は古い。(ちなみにシェイクスピァと徳川家康は亡くなった年(1616)が同じである。処は東西遠く離れても、同じ時代の空気を吸って活躍した)
コックの語源は水道の蛇口から来たのだろうと思っていたのだが、シェイクスピァの時代から使われていたとなると、ひょっとすると水道の蛇口の語源が、男根からきているかもしれない。これはイギリスの水道の歴史を詳しく調べてみなければならない。もしそうだとすると、世のご婦人方は「コックをひねって」水を毎日出しており、こんな愉快なことはない。まぁそんなことはどうでもいいか。
友人になったスコットランド人から、cockには「おんどり」という意味もあってそれが語源らしい、ということを教わった。
さらに彼は、おんどりはめんどりを求めて「cock-do-do」と鳴くという。日本でいうコケコッコーである。(ちなみに辞書にはcook-a-doodle-dooとあった)
料理人、あるいは料理するといった動詞は、クック(cook)としなければならない。なぜ料理人をコックと呼ぶようになったのか調べたら(物好きな奴だ)、あんのじょうオランダ語で、コック(kok)として入ってきたもので、江戸時代に長崎市民で使われていたものが広まったようである。
アメリカの観光客のグループが来日して、京都の料亭で日本料理の美味しさ、すばらしさを店の主人を前にして褒め称えた。主人いわく
「サンキュー、サンキュー」そして下腹をポンとたたいて
「アイ・ハブ・グッド・コック!」
アメリカ人達は大笑いであったそうな。店の主人だけが何故笑われたのかわからない。
父親が息子のビリーと森を散歩している時、急にミツバチ(honeybee)が2人の目の前の岩にとまった。ビリーが石でそれを殺してしまうと、父親は叱った。
「なんて残酷なことを、ビリー。1ヵ月間ハニー(ハチミツ)をあげないよ。」
今度ビリーは、蝶々(butterfly)を踏み殺してしまった。
「そんなことしたから、1ヵ月間、バターも取り上げだ」と父親。
家に帰るとビリーの母親が忙しそうに夕食の用意をしていて、ちょうどゴキブリ(cockroach)を見つけ て、すばやく踏み殺したところだった。ビリーは父親の方を向くと、
「僕、お母さんが1ヵ月おあずけをくうもの、なんだか知ってるよ」
(陰の巻)
女性の持ち物はプッシィ(pussy)という。元の由来は「子猫ちゃん」からきているという。殿方がいつくしむこと、まさに子猫の如しである。アメリカの小咄に次のようなのがある。
「私の大事な大事な子猫ちゃん、最近とってもよく毛が抜けるんです、どうしてですの?せんせ」
「そりゃ奥さん、ダイエットの自転車のこぎ過ぎですな」
米国人タレントのデーブ・スペクターが、プラッシー(purassy)という飲料水(註・たしか米屋さんの系列で販売している)を見るたびにドキッとしてしまうという。頼むからカタカナだけの表示にして欲しい、と語っていたが、笑ってしまった。
ずいぶん前のことだが、シュワちゃん主演の封切り映画を観にいった時のことである。(題名は『ゴリラ』だったと思う) 彼が車を運転していて警察官に止められ、免許証のミドルネームの「P」の綴りは?と尋ねられた際、シュワちゃんが一言「プッシィ」と発した。私はこれには大笑いしてしまったが、一人だけ高笑いするのもまことにおかしなもので、暗い場内で赤面してしまった。(字幕は発音のままに書かれていた) ちなみに警察官を米人はcopと呼ぶが,これは蔑称ではない。制服のボタンの銅copperからの由来という。ロボットの警察官が活躍する「ロボコップ」という映画もあった。
小錦が日本語もよくわからない新弟子の頃の話である。稽古で懸命に兄弟子を押す彼に、ある親方が
「コニシキ、プッシュ、プッシュ、」
とはっぱをかけてくれるのだが、発音が悪く
「プッシ、プッシ、」
と小錦には聞こえてしまい、その度に力が抜けたと語ったそうだ。人伝てにそれを聴いた時には大笑いである。しかし、あながち的外れなことでもない。「土俵には、金も女も埋まっている」と昔からいわれているのだから。
country(カントリィ:国、田舎という名詞)からryを取っただけなのにcount(数えるという動詞)はカントという発音ではなく、カウントと発音するから英語はまことにやっかいである。カントといえばcuntで、pussyと同じ意味になる。countryならぬcuntryといえば、さしずめ昔の人のいう女護が島か?(女だけが住むといわれる想像の島)
ウィリーは、どうしても新らしくきた女の先生の名前を覚えられません。そこで先生は、ウィリーのため黒板に自分の名を書いた。Prussy と。先生は
「プッシィにRが入っていると考えなさい」
と教えた。これでプラッシィ先生は大丈夫だと思ったのですが、ウィリーは翌朝学校に来ると、
「おはようございます、Crunt先生」
|
cockとpussyでこれだけの話が書ける勢蔵さんに敬意を表します。人間の生命の原点、欲望の原点、笑いの原点はcockとpussyに尽きると思います。
2006/10/6(金) 午後 6:00 [ kenkon123 ]
お褒めいただきありがとうございます。真面目な振りしてスケベな男は沢山いますが、私はスケベ男のようで真面目なのです。
2006/10/6(金) 午後 10:38
cockは、雄鳥の嘴とその下の垂れ下がりが、男性器に似ているからだと思っていたが・・・
2019/8/19(月) 午前 1:14 [ XEXEX ]
> XEXEXさん コメンとありがとうございます。
「コックの語源は水道の蛇口」というのは、私が勝手に思っていただけで、根拠はありません。おそらく貴殿の説が本当のようです。
シェイクスピァと徳川家康は亡くなった年が同じですから、英国には蛇口はまだなかったでしょう。
2019/8/19(月) 午後 7:02