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「女衒(ぜげん)」

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吉原遊廓「張見世の図」宮川長亀

「女衒(ぜげん)」について

前日「女衒」のことに触れたので、述べてみたい。
江戸時代の女衒は、身売りの仲介業として生計を立てていた。江戸の女衒は、地方の女衒にコネクションがあり、借金でどうにも立ち行かなくなった貧しい農家などから地方の女衒が、少女を買い、江戸の女衒に売り渡した。(江戸に限らないが)
江戸の女衒はそうした少女を吉原遊郭や岡場所などに売った。(岡場所については後で述べたい)少女は10代前半〜から10代半ばで売られていたようです。中には身売りの仲介だけではなく、誘拐などをした悪徳女衒もいたという。

まあ建前では、幕府は人身売買を禁じていたから、遊女は十年の年季奉公という扱いであった。15歳で雇われれば十年奉公して26歳で年明けして自由の身になる。これが「苦界十年」。
「十年で極楽へ出る籠の鳥」といった江戸川柳がある。
江戸の女衒は、山谷地区に多く点在していたという。想像しただけでもいい仕事とは言い難い。泣き悲しむ3〜4人の少女を、(数は想像であるが)なだめたり、あるいは凄んだりして連れて行くのであろうが、同情などしていたら商売にならないであろう。利点といっていいかわからないが、穢多・非人の出自とされた女性にとっては、唯一の差別を抹消できる方法でもあったという。女衒の手から手に渡れば、出自がわからなくなる。そして遊郭に売られ、十年過ぎれば、町人になることが出来たのである。

『吉原細見』によると1733年(享保18年)に吉原遊郭に囲われていた遊女は2000人以上いたといわれており、その後の寛政年間(1789〜1801)には4000人余となり、幕末に至るまでの間、遊女数は増加する一方であったという。

吉原遊廓のほとんどの遊女は、女衒から売られた女性と思われがちであるが、違います。
田舎娘はいくら器量がよくても、にわかの躾ではとても高級遊女に仕立てることができないのである。局見世の安女郎かせいぜい新造止まりである。花魁と呼ばれる高級遊女の大部分は、廓の中や、遊芸者層で生まれた女子の中で、幼少時から利発かつ明眸皓歯な者が、教養、舞踊を身に付けさせられ育成されるのである。花魁は、教養・見識の点で、町の一般子女(武家も含めて)よりもはるかに秀でていた。高級武家や大商人を惹きつけた魅力もそこにあるのである。特に江戸中期以前の花魁には詩歌を解する者が多く、優れた作句・文章等が今に伝えられている。


さて岡場所であるが、吉原遊廓以外の売春街をいう。その代表が品川・新宿・板橋・千住の四宿と深川で、四宿は飯盛女として定員が決められていて、黙認されていた。吉原の最大の敵は深川でした。一般の人気では優っていた。その他多くの岡場所は、寺社地(寺社の門前町に多かった)にあって、町奉行の支配を逃れていたが、寛政改革で53ヶ所、天保改革で28ヶ所の岡場所が摘発された。捕らえられた遊女は、吉原の下級女郎として2年働かされた。

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「ぜげん」なんて、若い人は初めて聞く言葉でしょう。時代劇の言葉が理解不能だといいます。「かたじけない」とか「御意でござる」とかチンプンカンで「ギョイ?驚いたのかな」と思うようです。
遊郭は男にとって楽しい処であったでしょうが、売られてきた女性には悲惨な処でしたね。 削除

2007/8/30(木) 午後 0:06 [ 勢蔵さんのファン ] 返信する

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時代劇の言葉がわからない?若い人はそうかもしれませんね。でも 今の時代劇は昔より、ずいぶんと堅さ(武家言葉の)が無くなりました。
「女性には悲惨な処でした」−もちろん多くの若い女性にとって辛かったでしょうが、必ずしもそうとは言い切れません。極貧の農家から遊廓に売られた女性の書いたものに「いい着物にいつも白いご飯でこんな幸せで弟妹に申し訳ない」といった記述があるからです。性を縛られないフランクなものと割り切りさえすれば、食うや食わずの極貧百姓の女房より遊女の方がまだましかも。でもこれは男の身勝手な論理ですね。

2007/8/30(木) 午後 6:27 勢蔵 返信する

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貧しい百姓の女房になるより、女郎の方がましだなんてことをいったら、今の女性は怒るでしょうね。いくらか知りませんが、女衒に我が娘を売り渡す親の心中を思うと悲しいですね。 削除

2007/9/1(土) 午後 1:55 [ 出来損ないの後輩 ] 返信する

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娘を持つ親の身として同感です。天候に左右される作物に頼り、小作料も払うことが出来ないお百姓の悲哀は想像を絶するものがあります。金に切迫する百姓の足元を見て、買い叩いたことであろうと思います。

2007/9/2(日) 午前 10:34 勢蔵 返信する

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